後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔706〕「わたしは小学生に稲作体験授業を教える農家のお爺さんなのです。」(岡山の矢部顕さんより)

2024年06月28日 | メール・便り・ミニコミ

●福田三津夫様

今年は梅雨入りが遅く、梅雨に入る前に田植えが終わりました。
自分の田の田植えが終わると、小学生の学習田の田植えです。
田植え前の水入れ代掻きのための足ふみ水車(みずぐるま)体験、
そして田植えの写真を添付します。
足ふみ水車体験は大正時代のものを使って行いますので、とっても
珍しい風景ですので、「日本農業新聞」に掲載されました。
わたしは小学生に稲作体験授業を教える農家のお爺さんなのです。
  
矢部 顕


〔705〕6月24日(月)、都知事選・蓮舫さん支持の清瀬駅頭集会に参加しました。

2024年06月27日 | 市民運動

 6月24日(月)の朝9時から約30分間、清瀬北口のロータリーで、都知事選・蓮舫さん支持の駅頭集会に参加しました。
 司会は宮原りえ市議(立憲民主党)、リレー式にアピールが続きます。小西みか市議(生活者ネット)、ふせ由女市議(共に生きる)、原田ひろみ市議(共産党)、原のり子都議(共産党)、宮本徹議員(共産党)の順だったと思います。

 東京都の予算はスウェーデンの国家予算に匹敵すると言われています。自治体と国を単純比較はできませんが、スウェーデンが実現している教育と医療の無償化と東京都との差異は覆い隠しようがありません。東京都はようやく小中の給食費無償化半額補助を打ち出し、裕福な23区は早速実現しましたが、多摩地区はほぼ半分の自治体だけが手を挙げただけです。中途半端な給食費半額補助が逆に多摩格差を生んでしまったのです。
 私は、大学での教師養成に20年近く関わってきましたが、昨今の学生たちの教職敬遠は深刻な問題です。とりわけ東京都の教職希望が激減しているのです。教員試験の倍率が地方より圧倒的に低いのです。学生たちは教師の仕事の大変さを漠然と感じているのです。
 東京の教育を変革しなくては優れた人材は集まらないでしょう。
  私が新卒だった70年代は美濃部都政で、自由な空気が東京の学校に溢れていたように思います。東京の教育の危機は1999年に登場した石原都政からでした。国家主義的、能力主義的な息苦しい教育現場になってしまいました。
 私にとって都知事は主に教育の視点から選んでいきたいと思うのです。

◆知られたくない過去
  小池百合子氏は、やはり人間として信用できない

                               前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 明るみに出れば地位も名声も失う、人に知られたくない過去を覆い隠
すため、それを知る者を殺す。松本清張の「ゼロの焦点」や「砂の器」
はそういう話だ。
 そんな話になるはずはないが、小池百合子都知事の学歴詐称疑惑は、
彼女の過去をよく知る人物の実名告発でいよいよ深まってきた。

 「このまま黙って死んだのでは悔いが残る」との思いで文芸春秋5月
号に手記を寄せた北原百代氏に加え、11日にはかつて小池一家を財政支
援した朝堂院大覚氏が記者会見した。同氏によれば小池氏はカイロ大学
を2年で中退。その後、朝堂院氏の資金援助を受け、ある人物と空手の
雑誌を始めたが失敗、1年後には東京へ帰り同氏の事務所を手伝ってい
たという。

 12日の囲み会見でジャーナリストの佐藤章氏が朝堂院氏の名前を出す
と、小池氏は何も答えずそそくさと立ち去った。
 よほど触れられたくない過去なのなろう。20日の告示日にも街頭に出
なかったのは、これを聞かれたくないからだろうか。

 小池氏の元側近・小島敏郎氏は18日、小池氏の学歴詐称を刑事告発し
た。彼女の「卒業証書」と「卒業証明書」をアラビア語の専門家の協力
を得て検証したところ、その記載内容には矛盾や欠落が七つあった
という。
 世話になった人から次々に告発される小池百合子氏は、やはり人間と
して信用できない。 (6月23日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔704〕「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」、鎌田慧氏講演会に行ってきました。

