このところ、鎮痛補助薬に新しい動きが出てきました。
抗うつ薬、SNRIに分類されるデュロキセチン(商品名 サインバルタ)
うつに保険適応がありますが、将来的には、糖尿病性末梢神経障害にも適応拡大される可能性が高い薬剤。
抗けいれん薬の、ガバペンチンに似た、プレガバリン(商品名 リリカ)
ヘルペス(帯状疱疹)後神経痛に保険適応がありますが、この秋くらいには、末梢神経障害性疼痛に適応拡大される可能性が高い薬剤。
この2剤は、すでに発売されているSNRIのミルナシプラン(商品名 トレドミン) とともに
FDA(米食品医薬品局)は、繊維筋痛症の治療薬としても認可しています。
以前紹介した、抗うつ薬、NaSSAに分類されるミルタザピン(商品名 レメロン、リフレックス)も、
鎮痛補助薬として、注目しています。
鎮痛薬として用いるなら、
既存のものと同様に、保険適応があいまいですので、
効果、代替薬の有無、副作用など
患者さんに納得して頂けるよう勉強し、
薬剤が持つ益を患者さんに還元できるよう
努力しなくてはならないと感じています。
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PT1年目の娘の受け持ち患者さんが容体が急変しお亡くなりになったそうです
70代の間質性肺炎の女性の方で、容体は進んでいるものの退院し自宅へ戻る為のリハを初めて数日の方だったようです。
酸素も結構な量の投与が必要な方で、リハも数値を監視しながらで少し始めると数値が上がる為、今日もあまり出来なかった・・という数日後の事だったそうです
正直患者さんの死には関わりが少ない部門だと思っていただけにショックも大きいようです
そんな娘には辛いだろうけど患者さんに学ばせてもらった事を無駄にしないようにしっかり自分のスキルを磨いていく事が供養になるのでは・・と話しましたが
何しろ医療には素人の私・・・実際去年の病気のお薬もまだ服用している娘なので心配になりました。
どんな言葉をかける事がいいのでしょうか・・・
娘の施したリハは無理もなく急変の要素の要素にはなっていないようで、周りのスタッフさんには「仕方のなかった事」だと言われているようです。
このコメントの公開は先生の記事とかけ離れているので違和感をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんので先生のご判断で・・・
相談にのっていただけたら嬉しいです。
私は、高1なのですが、前から医療関係の仕事につきたいと思っています。
それは、私が小6のときに、祖父が癌で、緩和ケア病棟にお世話になり、最期まで優しく懸命に接してくださった看護師の方や、先生方と、それに対する祖父の笑顔がとても心に残っているからです。
小6だった私でも、素晴らしい仕事だと思いました。
それで、中学受験をし、私を可愛がってくれた祖父のことを時折思い出しながら勉強をしてきたつもりです。
また、中3のときは、父と10日間インドに行く機会がありました。
インドでみた光景は、15歳の私には、精神的に辛いものがありました。
それでも、貴重な経験をし、さらに将来を医療にかける思いが強くなりました。
しかし、私は理数系がとても苦手で、学校の先生から、2年からは文系に進んだほうがいいんじゃないの?と軽く言われてしまいました。
私もこのままでは理系に進んでもついていけないし、学力が到底及ばないのはわかっています。
だから、今ものすごい焦りを感じています。
でも、私は夢をあきらめきれません。
緩和ケアでは、どんな気持ちが大切なのでしょうか。
こんな子供な私が突然相談をしてすみません。
るんさん、himawariさん、お二人のコメントに思わずコメントしたくなっちゃいましたので書き込みました。
現在、急性期病院でがんの相談業務を担っております看護師です。
