いろいろ理由はあるのですが、NHKのテレビ小説を見なくなってから数年は経ったでしょうか。ところが、最近、現在再放送中の「エール」を見ているのです。それはある教え子からの一本のメールが切っ掛けになっています。
●Kくんからのメール
朝のNHKテレビドラマ「エール」を見ていますか?
私にとってあの中で主人公裕一や佐藤久志たちの人生に多大な影響を与えた藤堂先生にあたるのが福田先生なのです。私に読書や生き物かがりを勧め、自信の無かった私に得意を持つという「道」を示してくださったことは今も感謝しています。多感な頃はもちろん大人になってもほんのささいなことで道を踏み外したりします。これだけ世の中をうまく泳ぎ切ることができているのも先生をはじめ私の関わった人たちのおかげと思っております。
ありがとうございます。
私は先生はもっと私たち子供の可能性を磨き続けてくれたことを誇るべきと思います。学生時代は長かったですが真に尊敬できる教師に出会えたのは先生と大学のゼミの教授二人だけです。
1972年4月、私は北区立滝野川第六小学校に赴任します。初めての教え子は3年生でした。 Kくんは私の新卒時代の教え子でした。目がくりっとした、明るくてとても賢い子どもでした。
新卒当時の私は、様々な学級文化活動を子どもたちに仕掛けました。彦一凧という大きな凧を作って凧揚げ大会をしたり、クラスでチャボや兎を飼育したり、子どもたちは新聞を発行し、私は学級通信を親と子どもに向けて発行するというということもやったのでした。日本生活教育連盟という民間の教育研究団体に所属し、大いに影響を受けていたのです。最初期の私の実践は生活教育と言ってもよいものでした。
Kくんは生き物係で活躍し、精力的に本を読む子でした。生きているのが楽しいとからだで表現しているような子でした。
20年くらい前になるでしょうか。ある日突然Kくんから電話がかかってきました。晩成書房から何冊か本を出している福田三津夫とは、自分の担任だった人かどうか彼が確かめるためでした。出版社に連絡先を聞いたようです。
それからしばらくして、クラスで仲の良かったJくんを連れて我が家にやってきて、懐かしい思い出話に花を咲かせました。また何年後かに2人の娘さんを連れて我が家にやってきました。
そして、時々、何かあると思い出したようにメールをくれるのです。
「エール」の藤堂先生は森山直太朗さんが演じています。あんなに優しくなかっただろうなと苦笑いしながらも面映ゆくテレビを見始めました。藤堂先生とは志村けんが演じているのかと返したら彼に笑われてしまいました。
次のブログも他の人の教え子の話の予定でいます。
その前に愛読している鎌田慧さんのコラムをどうぞ。
◆ 動揺する自民党
沖縄の決然たる抵抗が政府・自民党側の分断をつくり出した
辺野古米軍新基地建設をやめろ!
鎌田 慧(ルポライター)
7月上旬、中谷元・元防衛大臣は沖縄県庁を訪問、玉城デニー知事に
面会した。辺野古米軍基地建設についての見直し案を示した、と報道され
ている。
「沖縄の皆さんにご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げる」と中谷
は謝罪したという。が、建設工事を止める、との謝罪ではなかった。基地
を建設したあと米軍と自衛隊との共同使用にします、民間機の利用も可能
な「軍民共用」にします、との私案を出したそうだ。
しかし、なぜ沖縄の人たちが、毎日身体を張って、新軍港建設に反対
しているのか。それを考えてのことなら、自衛隊や民間機との共用などと
したり顔で述ベられるわけがない。
沖縄が反対しているのは、もうこれ以上、戦争のための基地をつくられ
るのはまっ平だ、との平和主義が根幹にある。
それはジュゴンのいる海を殺す環境破壊は認められない、という強い自
然主義観でもある。
自分たちの郷土を戦場にされた過去の悲惨な歴史と未来の平和な島の姿
を考えた場合、口先三寸の妥協案などに心動かされる訳がない。玉城知事
は当然のことながら「工事の即時中止」を訴えた。
75年前の沖縄戦のような敵前切り込み海兵隊の沖縄常駐は、戦略上
まったく不要だ。辺野古建設は米軍の経費削減策の一環でしかない。
辺野古の工期は、これからうまくいったとしても、あと12年。総工費は
9300億円。日本の負担である。
そればかりか、位置決定時に判明していなかった海底のマヨネーズ状態
が明らかになって、土台、埋め立て工事は無理だったのだ。
7月上旬、地質学者の調査団が「震度1の地震でも護岸は崩壊する」
との調査結果を防衛相に送った。石破茂・元防衛相も「とにかく進めるん
だ、ということだけが解決策ではない」と発言した。自民党内部でも動揺
がはじまった。
沖縄の決然たる抵抗が、相手側の分断をつくり出した。沖縄の勝利の
ために、力をだそう。
(「週刊新社会」2020年7月21日第1170号「沈思実行」15)
●Kくんからのメール
朝のNHKテレビドラマ「エール」を見ていますか?
