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後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔618〕清瀬市議会議員、ひとり会派「共に生きる」のふせ由女のゆめ通信(2023年秋号)が発行されました。

2023年10月21日 | メール・便り・ミニコミ
 2023年10月21日、本日、真新しいゆめ通信を手にしました。
 ゆめ通信は、清瀬市議会議員、ひとり会派「共に生きる」のふせ由女が年4回発行してきたもので、通算37号になります。
 ふせ由女は3期目の議員として頑張っています。応援よろしくお願いします。





 ◆大杉栄殺害者は誰か
  憲兵隊幹部の集団暴行、陸軍の組織的犯罪は不問のまま
  沈思実行(163)

                       鎌田 慧

 8月の敗戦記念日のあと、9月は100年前の関東大震災。その悲劇
の裏での、朝鮮人と社会主義者の大虐殺。
 「緊急事態」、あるいは「非常事態」の名の下で、秩序回復を口実に
して、軍隊と警察がいかに兇暴な集団になるか、の歴史的な教訓といえ
る。9月4日は「亀戸事件」。習志野の騎兵隊が、亀戸警察署に拘留さ
れていた社会主義者10人を刺殺した。
 9月16日。「憲兵大尉甘粕正彦、大杉栄(39歳)、伊藤野枝らを憲兵隊
内でひそかに扼(やく)殺」(近代日本総合年表、岩波書店)。これがほぼ
オーソライズされた記述である。が、これでは甘粕大尉の個人的な犯罪
との印象が強い。

 新宿淀橋の大杉宅付近、川崎からの震災見舞いの帰り、道を歩いて
いた大杉と伊藤野枝,甥の橘宗一を皇居前の憲兵隊本部へ連行したのは
甘粕だ。しかし、裸にされた遺体は菰(こも)包みにされて荒縄で縛ら
れ、構内の古井戸の水の中に隠された。
 軍人としては虚弱な甘粕ひとりで伊藤野枝、6歳の甥の3人を扼殺、
井戸に投げ込むなどの荒技ができるわけがない。
 1976年8月、53年ぶりに発見された解剖医の「死因鑑定書」では、
大杉と野枝の肋骨などが無数に骨折していた。

 集団で寄ってたかって殴る蹴るの暴行が加えられた。3人ともに首や
腕などを鈍体で絞圧、窒息させられた。死因は物体による扼殺。憲兵隊
幹部たちの集団暴行だった。
 それでも、軍法会議では甘粕正彦懲役10年、森慶治郎憲兵曹長懲役3
年。連行時の同行者2人は無罪。そればかりか、甘粕は2年半、森は1
年半で釈放。甘粕は陸軍の資金でフランスへ遊学した。

 「満州」で、陰謀の辣腕を振うのは、その後からである。
 大杉は憲兵隊本部の将校の部屋で殺害された。が、甘粕以上の階級の
将校は誰も登場していない。
 甘粕が罪を引き受け、満州映画理事長に収まり、敗戦の報せを受けて
自害した。陸軍の犯罪はいまだ証明されていない。この組織犯罪が不問
のまま、また緊急事態条項がつくられ、恐怖政治が用意されている。
       (2023年9月20日「週刊新社会」第1323号より転載)

〔607〕横浜港のど真ん中にあるノースドックとは。塚越敏雄さんからの「腰越九条ニュース」204号です。

2023年09月19日 | メール・便り・ミニコミ
  8月から9月半ばまでドイツ後期ゴシック彫刻を訪ねる旅をしていました。発見の連続の旅でしたが、少しずつブログに書いていきたいと思います。
 その前に以前いただいていたメールを紹介します。

■ご無沙汰しております。腰越の塚越です。
さて、遅くなりましたが、腰越九条ニュース204号、送付します。添付資料をお読みく
ださい。

今回は、観光地である横浜港のど真ん中にあるノースドックを取り上げました。そこが
台湾有事で米軍や自衛隊の出撃基地になり、その準備がされている危険性に、市民・県
民のほとんどが知らない・気づいていないことを書いてみました。知ること・知らせる
ことの重要性を感じるからです。塚越敏雄



                          

◆空港残酷物語
  内陸部の大空港建設は住民の犠牲が大きすぎる

      鎌田 慧(ルポライター)

 成田空港の「開港」予定日は、1978年3月だった。しかし、空港建設
反対派が管制塔に突入、占拠。福田首相が「残念、無念」と嘆いて5月
に延期した。農民の土地が強制収用され、血まみれの抵抗闘争となり、
死者も出ている。
 政府と空港公団(現・成田国際空港会社)はその後「これからは強権
的な手段は使わず、話し合いによる解決を図る」と確約し、2本目の滑
走路建設に取りかかった。そして今、「機能強化」を謳い、3本目の滑
走路建設と朝5時から深夜25時までの運用時間延長案を発表。「4時間
しか眠れなくなる」と住民の反発が強い。すると、5時から22時と7時
30分から24時30分の滑走路の「スライド運用」、つまり、早番と遅番の
2直、入れ替え体制を提案している。
 深夜の交代勤務は会社勤めにはあるが深夜勤務手当を受けても心身の
負担が大きい。航空会社の儲けのためになぜ住民の平和な生活が犠牲に
されなければならないのか。
 成田空港は当初の予定地「富里」の反対運動のあおりを受けて「緊急
着陸」した空港だった。内陸部に大空港建設は、住民の犠牲が大きすぎ
る。国際便は羽田、関西など海沿いの空港に分散されている。成田一極
主義は時代遅れだ。成田周辺住民の「夜間飛行差し止め請求訴訟」がは
じまった。空港拡大を目指す農地取り上げへの抵抗も強い。
    (9月12日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)

〔604〕冤罪・袴田事件から視えてくるものとは-たんぽぽ舎メルマガから考えます。

2023年07月25日 | メール・便り・ミニコミ
 脱原発・反原発を旗印にするたんぽぽ舎メルマガに貴重な論考が掲載されました。私にとっては馴染みのあるお二人です。再録させてもらいました。

■たんぽぽ舎メルマガ〔4822号〕より
 
87歳の袴田巌さんの残された貴重な人生を
 愚弄(ぐろう)するな!殺すな!
 袴田ひで子(姉)さんの凛とした強さが弟を支えた
 静岡地検は有罪立証方針を撤回せよ…静岡県弁護士会・声明
               溜口郁子(無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会)

 7月16日(日)は夕方から【袴田巌さんの完全無罪を求めるくにたち
集会】でした。
 最初にお話された金聖雄監督は、袴田巌さんを描いた「夢の間の世の
中」や「獄友」という冤罪を訴えながらお互いを励まし合う4人の「
友」の日常を映したドキュメンタリー映画を作られました。
 金監督と袴田さんを救う会はそれ以来ご縁があります。
 最近は「オレの記念日」という、布川事件で冤罪を晴らすために闘わ
れた桜井昌司さんを丹念に撮られた映画で、最近第28回平和・協同ジャー
ナリスト基金賞 奨励賞受賞や第14回座・高円寺ドキュメンタリーフェ
スティバルコンペティション部門で大賞を受賞されました。

