緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

PET検査の精度を高める方法

2006年08月15日 | 医療

終戦記念日。朝から靖国参拝で揺れています。 でも、今日はあえて医療情報で。

PET/CTは、広く認知されるようになって来ました。 がん細胞や炎症部位がグルコースを取り込みやすいという性質を利用し、グルコースに画像検出可能になるような18F-FDP(フルオロデオキシグルコース)という造影剤を投与し、異所的な取り込みからがんなどを診断する方法です。 ただ、検診などの小さなものを検出する力は高くないことがわかって来ました。

そこで、出来る限り検出感度をよくする工夫も必要になります。 初期からの緩和ケアに関わっていると、こういう知識も必要になることがあり、がん医療の雑学アンテナを張っています。

医療新聞のメデュカル・トリビューン8月10日号の一面に、セントルイス大オスマンの報告が掲載されていました。
要点は、「PET/CT精度向上に ①体を温める(電気毛布の使用)、②カフェインを取らない、③検査48時間前は運動を控える ことが有益」 

①は、褐色脂肪細胞は生理的にグルコースを取り込むが、体を温めると取り込みが抑制され擬陽性が減る (米国核医学会報告)
②は、コーヒーなどの摂取によって、グルコースの取り込みに変化を生じる (多施設共同試験に参加)

③は、運動がグルコースの取り込みに左右する (J of Nuclear Med. Technology, 06; 34: 29-33)
ということでした。

ただ、アメリカ人の脂肪細胞の量は尋常ではなく、256例のランダム化比較試験とはいえ、擬陽性例が少なく、果たして有意な差かというとちょっと疑問・・ とはいえ、冷やすより暖めていたほうが良いようだし、ちょっとしたこんな事でも検査が上手くいくなら工夫してもよいかなあと思います。 
もし、今後、PET検査を受けられることがあったり、患者さんから質問を受けることがあったら、ご参考まで。。
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