2024年06月23日 | 講座・ワークショップ

 昨日、2024年6月22日(土)は「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」ということで、ルポライターの鎌田慧さんの講演会が国立ハンセン病資料館映像ホールでありました。清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会の仲間と大挙して参加してきました。
 鎌田さんは1時間45分の長時間、ほとんど資料もご覧にならないで、語り続けられました。テーマはまさに「冤罪を追う」。財田川事件、狭山事件、袴田事件、弘前大学教授夫人殺人事件など、現場に足を運び、当事者と対面しながら知り得た事実・真実を訥々と語られました。ルポライターとしてのナマの凄みがそこにはありました。

 10分程度でしたが、冤罪犠牲者の会事務局の野島美香さんの菊池事件のお話もありました。菊池事件は、あるハンセン病患者の冤罪事件です。そのレジメの一部を紹介します。

 講演会傍聴者の中に、『それぞれのカミングアウト』を出版された八重樫信之、村上絢子ご夫妻もいらっしゃいました。

 鎌田さんは近々鎌田慧セレクション『現代の記録』(全12巻、皓星社)を出版されるそうです。私の書棚に収まっている『鎌田慧の記録』(全6巻、岩波書房)は1991年刊行ですから、全集としては三十数年ぶりということになります。
 次に私が期待しているのは、大杉榮、鈴木東民、坂本清馬、太宰治、葛西善蔵などの鎌田慧評伝全集です。どうでしょう、鎌田さん。


〔703〕「腰越九条ニュース214号ができましたのでお送りします。」(塚越敏雄さんより)

2024年06月16日 | メール・便り・ミニコミ

 腰越の塚越敏雄さんから腰越九条ニュース214号が届きました。メールと一緒に紹介します。
 
■遅くなりましたが、腰越九条ニュース214号ができましたのでお送りします。
憲法審査会では、改憲に向けての動きが激しくなっています。目が離せません。
                      塚越敏雄

◆ミサイルと石垣島(下)
  沖縄に自衛隊が配備されつづけ、ほぼ5倍に 異常だ
  ミサイルを沖縄に並べ立てたら、こっちから中国にけんかを
  仕掛けることに
  沈思実行(197)
                   鎌田 慧

 1972年5月の本土「復帰」のあと、この52年間で沖縄の自衛隊施設は
4.9倍にふやされた。国土面積の0.6%の沖縄に、米軍基地の7割が
集中している、と言われながらも、自衛隊が配備され続けてほぼ5倍、
異常というべきだ。
 「本土」に住むわたしたちは、あまりにも、無関心、無頓着だ。

 日米合同演習がはじまり、5月中旬、エマニュエル駐日米大使が、与
那国島の空港に軍用機で降りたった。「日米同盟の戦力強化」の実際を
視察した、という。

 「ミサイルを並べ立てたら、こっちから中国にけんかを仕掛けること
になる」。石垣島の花谷史郎さんの言葉を、わたしは7年前に紹介して
いた。(「東京新聞本音のコラム」2017年1月10日)。
 しかし、非戦を誓った日本国憲法の許で、かつて4人に1人が戦争の
犠牲者となった沖縄で、さらに沖縄本島よりもはるかに小さな孤島群で
日米一体の戦争準備が急速に進められている。この対米従属、無責任な
自公政権に、わたしたちは厳しい批判をしてこなかった。

 沖縄本島北部の東村高江のオスプレイ基地建設反対運動や辺野古新基
地建設反対運動にはなんどか参加した。が、米軍基地はそれだけではな
い。エマニュエル大使や米インド太平洋軍のアキリーノの司令官や日米
海兵隊を統括する第3海兵遠征軍のターナー司令官も海兵隊の輸送機で
先島に着陸している。日米共同訓練や部隊派遣はすでに織り込み済みだ。