 今回はテレビETV特集で放映された「雪冤(せつえん)〜ひで子
と早智子〜」という冤罪を訴える弟さんや夫を支える2人の素敵な女性
のドキュメンタリーの一部に新たな袴田巌さんとひで子さんの日々を加
えた約30分の録画上映をされた後にお話を伺いました。

 「冤罪映画監督と言われてしまいまして」とユーモアを交えながらも
今回の検察の袴田事件への有罪立証に静かな怒りを述べておられました。
 袴田巌さんの日常にも触れられて、最近の「お金を儲けて平和のため
に使わなきゃあかん。」とか「蒲田に最高裁がある。」と巌さんの言葉
が伝えられました。
 袴田巌さんが長年の収監による拘禁症状から抜け出せることはなかな
かないようです。

 又「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」からは門間幸枝副代表が
お話し、これまでの袴田さん支援の日々と、完全無罪を強く願いながら
天国に召されてしまった熊本典道元裁判官への思いを切々と語りました。
 何より嬉しいのはと、袴田事件を通して理不尽な冤罪がなくならない
日本を知り、ある小学校と中学生の2人の男子が裁判官とそれに関係す
る仕事を目指している喜びを語りました。

 門間幸枝さんは、「袴田さんを救う会」の広告塔としてこれまで全
国に支援を訴えて回り、ジュネーブの国連人権理事会に訴えたり、海外
にも何カ国も足を運んできました。
 私たち「袴田さんを救う会」では、これまで袴田ひで子さんの凛とし
た強さに逆に励まされてきた年月でもあります。
 検察は今後有罪立証をするとか。袴田巌さんの気の遠くなるような年
月の理不尽さを思います。

 この袴田巌さんの再審公判を巡り、静岡県弁護士会の杉田直樹会長
は18日、静岡地検に対し、有罪立証方針を撤回するよう強く求める声明
を公表した。
 静岡市葵区で記者会見した杉田会長は「いたずらに貴重な時間を費や
す行為。袴田さんに残された貴重な人生を愚弄(ぐろう)している」と
述べました。(静岡新聞より。)
 これからも袴田巌さんが完全無罪を勝ち取るまでご支援をよろしくお
願い致します。
 主催者の「くにたちで人権を考える会」の皆様、お世話になりました。
 司会をされた押田さんは狭山事件の支援者、当会にも多大な協力をし
てくださっている方です。ありがとうございました。

◆沈思実行(155)デッチあげ捜査官の手口
  みそタンクには何もなかった−現場を捜査した静岡県警の発言

                          鎌田 慧

 冤罪事件は誤認逮捕からはじまる。逮捕された容疑者は、警察署
の密室で、刑事たちから虚偽の自供へ誘導される。やっていないのに自
白するわけはない、とだれでもが考える。が、刑事たちは執拗で捕らえ
た獲物に供述調書への署名、指印をさせてしまう。
 彼らは自分たちに不利な証拠は隠蔽し、有罪の証拠を偽造する。その
結果、死刑の宣告を受ける。
 非人間的な、不条理のドラマだ。「みそタンクには何もなかった」。
 1966年、清水市(現静岡市)での一家4人強盗殺人事件で、現場を捜査
した静岡県警の元刑事が東京新聞記者に語った(6月30日付け)。

 逮捕されていた袴田巌さん(87歳)は、東京でプロボクサーになってい
たが、清水市のみそ製造工場ではたらいていた。「ボクサー崩れ」との
賤称が容疑者にされた理由だ。逮捕理由はパジャマに付いていた血痕
が、被害者の血痕と一致する、だった。

 が、逮捕の翌年、みそタンクから、白ステテコ、白半袖シャツ、ズ
ボン、緑色のズボンの5点が発見された。
 検察は犯行時の着衣をこれまでのステテコから、5点の衣類に替え
た。みそ工場の労働者が、自分たちがつくった商品「みそ」の中に血で
汚れた下着を捨てようと思うかどうか。

 当時、捜査を担当した刑事が、べつの警察署に移動していたが、み
そタンクから着衣が出てきた、とのニュースを聞いて「なんであんなも
のがでてくるのか」と驚いた、という。

 着衣に付着していた血痕の色は、事件から1年が経って発見された
にしては、「赤み」が残っていて不自然だった。
 袴田さんが逮捕されたあとに、第三者が入れた可能性を否定できな
い。「第三者は捜査機関の可能性が高い」というのが、再審開始を決定
した東京高裁の判断だった。

  容疑者の着衣に警官が血痕を付着させた例としては、「弘前事件」(
教授夫人殺し、1945年)がある。
 狭山事件では石川一雄さん自宅の鴨居に被害者の万年筆があったとさ
れてきた。
 が、それは被害者のものではなく、別物の万年筆を三度目の家宅捜査
時に捜査官が置いたとしか考えられない。
         (7月19日週刊「新社会」第1315号より転載)

〔603〕西崎さんの憲法審査会ウオッチングメール「憲法審査会関係 長谷部恭男氏による記事東京新聞7月5日」です。

2023年07月16日 | メール・便り・ミニコミ
 お馴染みの西崎典子さんの憲法審査会ウオッチングメールが届きました。新聞記事が良く読めないと思いますがご容赦ください。

◆審査会ウオッチング宛先の方々にBCCでお届けします《拡散大歓迎》

真夏を超える暑さですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、211国会の審査会は衆院の6.15で終わりましたが、改憲派は
せっせと記者会見などで「ここまで成し遂げた」とPRに努めメディアはそれを反復
公報しました。

その後7月5日には、審査会で参考人陳述をした長谷部恭男早大教授の主張が、今度は東京新聞に
載りました。憲法学者の考えが一般に公開されるのは貴重なことと思い、これを添付致します。



タイトルは「54条の本旨忘却 政権居座りの危険
 緊急事態条項対応。本末転倒の改憲提案」

 審査会のときと全く同じ趣旨で、少しだけ短くなっています。
〈議員の任期延長〉壊憲は、はっきりと退けています。

6月の衆院ー審査会で改憲派は同教授の説明が理解できず、又は理解しようとせず、
権威ある学者に反発し、失職した議員の居残りである〈任期延長〉に拘泥し続けました。

その後、当然衆院審査会での改憲派の発言を知ったうえで、長谷部教授が改めて自説を公表したわけです。
前のとほぼ同じ文ですが、改めて是非お読みください。

【経緯】
最近は緊急事態条項のからみで〈参議院の緊急集会〉と〈議員の任期延長改憲〉の扱い
が大きなテーマに浮上してきました。
緊急事態の際、日本の多くの地域で長期期間
選挙ができなくなったらどうするか、と壊憲派が問題視をしたからです。

