「勝っつぁんの時勢にたいする処し方を、ごく今日的に考えてみればー。体制のなかにいながら、その体制をぶっこわし、体制の枠を越えてずっと先を見通している。そしてその行動は、とうてい他人には理解できるものではなかったと思わざるをえない。伝統的な主君への忠誠の観念からすれば、畢竟、海舟は裏切り者であり、天皇にたいする新しい忠誠の立場からすれば、文句なしにかれは仇敵でしかない。そのどちらへも勝っつぁんの帰るべき場所はないのである。それゆえに海舟は天下独往していくことになるし、宙吊りの孤独に堪えなければならないのである。そのことにたいして説明のしようもない。要すれば、自分の行動自体で自分の哲学や歴史観やらを証明してみせるよりほかはなかった。」(半藤一利「それからの海舟」より)
コロナ禍をはじめとしてこれほどまでに激動の2020年。勝海舟のように自分自身の中にしっかりとした哲学と歴史観を持ち行動していかなければならないと痛感する今日この頃です。
コロナ禍をはじめとしてこれほどまでに激動の2020年。勝海舟のように自分自身の中にしっかりとした哲学と歴史観を持ち行動していかなければならないと痛感する今日この頃です。