 鹿児島の南、馬毛島が防衛省に買収、航空兵站基地とされ、その先の
奄美大島が海上兵站基地。沖縄本島には陸海空の旅団や航空群で7千人
ほど駐留。久米島に航空隊、宮古島、石垣島、与那国島にミサイル配備。
琉球孤はハリネズミのように武装させられる。「平和の島」の要塞化は
イメージするだけで、息苦しくなる。

 石垣島の山里節子さんに電話をかけた。「物理的にミサイルがなん本
たてられようが、平和を愛する島のこころをもちつづけ、喜怒哀楽を
歌ったり踊ったり島と一緒に乗り越えていきます」。彼女は三味線の
名手なのだ。       (6月12日「週刊新社会」第1958号より)


〔702〕ふせ由女清瀬市議の最新「ゆめ通信」(39号)は読み応え十分です。

2024年06月16日 | メール・便り・ミニコミ

 「ゆめ通信」が発行されました。市議会終了後に発行し続けてきて本号は39を数えます。まさに「持続する志」のなせる技です。
 編集スタッフに感謝しつつ、さてこれからみんなで手分けして地域配布です。猛暑の中頑張ります。

 本号、1面には議員の議会レポートと活動日誌、2面は「困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じることを求める請願」の顛末、3面は市議会最終日の図書館問題(市内図書館全6館を2館にするという条例)を巡っての詳細な記録です。4面は拙稿・映画「福田村事件」の感想とゆめ議員の狭山事件現地調査の参加記です。

 どこかで実物を手にしてくださることを願っています。


〔701〕講演「原発事故で自主避難した少年がローマ教皇に会い、そして今、21歳で伝えたいこと」(鴨下全生さん)と朗読と演奏の会に行ってきました。

2024年06月12日 | 語り・演劇・音楽

 昨、2024年6月11日、講演「原発事故で自主避難した少年がローマ教皇に会い、そして今、21歳で伝えたいこと」(鴨下全生さん)と朗読と演奏の会に行ってきました。会場は、吉祥寺にある武蔵野公会堂です。
  この会は「フクシマを思う」という吉祥寺チャリティライブイベントということですが、なんと今回で34回を数えています。会場には歴代のポスターでしょうか、整然と掲示されていました。

 この会のお知らせが東京新聞に掲載されました。さらに、朝日新聞とともに配布される多摩情報紙「アサココ」にもお知らせがありました。
  大学生になった鴨下全生さんのお父さんの鴨下裕也さんには、清瀬・くらしと平和の会、清瀬・憲法九条を守る会として、2回も清瀬に来ていただき講演をお願いしています。この日も会場にみえていましたが、体調がよろしくないようで心配です。そんななか7月18日の彼の裁判案内が手渡されました。
 今までで一番若い講演者ということで堂々と鴨下全生さんが舞台に立ちました。適宜画像を映しながら、東京最高裁(2023年)や最高裁判所(2024年)での意見陳述を読み上げる形で淀みなく自らの思いを開陳し続けました。つらいいじめ体験なども含めてリアルに語ってくれました。そして、2回ローマ教皇に会う中で、歴代教皇として初めてローマ教皇は原発に反対の意を表明することになりました。

 朗読は金子あいさん、丹下一さん、演奏は古部賢一さん(オーボエ)と久保美結さん(ピアノ)、久しぶりに心静まる時を過ごしました。
  開演前に昔懐かしい元教師で、今も地域の運動を担っているYさんと再会しました。チラシを渡されて旧交を温めました。

 

 ◆都知事選に立憲・蓮舫が出馬   

 構図は「赤壁の戦い」小池・自民の大軍に対して勝機はある      金子 勝(淑徳大客員教授)  

 立憲民主党の蓮舫参院議員が都知事選への立候補を表明。参院議員の 地位を捨てて勝負を挑む姿に、政権を取りにいくんだという勢いを感じ た。久しぶりに政治家らしい決断を見て痛快でもある。  