参議院の緊急集会については参考人を呼び、話を聞きました。

5.18衆院の参考人…2名、長谷部恭男早大教授、大石眞京大名誉教授
5.31参院の参考人…3名、長谷部恭男早大教授、土井真一京大教授、松浦一夫防衛大教授

このうち長谷部教授は、2回とも〈参議院の緊急集会〉を推し、〈議員の任期延長改憲〉を退けました。
土井教授は、長谷部教授とほぼ同様の発言をし、細部は少し追加をしました。

この結果、参議院は5.31当日の長谷部・土井両参考人の説明を理解し、ほとんどの委員が〈参議院の緊急集会〉を受け入れました。
しかし、衆院は6月1,8,15日の3回とも、〈議員の任期延長改憲〉に固執しました。

秋の臨時国会になると、衆議院の改憲派は、緊急事態条項については
〈議員の任期延長改憲〉を突破口にして、本格的に緊急政令、
緊急財産処分に進もうとするはずです。

質より量で間違った見解で押し切ろうとする衆院審査会にまかせず、参院の〈参議院の緊急集会〉と委員の皆さんを
後押しすることが大切です。

ひとりひとりの意思表明が大きな力になります。憲法改正(か否か)は市民社会と国の生命線です。
暑いですが、考えていきましょう。

以上西崎でした。

〔602〕清瀬市議会議員3期目、ふせ由女の「ゆめ通信」〔2023年夏号〕ができました。

2023年07月08日 | メール・便り・ミニコミ
 清瀬市議会議員3期目、ふせ由女の「ゆめ通信」が出来上がりました。春に市議会選挙があり、少しずれ込んできてこの時期発行になりました。
 ふせ由女は一人会派「共に生きる」で活動しています。無所属の議員です。
 本号は、彼女の議会レポートと、白石孝さんを招いての「マイナンバーカード」と「給食の無償化」の学習会の報告です。
 今年の憲法大集会の様子を私がレポートしました。
 袴田裁判の報告もあります。本日、2023年7月8日、朝日新聞の1面に「検察、袴田さん有罪立証へ」というとんでもない記事が出ていました。恐れていたことが起こりました。





 本を1冊紹介します。
 「第4章 それぞれの朝鮮学校物語」の中には、前川喜平「民主党政権はなぜ朝鮮高校を無償化できなかったのか」、長谷川和男「全国行脚『朝鮮学校を歩く!』1100キロ・156万歩の旅」なども掲載されています。長谷川さんは、私が若き日に教職員組合運動の中で知り合いました。



〔600〕届いたばかりの「さようなら原発 1000万人ニュース」にはこんなことが書かれていました。

2023年06月30日 | メール・便り・ミニコミ
「さようなら原発 1000万人ニュース」(2023年6月30日、34号)にはこんな記事が書かれていました。A4版、8頁立てです。地球環境を守るうえでもしっかり考えたいことばかりでした。

・さようなら原発 呼びかけ人-大江健三郎さん・坂本龍一さんを追想する 鎌田慧
・海洋放出するな! 約束を守れ-7月17日小名浜で海の日アクション 織田千代
・注目の「3.11 子ども甲状腺がん裁判」~白熱する法廷 白石草
・さようなら原発 呼びかけ人に加わりました よろしくお願いいたします 古今亭菊千代
・原発のごみ全国交流集会で採択された提言を経産省へ提出 高野聡
・3.21さようなら原発全国交流集会開かれる
・さようなら原発新署名提出0-福島の汚染水海洋放出など追求

全国で様々な集会が開かれます。






〔596〕「『戦争しない』の声を広げて』(腰越九条ニュース202号)が届きました!

2023年06月12日 | メール・便り・ミニコミ
 鎌倉の塚越敏雄さんから腰越九条ニュースが届きました。
 今一番考えなければならないことをしっかり書いてくれました。感謝!
 
 ところで2回目のブログ停止が発生しました。理由はやはり差別的表現があるということです。不可解なことばかりです。ブログの管理者は一方的に何でもできるものでしょうか。
 停止されたブログは「平和憲法で戦争をさせない」という冊子を紹介したものです。それだけでは紙面として寂しいので関連したいくつかのコラムを添付したものです。護憲の本に差別性があるとは思えません。新聞という公器に発表されたコラムにも差別性はないはずです。しかしながら、私も多少折れて、コラムの1つを削除してブログの管理者に送ったのですが現在まで梨の礫です。何処が差別なのか指摘しないで、一方的に忖度して修正されたブログを送れというのは、傲慢にすぎませんか。

◆腰越九条ニュース202号ができました。
 今回は、ここ10年の安倍以来の手法を取り上げました。
 お読みください。
                         塚越敏雄





 コラムを2つご覧ください。

 ◆改正活火山法
  軍拡予算は火山、地震、水害など自然災害対策に振り向けるべき

    前川喜平 (現代教育行政研究会代表)

 活動火山対策特別措置法(活火山法)の改正法が14日の参議院本会議で
可決・成立した。
 火山の観測や調査研究を一元的に担う「火山調査研究推進本部」が文
部科学省に設置される。
 文科相を本部長とし、火山に関する総合的な調査観測計画を策定。関
係行政機関の調査研究予算の調整も行う。
 8月26日を「火山防災の日」とすることも定められた。改正法は来年
4月に施行される。
 立憲主義に背き、国民の信託を裏切る法律が次々に成立した今国会に
あって、全会一致で成立したまともな法律だ。

 火山列島の日本では、常にどこかで火山が噴火する危険性が存在する。
 火山の噴火は人間の力で制御できない。宮沢賢治の童話「グスコーブ
ドリの伝記」では主人公が冷害を食い止めるために人工的に火山を噴火
させるのだが、二十一世紀の今日においても賢治が思い描いた人間によ
る自然の制御は実現していない。

 戦争と火山噴火。我々はどちらを恐れるべきなのか。
 その答えは明らかだ。戦争は人間が起こすものだから人間が防ぐこと
ができる。
 火山噴火は自然が起こすものだから人間が防ぐことはできない。
 できるのは調査、研究、観測、予知の努力を通じて災害に備え、被害
を最小限に食い止めることだ。
 軍拡予算はそっくり火山、地震、水害などの自然災害対策に振り向け
るべきなのである。
    (6月18日「東京新聞」朝刊23面「本音のコラム」より)

◆兵器と原発の逆走
  兵器と原発の三菱重工などメーカーが活性化

          鎌田 慧(ルポライター)

 福島原発事故をもたらした東日本大震災の復興特別所得税を軍事費に
転用すると岸田内閣が決定したのは、昨年末のことだった。
 こんどは会期末に防衛費倍増の「防衛財源法」を成立させ、防衛力強
化資金を創設する。

 今でさえ年間5兆円強だが、10兆円になると、米中についで世界第
3位の防衛予算になる。それも「防衛装備移転」の名目で武器輸出の解
禁さえ狙われるようになった。

 岸田内閣は航空自衛隊のF15のエンジンまで売り払う方針(本紙
19日)。この大型戦闘機100機は改修に適さないので、エンジンなど売却
するとか。もったいないようだが、禁じられてきた殺人兵器の輸出だ。

