江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

江戸時代を中心とした、面白い話を、探して、紹介します。

利根川のカッパ  望海毎談 

2021-11-11 11:20:49 | カッパ

利根川の河童

                   2021.11

 

利根川に、「ねねこ」と言う河童がいた。

毎年、その住処を変えていた。
土地の人たちは、その移った住処を知っている。
それは、カッパの住処には、渦があることで、わかる。
また、この川筋に柳の木がある。
この木は、大水で根もろとも流された。
その柳の流れて止った岸にて、その根が付いて生い茂った。


「望海毎談」にこうある。

利根川にネネコという河伯(カッパ)がいた。
年々その住みかは変わっていた。
地元の人々は、その居る所を知っていた。
その居る所では、害があった。

実際に、カッパの害のある話は、多い。
「香山牛山」の「活套」中巻に、筑紫の方には河伯の害が多いと記されている。
カッパの害にあったら、金銀花を煎じて、服用すれば、神のような効きめがあるという。試してみると良い。

手指を截断したのを、接ぐ薬方を、カッパより授かったと言う話があるが、疑わしいとは思っていた。
しかし、そういうことも有るか、とも思うようになった。


「望海毎談」   広文庫 より



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