 思い出されたのは、三国志の「赤壁の戦い」だ。曹操の20万の大軍が 荊州に向かって進軍したのに対し、迎え撃つ孫権と劉備の軍はそれぞれ 2万である。劉備の軍師・諸葛亮は「曹操は大軍だが疲れている。おま けに地元の民に支持されていない」と勝機を見いだし、曹操の大軍を打 ち破ったのだった。  

 まさに、都知事選と構図が似ている。自公と手を握った現職・小池知 事は大軍だが、疲れ、都民の支持を失っている。自民は裏金まみれで、 小池には学歴詐称疑惑がある。大軍ながら勢いはない。  

 その証拠に、小池は4月の衆院東京15区補欠選挙で子飼い候補を落選 させた。5月には都議補選(目黒区選挙区)で支持した自民候補が敗北 している。  

 この都知事選は2つの意味で前哨戦である。1つは、自民が衆院3補 選で全敗し、神奈川・小田原市長選でも敗北。他の首長選でも連戦連敗 だ。そんな中、天王山の都知事選で蓮舫が勝てば「政権交代」が現実味 を帯びる。  

 もう1つは、政権交代するとどうなるか、を有権者に提示する機会に なることだ。 つまり、裏金や政治献金を拠出する者のための小池・自民政治から、本 当に困っている人のための政治に転換する。政権交代の生きたモデルを 選挙戦を通じて示すことである。  

 都政で最も重視すべきは、大手不動産企業と癒着した大型再開発の見 直しだ。  

 晴海も築地も外苑もみな三井不動産で都庁幹部が大挙天下っている。  

 晴海の選手村跡地は都有地でただ同然に払い下げられ、タワマンは投 機の対象になっており、一般の住民は住めない開発だった。神宮外苑で は森を切り倒そうとする。築地は球場と国際会議場中心で食文化は名目 だけ。もはや小池は、ほとんどゼネコンの手先である。  

 これでは東京の合計特殊出生率が0.99で、ついに1を割るのも 当然だ。  

 一人一人が住みやすく、環境にいい街をつくっていくべきだ。  

 大型開発ではなくて、子育て世代への家賃補助の方がずっといい。  

 自転車道と自転車置き場のある商店街の方がずっといい。  給食の無償化や、子供の送迎がある保育所の設置。  

 さらに、都の公立高校の授業料無償化に加えて都立大学の授業料大幅 軽減も必要だ。  

 介護士や保育士の給料補助や、女性の非正規労働者を正規化した中小 零細企業を支援していくような施策も肝要だ。  

 生活者目線の支援を充実させていくことによって、一気に東京の雰囲 気は変わる。  

 首都決戦で野党は絶対に勝たなければならない。    (6月11日発行「日刊ゲンダイ」5面「金子勝の天下の逆襲」)


〔700〕ブログ700回! 最新の「現代女性文化研究所ニュース」「原発やめようニュース」「キラキラ星通信」です。

2024年06月10日 | メール・便り・ミニコミ

   ブログ700回記念は最近届いたミニコミ特集です。いずれも読み応え十分のミニコミです。

 

   まずは、NPO現代女性文化研究所が発行する「現代女性文化研究所ニュース」です。以前にもこのブログで紹介しましたね。
 本67号は24頁の冊子です。私にとって特に気になる記事は以下の通りです。

・ミサイル要塞にされた南西諸島 鎌田慧
・中国における上野千鶴子ブーム マルクス主義フェミニズムの地平 楊佳嘉
・西山太吉の妻であるということ 生方孝子
・青鞜のひと・遠藤清子 尾形明子

 「原発やめようニュース」は反原発自治体議員・市民連盟が発行するものです(本号は48号)。故・布施哲也さんは清瀬市議を務めましたが、反原発自治体議員・市民連盟の共同代表でした。フクシマ原発ツアーに共に参加したことを思い出します。彼のお連れ合いが布施由女清瀬市議です。 

   「キラキラ星通信」は無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会が発行しています(113号)。18頁立ての読みでのある冊子です。51回目の公開学習会が清瀬で開かれます。