 安倍政権時代、トランプ大統領にF35をバカ買いさせられたツケの
支払いもあって、肝心の日本の防衛産業は粗末にされてきた。
 それで防衛費を倍増させ、並行して「防衛産業強化法案」を成立させた。
 そのための「防衛増税」は世論の反発が強く、一年延期にして風当た
りを避ける姑息さ。

 さらに宇宙航空研究開発機構(JAXA)と防衛省による「宇宙防衛」
の準備も始まり、ミサイル開発とあわせた「敵基地攻撃能力」が着々と
進められている。
 「台湾有事」を進軍ラッパに憲法九条の足元が攻撃され、原発への逆
走とあわせて、兵器と原発の三菱重工などのメーカーを活性化させている。
    (6月20日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)

〔590〕おやおや、差別的記述を理由にブログを停止するとは穏やかではないですね。

2023年06月02日 | メール・便り・ミニコミ
 数日前のことでした。ブログを更新しようとして編集サイトをクリックしてびっくりしました。以下のような表示がなされていたのです。最初の2行は実際は赤字になっています。ブログは600回ちかく書き続けてきたのですが、こんなことは初めてでした。

■アフィリエイト、商用利用、公序良俗等の規約違反により、又は、法令上規定された手続により現在、1件の記事を公開停止させていただいております。

該当記事を確認する〔ブログ 578〕

記事の再表示をご希望の場合は、該当箇所の修正(テキスト・リンク・画像削除等)をしていただき、gooID・該当記事URLを明記の上、こちらまでご連絡ください。修正の確認が取れた場合のみ、再表示いたします。
非表示理由は上記「該当記事を確認する」をクリックするか、ブログが表示されなくなったらをご覧ください。


 あわてて停止されたブログ〔578〕を確認しました。それはこんな内容でした。
 
〔578〕古川佳子さんインタビュー掲載の雑誌『We』と雑誌『流砂』(三上治責任編集)を紹介します。

 ここでは写真などで2つの雑誌の紹介して、さらに3つのコラムを掲載しました。題名は以下の通りです。

◆沈思実行(138) *新聞「週刊新社会」
  腐敗する政権と司法
  3月13日東京高裁で袴田事件の判決−「再審開始決定」
  以外の判決はありえない
                        鎌田 慧(ルポライター)
●たんぽぽ舎メルマガ 4719号

     袴田事件の袴田巌さんに再審開始決定!
       東京高等検察庁に「特別抗告をしないで。
       今度こそ再審開始を!」のハガキを出して下さい
          溜口郁子(無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会)

◆次は狭山事件再審開始へ *東京新聞より
  袴田事件の再審決定
鎌田 慧(ルポライター)


 とても簡単な雑誌の紹介は、おそらく、まったく問題はないでしょう。
 それならば、3つのコラムに「差別的な表現」があるのでしょうか。溜口さんのコラムはごく簡単ですが、気持ちのこもったいい文章です。鎌田さんが日本を代表する一流のルポライターであることは、誰でも認めるはずです。コラムはいずれも新聞に掲載されたものです。差別的であれば掲載は不可のはずです。それどころか、鎌田コラムの趣旨は司法権力の差別を批判するものなのです。つまり反差別です。
 どうしてこんなことになったのか。憶測ですが、ある反社会的勢力がブログの管理者にブログ停止をねじ込んだのではないでしょうか。
 ブログに再掲載する場合は、記述を変更して申請しなくてはならないようです。しかし、どう考えても差別的ではない文章をどう変えれば良いというのでしょう。いやはや。

〔581〕𠮷田隆さんから5月3日の憲法記念日大集会など案内の「イロハネット」365号が届きました。

2023年04月26日 | メール・便り・ミニコミ
■イロハネットNo-365号をお送りいたします。

今号は、5月3日の憲法記念日を迎え、危機に瀕する現況についての愚文と有明防災公園で開催される大集会のご案内チラシを冒頭に掲載します。
次いで、徳勢正昭氏から頂いた引き続きの論考をご紹介しました。(略)

その他、イベント紹介やテント日誌の添付も致します。(略)

ドイツが原発をやめ脱原発に踏み切った中で、日本が原発稼働に固執するのは何故なのか。原子力ムラの利権と核帝国への野望がなせるワザではないか。その渦中に居座る岸田政権。
五月晴れのゴールデンウイークなのに、気が重いのは私ばかりでしょうか。

ご自愛ください。
                              𠮷田 隆





 ◆抵抗は労働者の権利だ
  関西生コン労組への弾圧と大阪高裁の無罪判決
  沈思実行(140)                鎌田 慧

 ストライキ発生件数は、年間30件前後。日本の労働運動の現況である。
 1947年は5000件だった。
 かつて春闘時には街角に赤旗が翻っていた。労働者の権利の主張は、
民主主義の基盤だ。
 労働者と使用者は対等であり「労働者の地位を向上させること」が、
労働組合法の第一条である。
 ところが、労使協調が長く続いて、歌を忘れたカナリア状態の労組幹
部ばかりか、法律に従う警察、検事、判事までもが、労働者の団結権と
争議権について無知の極みだ。

 会社の利益に従うだけの企業別労組を超えた、産業別労組のひとつ、
全日本建設運輸労組関西地区生コン支部(以下、関生労組)への熾烈
な弾圧は、労働者運動衰退の象徴である。

 3月6日、大阪高裁(和田真裁判長)の判決は労働運動の精神を尊重
した画期的な判決だった。傍聴席には拍手が鳴り響いた、という。
 昨年3月、和歌山地裁が言い渡した関生労組組合員3人への威力業務
妨害、強要未遂事件での懲役1年4月、1年、10月(3年の執行猶予)
判決にたいして「原判決破棄、いずれも無罪」とした。

 3人の労組員が、使用者団体幹部のもとを訪れ、使用者側が元暴力団
員を介在させたことを追求したのだが、判決はつぎのように判断した。
 「抗議等に赴くことは、それが暴力の行使を伴うなど不当な行為に及
ぶものでない限り、労働組合が団結権を守ることを目的とした正当な行
為として、労組法1条2項の適用又は類推適用を受けるというべきである」。

 労組員がおなじ会社の社員ではない、との地裁の判断については、「
産業別労働組合である関生支部は、業界企業の経営者・使用者あるいは
その団体と、労働関係上の当事者に当たるというべきだから、憲法28条
の団結権等の保障を受け、これを守るための正当な行為は、違法性が阻
却されると解するべきである」。

 有罪判決のもとになった労組脱退者の証言は「鵜呑みのできないもの
である」と明確に否定した。
 労働争議を「暴力的」として宣伝する検事の主張を裁判官の良識が
認めなかった。(週刊「新社会」2023年3月22日第1300号8面より転載)

■大江さんの伝言=石川夫妻の健在のうちに
  次は狭山事件の再審開始だ−石川一雄さんは無罪だ
   沈思実行(142)
                              鎌田 慧

