私の父は私が高校卒業の頃に亡くなりましたから、もう半世紀近くになります。大変厳しく怖い父でした。私は学校から家に帰るのが怖いくらいの父でした。怖くて何も言えない私が一回だけ反抗したことがあります。それも亡くなる前の病室でー父は涙を浮かべていましたー多分嬉しかったのでしょう。父は歴史好きで、私が歴史好きなのも父の影響です。そんな父が私に残してくれた言葉があります。
「行のうに損なく、努めて無なし」ー人はどんな行為でも損することはなく、努力すればどんなことでも出来ないことはない、という意味です。
父が遺してくれた、この言葉を私は生涯の座右の銘として大切にしています。
私ももう人生の最終章に入っています。まだまだ出来ないこと、足りないことは山ほどありますが、コツコツと山を登っていき、そこに大好きな海が見えれば、勝海舟ではありませんが、勝海舟の最期の言葉「コレデオシマイ」と終わりたいと思います。