〔699〕人権やジェンダー問題を考えるのに格好の冊子『フェミとーく、やってみない?』が手に入りました。

2024年06月08日 | 図書案内

 人権やジェンダー問題を考えるのに格好の冊子『フェミとーく、やってみない?』が手に入りました。とても読みやすい46頁のパンフレットです。副題は、なんだかすっきりしない気持ち、話し合いたい! 「週刊新社会・5面女性のページ担当部」の編集です。
 執筆者は東京都清瀬市の元男女共同参画室センター長の福田紀子さん。参加型ワークショップのファシリテーターとしても活躍されています。

 

◆いますぐガザ停戦を
                    鎌田 慧(ルポライター)

 パレスチナ 自治区/最南部ラファ クエート病院/
 たった五日間 生きた サブリーン/
 いま医師は 静かに 差し出す/いたいけな あなたの写真を/
 世界に向かって

 サブリーンと名付けられた女の子は、爆死した母親と4歳の姉のあと
を追って世を去った。5日間だけの人生だった。
 石川逸子さんの「ちいさなちいさないのち」の一節。91歳の詩人は夫
とともにイスラエル大使館の路上に立って、その死を悼む詩を朗読した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、大量虐殺と兵糧攻めで「ハマス壊
滅」作戦を続けている。国連の主要な司法機関である国際司法裁判所(
ICJ)はイスラエルに対して攻撃の即時停止を命じる暫定措置(仮処
分)をだした。
 南アフリカが「ジェノサイド条約」違反を訴えていたのを受けて
である。
 国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官はネタニヤフ首相の逮捕状を
請求。国際世論もイスラエル批判を強める。
 報道ではネタニヤフ政権内の極右官僚たちが、停戦と人質解放を妨
害、「ハマス壊滅」を要求しているという。

 日本では地中海沿岸の虐殺には、心を痛めてもなかなか行動に結びつ
かない。
 しかし日本でもアイヌ虐殺、沖縄侵略、朝鮮侵略、南京虐殺など、負
の歴史があった。
 その反省こそが、パレスチナ攻撃とガザ虐殺を批判、支援する根拠に
なる、と思う。 (6月4日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔698〕ホロコーストを体験した民族がなぜガザで虐殺の行為に及ぶのか、田浪亜央江さんのインタビュー記事に合点がいきました。

2024年06月04日 | テレビ・ラジオ・新聞

 ドイツ国内に残るホロコーストの爪痕、ダッハウ強制収容所、強制収容の会議が行われたバンゼー、アウシュビッツに囚人を移送する16番線のあるグリューネヴァルト駅等々、さらにポーランドまで足を伸ばしてアウシュビッツも訪ねました。ホロコーストの犠牲になった人は600万人を超えるといわれています。

 私が常々疑問に持ち続けてきたことは、ホロコーストを体験したユダヤの民がなぜガザなどでの虐殺の行為に及ぶのか、ということでした。
  その1つの回答を得ることができたのは、「イスラエル 強行世論の背景は?」「入植地が増加 右傾化の核に」  という田浪亜央江さんのインタビュー記事でした(東京新聞、2024年5月29日、「考える広場」)。このブログではその部分を紹介させていただきますが、東京新聞のサイトではその全文を読むことができます。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/330157

   私が合点がいったのは以下の箇所です(田原牧さんは論説委員)。

田原 イスラエルは国際社会で孤立を深めています。それでも国民の多数が報復攻撃に前のめりになる原因として、ホロコースト体験を指摘する声があります。敵に一歩でも引けば、やられかねない。世界の良識も頼りにならないという感覚が染み付いているという解釈です。
 田浪 ホロコーストを結び付ける言説はあります。でも、それは体験というより「物語」だという点に注意すべきです。
 ホロコーストは欧州で発生しましたが、国民の多数派はアラブなどそれ以外の地域の出身者たちです。親や祖父母もホロコーストは体験していない。
 実際、建国当初はホロコーストを強調しませんでした。むしろ、それは民族の弱さと見なされ、否定的に扱われました。
 それが1960年代に変わります。世界各地から集まった国民を統合するナショナリズムや対外的に政策を正当化する道具として利用していきます。
 中身も悲劇一辺倒ではなく、欧州の迫害にいかに抗(あらが)い、周囲のアラブ諸国を破って「建国の奇跡」を成し遂げたかという抵抗の物語として語られています。 