 裁判官の判決決定の至るプロセスにおいて、検察側から提示された証拠
がもっとも重要な判断の根拠になる。
 しかし、その証拠が捜査官によって隠蔽されたり、偽造されていたとし
たならどうだろうか。重大なルール違反だ。まして、それが死刑判決を
導きだした凶悪犯罪だったとしたならその偽造は殺人罪に相当する。

 袴田事件の再審請求の審理では、静岡地裁、東京高裁ともに「証拠の
捏造」を指摘している。
 検察側はさすがに「特別抗告」を断念したので、再審開始、無罪判決
は決定的になった。それでも、再審開始の法廷で検事は、また「死刑」
を求めるのだろうか。
 いままでの「しきたり」ではそうされてきた。わたしも高松地裁で
「財田川事件」再審法廷の初日を傍聴していて、検事が告げる、空虚な
「死刑」求刑の声を聞いた。
 まもなく再審裁判がはじまり、無罪判決がでるのは時間の問題だ。
袴田さんは87歳、無罪の罪で1966年に逮捕され、47年7カ月拘置され
ていた。
 死刑確定は人間性の否定だった。そして、袴田巌さんの意識は肉体
から乖離するようになった。残酷である。

 次は狭山事件の再審開始だ。その運動にいっそう力を入れる必要がある。
 先日他界した大江健三郎さんは『小説の方法』(岩波現代新書、1978年
刊)で、唯一の証拠というべき「脅迫状」が、「かれ(真犯人)が隠匿し
抹消しようとした彼自身を表現してしまう」との、文体論によって石川
さんの無実を証明している。
 大江さんは国語学者の大野晋さんが、脅迫状の「漢字使用の不自然さ」、
その「作為」が逆に犯人の学力の高さを顕在化させている、との指摘を
支持し、高く評価している。石川さんは、その当時、ひら仮名をようや
く書ける程度の識字力しかなかった。

 「さようなら原発」運動のなかで大江さんは『小説の方法』の扉に、
「御夫妻の御健在のうちに再審の光が大きく輝くことをねがっています
 2011年10月2日」と書きつけ、石川一雄さんに渡してくださいと拙宅
に送ってきた。
     (週刊「新社会」2023年4月12日第1302号8面より)

〔579〕「日本を戦争する国にしていいのですか?」塚越敏雄さんのメッセージです。

2023年04月26日 | メール・便り・ミニコミ
  鎌倉の地で反戦反核運動を日々繰り広げている塚越敏雄さんのメッセージが届きました。彼の想いが凝縮されたパンフレットになっています。しっかり共有させていただきます。
 清瀬市議選で無所属市民派・布施由女さんが3選されました。いずれ詳しく報告します。ご支援ありがとうございました。





◆映画「妖怪の孫」
  安倍政治はそのまま岸田政権に引き継がれ、
  戦争する国へと一直線に向かっている

          前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 17日から公開中の映画「妖怪の孫」。安倍晋三とはいかなる人間だっ
たのか。祖父岸信介と父安倍晋太郎から何を受け継ぎ、何を受け継がな
かったのか。安倍政治とは何だったのか。なぜ長期政権が可能になった
のか。そうした疑間を解き明かそうとする労作だ。

 選挙に勝利するためのメディア戦略。森友事件、 加計問題、桜を見る
会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「
やってる感」 だけのアベノミクス。
 その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をす
 替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官
僚は「総理によるテロだ」と語る。

 合間のアニメに現れる妖怪は、心がなく、お尻の穴が小さい「ふかん
よう」、慈悲の気持ちがなく、能力主義から傲慢さが増幅される「慈虚(
じこ)責任」、恐怖から争いを引き寄せる力がある「セメ・テクール」。
 これらの妖怪が国民に取りついて安倍政治を可能にしたのだ。

 映画は「統一教会間悪」にも突っ込んでいるが、他のメディアが触れ
ようとしない下関の安倍邸への火炎瓶投げ込み事件の背景事情にも迫る。
 安倍政治は決して過去のものではない。それはそのまま岸田政権に引
き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている。映画の最後、自身の
娘の未来を憂える内山雄人監督の声が切実だ。
  (3月19日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」)

◆アンガージュマン(社会参加)
鎌田 慧(ルポライター)

 大江健三郎さんが亡くなった、との電話があった。厳密に言うと「
亡くなっていた」のだが、その日の「本音のコラム」は、袴田事件再審
開始について書くつもりでいたので、いくつかのコメントだけにしていた。
 一カ月近くたって、大江さんから頂いたファクスや手紙を読み返して
みた。もう10年以上前からの手紙は、驚くほどこまやかな心遣いにあふ
れ、改めて目をみはった。筆まめ、凡帳面な人だった.

 福島原発事故のあと「さようなら原発」運動の呼びかけ人になってい
ただいたのだが、記者会見や集会には必ず参加した。デモも最後までつ
き合った。「お互いに後期高齢者」といいながらジーンズの上着、
キャップの扮装(いでたち)の日もあった。

 2012年7月の代々木公園での17万人大集会のあと、送られてきたファ
クスには「明日から私はまた小説に戻りますが、あなたの運動の上で必
要なら声をかけて下さい」と書かれてあった。現実の大衆運動に参加し
ている喜びが感じられる。ある著書の扉の献辞に「けっして遅くなかっ
た同時代者の出会いに感謝して」とあった。

 最後の小説が、「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」。
 原発事故の経過とともに、反対集会や記者会見の様子が書き込まれて
いる。
 戦後文学の社会参加(アンガージュマン)と私小説、異化効果とカーニ
バルなど、大江文学らしい世界が広がっている。
(3月28日「東京新聞」朝刊25面「本音のコラム」より)

〔571〕春一番!「裏山の亀山城跡でプレーパークをやりました。」(矢部顕さんのお便り)

2023年03月12日 | メール・便り・ミニコミ
●福田三津夫様
先日の土曜日、裏山の亀山城跡でプレーパークをやりました。
毎年、年一回はやっているのですが、以前にお知らせしたかも
しれません。
天候に恵まれ、約100人くらいの親子の参加がありました。



プレーパークの考え方は、デンマークからの輸入されたとのことで、
日本での活動の普及には門脇厚司先生もかかわっていただいたことを
後で知りました。
プレーリーダーは、研修会で門脇先生の講演をお聴きしたことがある
と言っていました。
プレーパークなんていうハイカラな名前なのですが、「冒険遊び場」と言った方
が我々の世代にはピンときます。要するに、中身は我々の世代にとっては、
まさしく日常的な子どものころの遊びです。

                            矢部 顕

〔570〕矢部顕さんのお便り「ウクライナのお嫁さん」と『ひとが生まれる』(鶴見俊輔)のあれこれ。

2023年03月03日 | メール・便り・ミニコミ
 このブログでお馴染みの矢部顕さんから「ウクライナのお嫁さん」というエッセイが届きました。以前にブログに掲載させていただいた続編になっています。
 さらに、今回は『ひとが生まれる』(鶴見俊輔)にも言及されています。鶴見俊輔は日本の知性とも言われる人で、同志社大学での矢部さんの恩師と聞いています。実は私の手元にある『ひとが生まれる』は矢部さんからいただいたものでした。



