緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

「急がなくていいよ」を英語で言うと・・

2015年11月08日 | 医療

11月の第1週は、
予想もしなかったことが幾つか続き、
中々きつい一週間でした。

特に、ゲストエディターとして参加していたある特集号で・・・
はあ??・・こんなのあり??・・
裏側は、こういうからくりなの??・・
ということが勃発。
丁寧だけど言いたいことが
きちんと伝わる英語を書くのは、
本当に、難しい・・




ところで・・
医療の中でも、

色々な情報が押し寄せてくるとき、
混乱しそうになることがあります。

頭の中で、何かがぐるぐる回っているに
考えがまとまらなくなったり、
無意識に、どうにかしなくてはって、
焦ってしまったり。



病名や治療のことを聞いた後の
頭が真っ白になったときなど
個々で差はありますが、戸惑いとともに、
こうしたことが少なくないものだと思います。





そのような時は、

ゆっくり、ゆっくりね。
ゆっくりと一緒に考えましょう。

って、声をかけることがあります。




英語でこんな言い回し方を見つけました。

Give your heart a little time.






お花に水をあげるような感覚になりました。

自分を自分でほめるって言葉もありますが、
自分で、自分の心に時間をかけてあげよう・・



緩和ケアは、一人、一人のセルフエフィカシー(自己効力)を
高めることをめざします。

誰かが何かをしてあげる・・というより、
何かがあったときに、自分で自分に対処できるように、
その対処方法を探しながら一緒に歩んでいくのが役割です。

もちろん、そうした時に、苦しさがあると
セルフエフィカシーどころではありませんから、
そのための鎮痛などの症状緩和です。

あなたの心に・・・と、あなたという言葉があると、
ああ・・自分で自分の心を調整しなくてはいけないのねって
わかりやすいなあと思います。





この一週間・・
何とか混乱は過ぎましたが、残った宿題があります。

一歩下がって、深呼吸をして、対処を考えると、
結構これでよかったかもと思えるようになりました。

患者さんのセルフエフィカシーを考えるようになって、
自分の心も太くなったなあと思います。
これも、沢山の患者さんたちのお蔭です。


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