緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

嵐の中で聴くアリアーパバロッティを悼む

2007年09月06日 | つれづれ

今日は、講義で横浜方面に。
まだ、台風は大丈夫でしたが
夜から暴風域に入ってきたようです。
関東・東海地方の一部、暴風域に 台風9号北上(朝日新聞) - goo ニュース

このニュースを確認しようと
ネットニュースを開けると

パバロッティさん死去 世界的テノール歌手(共同通信) - goo ニュース

ドミンゴ、カレーラスとともに
三大テノールのパバロッティが
死亡したとの記事が・・
一年以上前に膵臓がんと診断され
2006年7月に手術を受けていたようです。
先月、発熱
今月には腎不全で
意識レベルも低下していた様子。

パバロッティというと、最近の思い出では
トリノオリンピックでの開会式。
トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」を熱唱。
その後の、フィギュアで荒川選手が
同じ曲を使ったことは
大変印象的でした。


カレーラスが、急性白血病から骨髄移植で
再起したことは有名ですが
血液がんと固形がんの違いを感じます。

you tube で見つけました。
Luciano Pavarotti Nessun Dorma(turandot) Torino 2006
あのオリンピックでの熱唱を聴く事が出来ます。
2006年の冬でした。
膵臓がんがわかったのは
その数ヶ月後だったのですね。

「・・・私の謎、私の名前は
 誰にも分かることはないだろう。
 しかし、私は、あなたの口もとに
 告げてあげよう、その名前を。
 朝の光が輝くころに。
 そして、私の口づけがあなたの沈黙を破るのだ。
 夜よ、消え失せろ。
 星たちも沈んでくれ。 
 夜が明ければ、私が勝つだろう。
 きっと勝つのだ!」
(誰も寝てはならぬーアリア最後の所の訳)


素晴らしい人生でした・・


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5 コメント

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そうなんです。 (aruga)
2007-09-09 00:07:57
緩和ケアは症候学です。患者さんの訴える症状に耳を傾け、整理できるとおのずと見えてきます。「患者さんの体が教えてくれる」よい言葉ですね。実習、その姿勢でがんばってね!
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Unknown (ほととぎす)
2007-09-08 23:13:23
せんせい。
アセスメント不足でした。
嫌というほどみているデルマトーム…
そうです。患者さんの体が教えてくれるんです。
丁寧にみます。
ありがとうございました。
返信する
Unknown (aruga)
2007-09-07 21:20:15
ほととぎすさん
講義お疲れ様でした。末梢神経障害は、骨転移からのみ生じるわけではありません。神経支配領域からどの神経か診断し、その走行部位を観察するとリンパ節転移や筋層内転移が見つかることはよく経験します。髄膜炎で一部分の神経支配領域のみに神経症状がでることはまれなことでしょう。

ぴょんさん
思い出されることも多いようにお見受けします。いつもと同じように太陽は出て、沈んでいきますが、こうした出来事があると、時間は移り変わるものだなあとと思います。
返信する
そう、パバロッティ氏のご逝去に思いをはせる。 (ぴょん)
2007-09-07 10:57:21
あまりにも、有名人。
クラッシックをご存じない方でも、彼の名前や歌声をたくさんの方がご存じであろうと思います。

昨年のトリノオリンピック。
主人の体調がどんどん、落ちていく中、トリノオリンピックが開催されておりました。
オリンピック開催の事実は、当然存じておりますが、本当に、テレビ、全く見ませんでしたので、浦島太郎。

荒川静香さんの金メダルも、随分後になってから知りました。

そうそう、あの頃、氏も・・・。思いを馳せる自分があります。
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Unknown (ほととぎす)
2007-09-07 08:22:17
先生がお帰りになった後、横浜は嵐に見舞われました。一晩中雨は降り続いて、今日は午前中休講になりました。
申し送れましたが、昨日先生のご講義を聴かせていただいた者です。先生の的確で感性豊かな授業は、薬の知識だけでなく人間性を育てることの大切さを感じました。ありがとうございました。

ところで、質問なのですが、肺癌脳転移から髄膜播種を起こされた患者さんがおられます。これは、がん性髄膜炎という病態でしょうか?典型的な髄膜炎症状はみられず、右下肢の痛みとしびれがありました。
振り返りの事例になってしまうのですが、この場合の病態および症状をアセスメントするのに困っています。びーんとする電撃痛で、NSAIDだけでは効かず、神経障害性疼痛は確かにあると思うのですけど。
ちなみに骨転移は画像所見としてはみられませんでした。薬剤は、NSAIDにオキシコンチンを加えたら疼痛は緩和されました。てんかん予防にアレビアチンを内服していたのと、脳浮腫対策でリンデロン使用していました。
こんなところで質問していいものかどうかもわきまえず、ぶしつけにすみません。髄膜播種の病態がテキスト等みてもどうもはっきりせず、どのように捉えてよいかわからなかったのでメールをさせていただきました。
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