高校一年生のるんさんの夢、とても素敵ですね。お祖父様もきっと応援していらっしゃる事と思います。医療関係に関わる職業、医師、看護師、コメディカルと様々な職業があります。現時点で必ずしも理数系が得意でなくても夢を叶える道はあると思います。学校の先生だけでなく、幅広い視点で多くの方の意見を聞いていくのも良いと思います。このブログのaruga先生に相談された事、とても良かったと思います。
himawariさん、お嬢様を思うお母様としてのお気持ちお察し致します。受け持っておられた患者さんが旅立たれたとの事……お嬢様は今、色々な事を感じておられると思います。
関わった患者さんは、リハビリが出来た事を喜ばれていらっしゃると思います。
現在、私はがんの相談業務を行っておりますが院内でリハビリ科の運動療法士、作業療法士の方ともチームとして関わる事があります。残念な事に容態悪化して最期を迎えられるような方もいらっしゃいますが、そのような時にはリハビリ科の関わったスタッフに患者さんの病室に行き会って頂く事を提案したりします。
また、緩和ケア病棟に転院された方々、在宅療養になった方々の旅立たれた様子等々、連絡を受けた場合、その事をリハビリ科のスタッフに報告しております。患者さんの旅立ちも含めてチームで共有する事を行うと見えてくるものがあり、さらに前に進む事があると思います。お嬢様も他の病院スタッフと何か話す事も良いのではないか……と思いますがいかがでしょうか?
どのような部門であっても、医療現場にいる以上、人の死や喪失につながることは避けられないことです。それは、ある意味、自然なことでもあります。
にもかかわらず、自分は何故、そこにいるのか、何故、それを選んだのか・・
自分との会話を積み重ねてくださいますようにお伝えください。
どんなに打ちのめされることがあっても、太陽はまた、昇ります。
自然の中に身を置きながら、生死の現場にどう向き合っていくかは、プロの医療者となった以上、自分で答えを見つける作業を求められます。
患者さんの最期の時、よかったと思える僅かなものになることができるよう、生きているときに関われる立場に感謝しつつ。
先生から言われたことで、方向転換を考えるのも一つの選択肢。
高校1年生、夢を諦めるには早いと思うなら、迷わないで一生懸命頑張ってみる。
今を限界と感じるなら、今の力でできることと自分の夢と擦り合わせてみる。
自己決定であり、自分の限界とのせめぎあいであり、喪失体験かもしれません。
いずれも、緩和ケアで患者さんとのプロセスで、大切な経験でもあります。
沢山悩んでください。そして、自分で道を見出す作業に向き合ってください。
お二人に暖かなエールをお送りくださり、ありがとうございます。
こうした支えを感じると、見知らぬ絆に力強さを頂いたように思います。
お陰で、私は、本音でコメントすることができました。
ありがとうございました。
どちらの薬も、武器の一つとしてうまく使えるようになりたいと思っていました。
新しい薬、適応が認められていない薬を使う時は、効果もリスクも本当によく理解して、患者さんの役に立つようにしないといけませんね。
先生の言葉を読んで改めて気をつけようと思います。
薬に限らず、保険適応の無い治療法などについても、そういうことを肝に銘じて勉強しながら、でも恐れ過ぎずにやって行きたいと思っています。
母の取り越し苦労のような私にありがとうございます。
実際の現場の方のお言葉ひとつひとつがありがたいです。感謝です。
aruga先生
お忙しいところご返事いただきありがとうございました。
離れているもので、昨年の病気以来私の方が少し過敏になりすぎているようです
おっしゃる通りです。彼女自身で答えを見つけて行く事も仕事を続けていく一つのプロセスですね。
いつもいつも動揺している私を導いてくださるお言葉に感謝です。
頂いたコメントを拝読し、先生にかかわってもらっている患者さん方は、安心して痛みを伝えることができて幸せだなあ・・って感じました。
使いこなせるように、お互いがんばりましょう!
himawariさん
厳しいコメントにも関わらず、感謝とお書きくださって、本当にありがとうございます。
正直なところ、ほっとしました。
楽ではない道だと思いますが、通り抜けていかれる力が与えられますように。