◆ウクライナのお嫁さん

 私の友人(年齢は一回り以上の年下)で、チェルノブイリ原発救援活動でウクライナに派遣されていた人がいました。片道切符で行ったのですが、18年間ウクライナで暮らして、数年前に故郷の岡山に帰ってきたときには、うつくしいウクライナのお嫁さんと一緒に帰ってきました。
岡山の何か所かで彼を講師に反原発の講演会をしました。もっとあちこちで反原発の講演会をやりたいと考えていた私。
 お嫁さんは、遠い国の岡山で寂しいだろうと思いラボに誘いました。子どもたちの演じる「てぶくろ(ウクライナ民話)」などを見せてあげたり、ラボの若いお母さんと友達になれればいいかなと考えたところ、そうこうしているうちに妊娠して、お身体の調子がすぐれず、実現しませんでした。
 最近の年賀状に写真には、二人のかわいいお嬢さんが写っていました。二人の子どものお母さんになっています。
 帰省して、彼はしばらくは翻訳などの仕事をやっていたのですが、栃木県の大学からの誘いがあって、転居してしまいました。

 ラボでは国際交流参加者の課題図書として、『ひとが生まれる』(鶴見俊輔著)の中の「中浜万次郎」を子どもたちは読んでいます。1980年からですから40年以上です。なんと、彼・竹内高明くんは、大学の社会思想史の教材として『ひとが生まれる』を使っているとのことでした。 昔からの愛読書だったそうです。
 第一章は「中浜万次郎」ですが、第二章「田中正造」、第三章「金子ふみ子」の2人とも栃木県に関係するからとのこと。彼の勤務する大学は栃木県にあって、田中正造が戦った足尾銅山も近いし、金子ふみ子は最後に栃木刑務所で自殺したのでした。
 鶴見さんのこの本は、やさしいことばで人間の深い精神性やあるべき社会を中学生に語りかけていますが、大学生の授業で利用していることに竹内くんのセンスを嬉しく思いました。

 お嫁さんのお母さんはウクライナで無事のようでしたが、夫婦でのウクライナ支援活動に取り組んでいて忙しそうでした。以下は最近の彼からのメールです。
 「ロシアのウクライナ全面侵攻が始まり、連れ合いの家族はとりあえず無事なものの、諸団体のウクライナ支援の手伝いや、連れ合いが友人たちと始めたささやかな支援活動の手伝いで忙しい日々が始まりました。連れ合いは昨年7月、支援物資を持って単身キーウに行ってきました。その際の印象を「チェルノブイリ救援・中部」の機関紙に書いたものがありますので、興味がおありでしたらご覧下さい。以下のURLで、2~3ページ目です。」(2023.3.2.)

         http://www.chernobyl-chubu-jp.org/poreshe192_20221215.pdf

                                                      矢部 顕

〔567〕清瀬市議会議員・ふせ由女(無所属、ひとり会派「共に生きる」)の議会報告「ゆめ通信」の最新号です。

2023年02月22日 | メール・便り・ミニコミ
 清瀬市議会議員2期目を終えようとしているふせ由女は年4回の議会ごとに議会報告「ゆめ通信」を発行してきました。8年間で本号は35号を数えます。このブログでは最新の2023年春号をお届けします。
 ブログでもお知らせした2月19日の白石孝さんの講演会はこのコロナ禍にもかかわらず40名近くの方に参集いただきました。マイナンバーカードや給食無償化の今日的課題に関心が高かった現れだと思います。
 それと共に、国民の声や国会の議論を聞く姿勢を持たない岸田内閣に対する危機感が会場に充満していたと司会をしながら感じました。コロナ禍やウクライナ危機を火事場泥棒的に「利用」しながらしれっと日本を戦争ができる国、原発再稼働新設に舵を切っています。
 子や孫の世代につけを残さない覚悟で、「叛逆老人」(鎌田慧さん造語)として駅頭活動や通信配布に勤しむ所存です。







◆撃ちてしやまん
  岸田内閣は、戦争にも原発にも痛みを感じていない

鎌田 慧(ルポライター)

 トルコ地震のテレビ中継で、瓦礫の下から引き出される子どもの姿を
みた。
 ウクライナからの映像も、ミサイルで破壊された集合住宅の残骸を映
しだしている。それに広島、長崎、東京など空襲後の映像が重なる。そ
の地獄を体験したひとたちはどんな気持ちでテレビをみているのだろうか。

 ミサイル防衛のため、と岸田内閣はミサイルを大量に買いつけようと
している。広島、長崎が一瞬にして破壊されたばかりか、福島でも大量
の放射能被害を受けたのに、さらにまた東海原発など老朽原発を稼働さ
せようとしている岸田内閣は、戦争にも原発にも痛みを感じていない。

 このところ、気が重いのは内閣独走、戦争と原発に前のめり「撃ちて
しやまん」と突進しているからだ。「リベラル派首相は大転向し、諌言(
かんげん)する大臣がひとりも居ない。自民党の退廃だ。

 プーチンの戦争は反ナチスが大義名分。かつて「日本の生命線」とし
て満州を建国した侵略とおなじだ。
 今は「台湾有事は日本有事」と沖縄の南西諸島まで、米国にそそのか
されミサイルを並べ立て、軍備の大増強を図っている。「武力の行使は
放棄する」が平和憲法の約束であり、矜持だ。

 かつて「愛国心」を吹き込まれ若者たちはみな死を覚悟した。が、上
陸した米兵がジープからチューインガムを投げると、争って拾った苦い
記憶がある。 (2月14日「東京新聞」「本音のコラム」より)

◆安全性と多数決
  「原子力規制委員会」原発「60年超の運転」容認

鎌田 慧(ルポライター)

 広島、長崎と二度にわたる核爆弾の被爆とビキニ環礁実験による漁船
の被ばく。世界史的な被害を受けてなお、日本が世界有数の核発電・原
発の設置国になったのは、「クリーンエネルギー」とする政府の政策
と、福井県高浜町で暴露された、電力会社のカネに糸目をつけぬ買収
攻勢があった。

 いま岸田内閣がGX、「グリーン」への転換などと称して原発60年超
の運転、新増設など国の未来を危険に晒す政策を打ちだしたのは、福島
原発事故から12年、財界、電力会社から慫慂(しょうよう)されての
ことであろう。

 かつて原発を監督するのは「原子力安全・保安院」だった。が、原発
推進の経済産業省に包摂されていて機能せず「ピッチャーとアンパイア
がおなじ人格」だった。
 それで環境省外局の「原子力規制委員会」に変えられ、「原子力規制
庁」が事務方を担うことになった。ところが規制庁はいまや長官、次長
ともに元経産官僚が取って代わって、元の木阿弥(もくあみ)。

