宮崎から

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仕事で宮崎。
私にとって、九州は恩師の出身地だったこともあり、特別の地でもある。

１０年前、５６歳でがんで亡くなった先生は、大学６年間心の支えだった。アメリカから帰国してすぐに出した年賀状に返事が来たのが５月。いつもと違う賀状に、妙な感じを抱きながら、その年の緩和医療学会に恩師の名前を見つけたとき、ホッとした。その年の秋、先生が年明けに亡くなられた事、後を追うように奥様も亡くなられた事を知った。５月の賀状は奥様が先生に代わって投函されたものだろうとやっと気づいた。死を知ることが出来ず、もう１００%会うことはないという現実に、この１０年間、恩師の影をいつも探し続けていた。
前任地の大学病院で直接の上司だった前院長は、恩師の大学時代の同級生だったこともあり、時々、前院長と恩師の話をするのが、私にとってのグリーフワークだった。

いつも、満面の笑顔で支えてくださった恩師と心の中で対話する。血管外科が専門だった恩師が、医学教育に力を注がれ、外科医として緩和医療にも造詣をもたれていたことが、今の私を後押ししてくれる。

今日、宮崎の方へ伝えたいことが伝えられますように。

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