利根川の河童
2021.11
利根川に、「ねねこ」と言う河童がいた。
毎年、その住処を変えていた。
土地の人たちは、その移った住処を知っている。
それは、カッパの住処には、渦があることで、わかる。
また、この川筋に柳の木がある。
この木は、大水で根もろとも流された。
その柳の流れて止った岸にて、その根が付いて生い茂った。
「望海毎談」にこうある。
利根川にネネコという河伯(カッパ)がいた。
年々その住みかは変わっていた。
地元の人々は、その居る所を知っていた。
その居る所では、害があった。
実際に、カッパの害のある話は、多い。
「香山牛山」の「活套」中巻に、筑紫の方には河伯の害が多いと記されている。
カッパの害にあったら、金銀花を煎じて、服用すれば、神のような効きめがあるという。試してみると良い。
手指を截断したのを、接ぐ薬方を、カッパより授かったと言う話があるが、疑わしいとは思っていた。
しかし、そういうことも有るか、とも思うようになった。
「望海毎談」 広文庫 より
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