私にとってあの中で主人公裕一や佐藤久志たちの人生に多大な影響を与えた藤堂先生にあたるのが福田先生なのです。私に読書や生き物かがりを勧め、自信の無かった私に得意を持つという「道」を示してくださったことは今も感謝しています。多感な頃はもちろん大人になってもほんのささいなことで道を踏み外したりします。これだけ世の中をうまく泳ぎ切ることができているのも先生をはじめ私の関わった人たちのおかげと思っております。
ありがとうございます。
私は先生はもっと私たち子供の可能性を磨き続けてくれたことを誇るべきと思います。学生時代は長かったですが真に尊敬できる教師に出会えたのは先生と大学のゼミの教授二人だけです。
1972年4月、私は北区立滝野川第六小学校に赴任します。初めての教え子は3年生でした。 Kくんは私の新卒時代の教え子でした。目がくりっとした、明るくてとても賢い子どもでした。
新卒当時の私は、様々な学級文化活動を子どもたちに仕掛けました。彦一凧という大きな凧を作って凧揚げ大会をしたり、クラスでチャボや兎を飼育したり、子どもたちは新聞を発行し、私は学級通信を親と子どもに向けて発行するというということもやったのでした。日本生活教育連盟という民間の教育研究団体に所属し、大いに影響を受けていたのです。最初期の私の実践は生活教育と言ってもよいものでした。
Kくんは生き物係で活躍し、精力的に本を読む子でした。生きているのが楽しいとからだで表現しているような子でした。
20年くらい前になるでしょうか。ある日突然Kくんから電話がかかってきました。晩成書房から何冊か本を出している福田三津夫とは、自分の担任だった人かどうか彼が確かめるためでした。出版社に連絡先を聞いたようです。
それからしばらくして、クラスで仲の良かったJくんを連れて我が家にやってきて、懐かしい思い出話に花を咲かせました。また何年後かに2人の娘さんを連れて我が家にやってきました。
そして、時々、何かあると思い出したようにメールをくれるのです。
「エール」の藤堂先生は森山直太朗さんが演じています。あんなに優しくなかっただろうなと苦笑いしながらも面映ゆくテレビを見始めました。藤堂先生とは志村けんが演じているのかと返したら彼に笑われてしまいました。
次のブログも他の人の教え子の話の予定でいます。
その前に愛読している鎌田慧さんのコラムをどうぞ。
◆ 動揺する自民党
沖縄の決然たる抵抗が政府・自民党側の分断をつくり出した
辺野古米軍新基地建設をやめろ!
鎌田 慧(ルポライター)
7月上旬、中谷元・元防衛大臣は沖縄県庁を訪問、玉城デニー知事に
面会した。辺野古米軍基地建設についての見直し案を示した、と報道され
ている。
「沖縄の皆さんにご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げる」と中谷
は謝罪したという。が、建設工事を止める、との謝罪ではなかった。基地
を建設したあと米軍と自衛隊との共同使用にします、民間機の利用も可能
な「軍民共用」にします、との私案を出したそうだ。
しかし、なぜ沖縄の人たちが、毎日身体を張って、新軍港建設に反対
しているのか。それを考えてのことなら、自衛隊や民間機との共用などと
したり顔で述ベられるわけがない。
沖縄が反対しているのは、もうこれ以上、戦争のための基地をつくられ
るのはまっ平だ、との平和主義が根幹にある。
それはジュゴンのいる海を殺す環境破壊は認められない、という強い自
然主義観でもある。
自分たちの郷土を戦場にされた過去の悲惨な歴史と未来の平和な島の姿
を考えた場合、口先三寸の妥協案などに心動かされる訳がない。玉城知事
は当然のことながら「工事の即時中止」を訴えた。
75年前の沖縄戦のような敵前切り込み海兵隊の沖縄常駐は、戦略上
まったく不要だ。辺野古建設は米軍の経費削減策の一環でしかない。
辺野古の工期は、これからうまくいったとしても、あと12年。総工費は
9300億円。日本の負担である。
そればかりか、位置決定時に判明していなかった海底のマヨネーズ状態
が明らかになって、土台、埋め立て工事は無理だったのだ。
7月上旬、地質学者の調査団が「震度1の地震でも護岸は崩壊する」
との調査結果を防衛相に送った。石破茂・元防衛相も「とにかく進めるん
だ、ということだけが解決策ではない」と発言した。自民党内部でも動揺
がはじまった。
沖縄の決然たる抵抗が、相手側の分断をつくり出した。沖縄の勝利の
ために、力をだそう。
(「週刊新社会」2020年7月21日第1170号「沈思実行」15)