 規制委も「60年超の運転」の閣議決定をそのまま容認した。運転期間
を決めるのは推進側の判断で規制委は関わらない、との意見にたいし
て、石渡明委員は「60年もすると部品が調達できない」と発言、「科学
的、技術的な新知見に基づくものではない。安全側への改変とも言えな
い。反対だ」と批判した。それでも多数決で決定した。
(2月21日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」より)

〔564〕「100分de名著」『いのちの初夜』の北條民雄と友人の光岡良二にまつわる貴重な逸話を矢部顕さんに書き留めてもらいました。

2023年02月12日 | メール・便り・ミニコミ
●福田三津夫様
ハンセン病資料館の催し物案内を掲載していただきありがとうございます。
福田さんがブログで北條民雄の『すみれ』について書いていらっしゃるのを
みて、北條民雄の友人の光岡良二さんのことを思い出しました。
そのことを書きましたので添付します。
                         矢部 顕

◆福田三津夫さんへの手紙
「北條民雄と光岡良二」 

 福田三津夫さんは彼のブログ(2023.2.8.)で、北條民雄の『すみれ』について取り上げていらっしゃいました。
 つい最近のNHKのテレビ番組「100分de名著」で、北條民雄の『いのちの初夜』の関する放映がきっかけで、福田さんが書かれた文章が掲載されています。

 これを読んで思い出したことを記しておきたいと思い、北條民雄と友人の光岡良二について書きます。

●『いのちの初夜』(北條民雄著)
 ハンセン病をテーマにした小説や随筆を数多く残した北條民雄は、20歳のとき1934年(昭和9年)に全生病院(現・国立療養所多磨全生園)に入院しました。ハンセン病の症状が表れる中、何度も自殺を図ろうとしました。入院後の体験は、のちの彼の作品からうかがえます。
 ある時、作品を見てほしいと川端康成に手紙を書き、「拝見いたします」と返事をもらった。それから90通の手紙のやりとりが続いたといいます。いくつかの作品が文芸誌「文学界」に載るようになりました。芥川賞候補にもなった「いのちの初夜」は、「最初の一夜」と題したものを川端が「いのちの初夜」と改題したそうです。

●『寒風』(川端康成著) 
 川端康成が北條民雄の死について書いた『寒風』という短編があります。この作品は1937年の北條民雄の死から約10年経った終戦後に発表されました。主に、北條民雄という作家について、全生病院について、北條民雄の父親(作品上は母親)の来訪について書かれています。この作品には、川端康成から見た北條民雄(作品上は谷沢)と光岡良二(作品上は倉木)の友情に触れています。
 川端康成と光岡良二さんはずっと交流を保っていたようなので、北條民雄とその死を通してお互いに影響があったのでしょう。

●『すみれ』(北條民雄著)
 北條民雄が『すみれ』を書いたのは20歳の時です。1934年(昭和9年)の5月に全生病院に入院した彼は12月に書いているそうです。この童話は、全生病院の中にあった全生学舎の子どもたちのために、教師であった光岡良二の依頼によって書かれたと言われています。
 全生病院は国立療養所多磨全生園となり、全生学舎は東村山市立青葉小学校全生園分教室となりましたが、本校からの教師一人以外は光岡さんたちが教師を務めていらっしゃいました。(東京帝大文学部中退の小学校教師もめずらしい?)。私が学生時代、1960年代後半も、子どものハンセン病患者が療養所にいる時代で、私が訪問した時はソフトボールなどをして一緒に遊んだ記憶があります。(全生園分教室は1975年3月、子どもが卒業して閉鎖)
 また、私たちが建設した交流(むすび)の家が完成したことによって、その小学校の子どもたちが奈良への修学旅行が可能になり、奈良の寺院を案内したり、夜は寝る前に修学旅行の定番(?)枕投げ遊びをした記憶があります。

●『古代微笑 光岡良二歌集』(光岡良二著)(風林文庫 1968年)
私たちフレンズ国際労働キャンプ(FIWC)が取り組んでいたライ(当時の呼称)快復者社会復帰セミナーセンター・交流(むすび)家の建設では、建設初期に地元住民の反対運動があり、そして奈良市長の建設反対声明があったりしたなかで、光岡さんは当時の全患協(全国ハンセン病患者協議会)事務局長として東京から奈良まで駆けつけていただいて、たいへんなご協力をいただいた同志であります。
光岡さんは、もともとは歌人として何冊かの歌集を出版されています。歌集『古代微笑』の出版記念会は、完成したばかりの奈良の交流(むすび)の家で行われました。

●『いのちの火影―北條民雄覚書』(光岡良二著)(新潮社1970年)
 同じ病で入院した時期が1年違いで、同じように文学青年だった光岡さんが、北條民雄が亡くなってから30数年後に上梓された本です。小説を読むだけではわからない北條民雄という稀有な作家の人物像が詳細に描かれています。

●文学講演会「虚妄のライ」(講師・光岡良二、高橋和巳 於・同志社記念会館)
 交流(むすび)の家開所記念文学講演会として、1968年6月に私たちフレンズ国際労働キャンプ(FIWC)関西委員会は、光岡さんと高橋和巳を講師として招いて京都で開催しました。
 演題の「虚妄のライ」に込められた想いは、ライという言葉が差別用語となってハンセン病と言い換えられた現在では、想像力を掻き立てられない言葉となってしまいました。
 高橋和巳は、当時もっとも人気のあった小説家で代表作『悲の器』『邪宗門』など。中国文学者でもあり、大学闘争の最中1969年京大文学部助教授辞任、1971年39歳で夭折しました。
                       2023.2.11.
                       矢部 顕

〔563〕日本の安全を危惧する塚越敏雄さんの「腰越九条ニュース198号」と鎌田慧さんのコラムです。

2023年02月10日 | メール・便り・ミニコミ
 今日(2023年2月10日)は朝から東京でも珍しく雪が降っています。大きな事故が起きなければ良いのですが。
 トルコやシリアでは大地震、心が痛みます。そしてロシアがウクライナ侵略を開始してから2月24日で1年が経とうとしています。
 日本では岸田内閣が安保3文書を決定し、軍事費2%、原発再稼働・新設を宣言しました。日本国憲法に違反する暴挙といわざるを得ません。
 こんな情況のなかで、塚越敏雄さんから腰越九条ニュース198号が届きました。鎌田慧さんのコラムと合わせてお読みください。いずれも掲載許可済みです。

●おはようございます。
 腰越九条ニュース198号ができましたので添付します。
本号では、安保3文書の危険性をなるべくわかりやすく書くよう
努力してみました。読んでいただけますと、ありがたいです。
                    t417mabui@nifty.com 塚越敏雄





◆巨大な環境破壊装置=原発
     鎌田 慧(ルポライター)