   余談ですが、田浪亜央江さんの御尊父は田浪政博さんで、昔からの知人でもあります。我が家からほど近い、武蔵野線の新秋津駅前でかつて秋津屋ラーメンを開業されていました。かん水などの添加物を使わない美味しいラーメンとして有名でした。私のクラスを授業参観した大学院生たちと、土曜日に月1回ぐらいここのラーメンを食べ語るのが常でした。
 彼は、かつて文部省が戦後すぐに発行した『憲法のはなし』を復刻出版され、新聞やテレビなど多くのマスコミで取り上げられました。開店の周年記念に国民学校の記憶を記した大部な本も出版されました。
  私が東久留米九小で教師をしているときに、平和集会で彼に東京大空襲の話を伺ったことがあります。
 かつてこのブログでも、彼のユニークな封書の年賀状を紹介したことがありました。
  
 田浪亜央江さんの話をいつか聞きたいと思っています。


〔697〕清瀬市の図書館6館を2館にする暴挙「現代の焚書坑儒」に、請願行動で市民が立ち上がりました。

2024年06月02日 | 市民運動

   あろうことか、清瀬市の3月議会で、清瀬市の図書館6館を2館にすることが本会議で決定されました。この暴挙に対して当然ながら市民が請願行動ということで立ち上がりました。(詳しくはブログ〔695〕)
 この請願を支持する立場から、私たち清瀬・憲法九条を守る会と清瀬・くらしと平和の会は定例会後署名活動に加わりました。いつも月1回駅頭行動をしている清瀬駅北口のペデストリアンデッキで行いました。6月1日(土)のことでした。
 実はこの時、別の市民団体が南口で同様の署名活動を展開していました。さらに前日と、この翌日もまたまた別の団体が署名活動をしていました。6月の市議会に間に合わせようという市民の熱意がそうさせたのです。

 この請願は6月19日(水)午前10時からの総務文教常任委員会で討議されます。最終的には6月28日(金)の本会議で決定されますので、多数の傍聴をよろしくお願いします。私たちもできるだけ多く駆けつけたいと思います。現代の焚書坑儒を許さない闘いです。


 ◆裁かれる裁判官           鎌田 慧(ルポライター)

 「ひとたび狙われて、投獄されれば、肉体深く食い込む虐待、あの虚
偽、虚構の、覆われた部屋、あの果てしない、底知れぬ眩暈(めまい)、
最早正義はない」。袴田ひで子さん(91)が22日、静岡地裁の最終弁論で
弟の死刑囚・巌さん(88)に代わって、読み上げた手紙の一節である。

 巌さんは清水市(現静岡市)で1966年に発生した一家4人殺害事件の犯
人として逮捕され、1980年に死刑確定。
 その直後、現実から乖離(かいり)する精神状況になった。
 ひで子さんは「姉はいない」などと拒否されながらも東京拘置所の面
会に通い続けた。「拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」。

 2014年、静岡地裁の再審開始決定で48年ぶりに釈放された。それでも
検察側は抗告、ようやく22日に結審だった。
 が、検察はまた「死刑」を求刑した。
 茶番というべきか、権威もプライドも捨てた天に唾する愚挙。
 9月26日の判決は120%無罪判決である。
 みそ工場のタンクから「発見」された犯行時の着衣が「証拠」だが、
労働者が自分が手がけた製品に下着を隠すことなどありえない。

 私は、一審死刑判決を書いた熊本典道裁判官を思った。落魄(らくは
く)して福岡郊外の木賃1DKアパートに身を隠すように、一人暮らし
ていた。
 袴田無実を信じていたが、裁判長ともう一人の陪席裁判官を説得でき
なかった。
 重い罪悪感に苦しんだ人生だった。
         (5月28日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)