 車窓の向こうに、遠く墓石が立ち並ぶのが見えた。急に忘れていた歌
が蘇った。「故郷の街焼かれ身寄りの骨埋めし焼土に今は白い花咲く」
(原爆を許すまじ)。爆発した福島原発構内を視察するツアーバスの中
だった。
 避難先で亡くなった人たちは、故郷の墓地に帰れたのか。放射線に
侵されていないだろうか。

 「原子力明るい未来のエネルギー」。小学生の時に、この標語を作ら
された大沼勇治さんと防護服姿で、被災後の双葉町を歩いたことがあった。
 が、そのときは、地震で倒壊、崩れ落ちたまま無念の表情の町並みに
圧倒され、避難者のその後を考える余裕はなかった。

 大事故から12年。「復興」。それが故郷を喪失した人びとにとっての
希望だが、バスで通過するだけでも、耕作が放棄され、荒れ果てた
田んぼや畑の延々とした広がりに気落ちさせられる。

 かつて地表から剥がされた放射性汚染土は、フレコンバッグに詰め
込まれ、真っ黒な山を築いていた。今、それらは「中間貯蔵施設」と
いう1600ヘクタールの元農地などに運ばれ分別され、15メートルの
茶色い台地を形成しでいる。22年後に県外最終処分場へ運ばれる、とか。

 一方の原発構内、タンク1000基以上に溜まった汚染水は除去できない
トリチウムを含んだまま30年間海洋投棄する。
 この巨大な環境破壊装置を岸田内閣はさらに増強するという。
(1月17日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」)

◆ 沈思実行(131)
  絶望の再処理工場−青森・六カ所
  いま、2兆円を投じてなお、立ち腐れの状態
                          鎌田慧
                    
 「閣議決定」といえば、なにか政府の重大な決めごとにように思える。
が、ドミノ式に解任、辞任がつづき、継ぎはぎだらけ。ひょろひょろ、
へっぴり腰の、岸田浮遊内閣の決定など、実現性はすくない。
 たとえば、「原発の新・増設」。これから、どこへ、なん基建設する
のか。地域独占会社で、湯水のようにカネをバラまいてきた電力会社
とはいえ、将来性のない原発を、首相に言われた通り、いまから採算無視
でやるのだろうか。最終処分地をどうするのか、をまじめに考えるほうが
先決のはずだ。
 本命は巨費を投じてたち腐れの老朽原発を、危険をも省みず、すこし
でもはやく、すこしでも永く、稼働させて元を取りたいだけだ。

 原発の最大のネックは、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が、
にっちもさっちも行かないことだ。着工してからこの4月で30年記念に
なる。が、いまだに未完成の巨大施設。歴史的な建造物といえる。民間
企業だが、経費は各電力会社の電気代に上乗せして、回収されている。
 だから、プルトニウムを抽出し、廃棄物をガラス固化体にして搬出する、
とする工程が完成しなくとも、倒産もせず、会社は存続している。六ヶ
所村は、1969年に閣議決定された「新全国開発計画」(新全総)の目玉
だった。

 朝日を浴びて、太平洋に添ったひょろ長い県道を農民たちのデモ行進
が行く。人びとは眩しそうに目を細めて歩いていた。はじめてのデモが
恥ずかしかったからだ。「巨大開発反対」のデモだった。
 1971年10月、県知事が村の中学校にやってきた。会場に入れないひと
たちは講堂を取り巻いて声をあげていた。「だまされねーぞッ」「この
山師ものッ」。
 説明会が終わって、知事が外に出てきた。ベンツの乗用車が走りだす
と、後ろからこぶし2個分の石が、わたしの頭上を飛んでいった。リア
ウィンドウに命中した。が、頑丈な窓ガラスがそれをはね除けた。
防弾ガラスだった。
 再処理工場の前史。いま、工場は2兆円を投じてなお、立ち腐れの
状態だ。
     (週刊「新社会」2023年1月18日)

◆民意を踏みつぶす国政
                 鎌田 慧(ルポライター)

 本人の同意をえていないのに、力ずくで手術する、としたなら、それは
重大な犯罪行為である。10年前の1月27日、沖縄県すべての市町村の長と
議会議長が銀座をデモ行進した。住宅地に近接、騒音被害、危険いっぱい
の普天間飛行場を移設する、という名目による「辺野古新基地建最設」。
この米軍基地の新増設、大工事計画にたいする反対の行進だった。

 これらの首長たちは翌日、署名捺印の「建白書」を当時の安倍晋三首相
に提出した。1月27日は、この晴れやかな、歴弁史的な決起の記念日である。
 が、そのあと、反対を公約にして当選していた仲井真弘多知事は安倍首
相と会見して突然、辺野古埋め立て促進に転向した。
 この裏切りは重く、次回選挙は決然と反対表明、立候補した翁長雄志那
覇市長に、10万票もの大差をつけられて敗退。

 それからの2回の県知事選挙でも辺野古建設反対候補が圧勝、2019年
2月の県民投票でも72%が建設反対である。
 辺野古での座り込みに参加して、挨拶を要請されても辞退してきたの
は、沖縄を犠牲にして、その解決に努力していない、と想いがあったからだ。
 27日(金)日比谷野外音楽堂午後6時半。「建白書10年。沖縄の民意を
日本の民意へ集会」デモがあります。発言者。金平茂紀、西谷修、
元山仁士郎、鎌田など。
      (1月24日「東京新聞」「本音のコラム」)

◆二つの滑走路(馬毛島に滑走路建設、下地島の3000m滑走路)

鎌田 慧(ルポライター)

 藩主・津軽為信の銅像が横に寝かされ、道を曳かれて行くのを眺めて
いえ兜をかぶって武装、威厳を保った表情の銅像が、溶解され、弾丸を
生産するために「供出」されることになったのだ。
 敗戦の少し前、幼稚園児だった私は、道端で大人たちの前に立って、
その行列を見送っていた。城跡本丸の中央に立っていた銅像は帰ること
はなかった。台座だけが未練がましく、何十年も残されてあった。
 それぞれの家庭でもなけなしの金物を供出した。「総力戦」だった。
 欲しがりません勝つまでは。が、敗戦となった。
 軍需工場は兵器をナベカマに造り直して糊口を凌ぎ、朝鮮戦争が勃発
してにわかに米軍用の「特需」となって、また軍需生産。

 と、急に昔を思いだしたのは、鹿児島県種子島そばの馬毛島に、いき
なり自衛隊が滑走路建設開始のニュース。20年ほど前、平和な無人島
だった。戦時中のコンクリート製トーチカが残っていた。銃眼が不気味
だった。
 さらに、沖縄・宮古島から長い橋を渡って辿り着く、下地島での米海
兵隊の軍事訓練要求。民間航空会社のパイロツト養成訓練に使われた、
 3000m滑走路を見学したことがある。軍用に転換させられないか不安
に思った。ついに「台湾有事=日本有事」。沖縄軍事化の大宣伝。
おまえの物は俺の物、俺の物は俺の物。
その人権無視、強欲が戦争だ。
     (1月31日「東京新聞」「本音のコラム」)