私達団塊の世代にとってもしっかり読むべき本が出版されました。鎌田慧さんの『反逆老人は死なず』です。
反原発や集団的自衛権反対、沖縄辺野古基地反対などの集会やデモに参加しても若い人の参加が少ないことにいたずらに嘆くことが多いこの頃です。そんな私達をぴしゃりとたしなめてくれるのが鎌田さんです。
「若者がいない」と言ってもはじまらない。いまの若者の空白には、六〇年安保世代やそのあとの全共闘(団塊)世代など、戦後民主主義を食いつぶした者の責任がある。つぎの世代につなげる努力を怠ってきたのだ。(はじめに)
秘密保護法、周辺事態法、集団的自衛権容認など、あたかも戦前の治安維持法下の亡霊が彷徨っているような、戦争に傾斜するグロテスクな時代を招くに至ったのは、われわれ老人が、平和の恩恵のなかに安閑と暮らしてきたからだ。
その罪を思えば、すこしぐらい身体にむりをさせても、若者不在の空白を埋めなければならない。一緒にデモにでていた同世代の仲間が、姿をみせなくなり、やがて訃報がくる。しかし、広場や街頭に若者たちがまた姿をあらわすまで、それまでが反逆老人の役割なのだ。(同)
ぐうの音がでないとはこのことです。今まで私は何をしてきたのかが問われているのです。
鎌田さんは他人に対してだけ厳しい方ではありません。あのフクシマ3.11が起きたときに、自分は今まで原発に何をしてきたのかを鋭く問うたのが鎌田さんでさようなら原発運動を主導したのでした。そうした人のことばには説得力があります。
では、本の内容、構成を見てみましょう。
●『反逆老人は死なず』鎌田慧、岩波書店(出版書誌データベースより)
〔ソデ〕デモに行っても「老人」ばかり。それでもいいじゃないか。もう後もない年齢.何を恐れることがあろう。軍備に金をつぎ込み,人は切り捨て。そんな安倍政権では孫・子のいのちがおびやかされる。八〇歳超のルポライターが,安保法制,沖縄,原発,冤罪,労働など,いのちのために闘う 誇り高き叛逆老人同志に贈る熱いエール。
〔目次〕
はじめに
Ⅰ 叛逆老人は今日も行く
叛逆老人は今日も行く
戦前を知る叛逆老人たちの覚悟
森友・加計問題からの逃げは許さない
Ⅱ 沖縄は基地をつくらせない
やんばるの森の視えない戦争
オスプレイ墜落と高江の森
ミサイル基地にされる沖縄・南西諸島
「叛逆知事」翁長雄志の遺言
ステルス選挙 vs 市民選挙
玉城デニー知事に聞く沖縄の針路
Ⅲ 亡国の原発政策
生ぎろ東北!――原発事故から八年目の被災地を歩く
鉱毒と核毒――明治を模する「富国強兵策」の愚
原発マネーで壊れた男の半生記
再処理工場廃棄宣言
シジミ貝たちの見る夢
原発の跡で
Ⅳ 死刑大国の好戦内閣
死刑大国と戦争願望
無実の死刑囚・袴田巖
三鷹事件再審請求棄却判決の誤謬
永山則夫未完の連続射殺事件
丸山議員「戦争」発言の背景
Ⅴ 叛逆老人列伝
石牟礼道子――「小さな命」の仇討ちに賭けた生涯
上野英信――ある記録文学者の家庭戦争
林えいだい――孤高の作家・記録の鬼
むのたけじ――気骨のジャーナリスト
わが友 石川文洋
あとがき
初出一覧
この本の素晴らしいところは、固有名詞が続々と登場するところです。さすが一流の足で書くルポライターです。だから文章に説得力があります。
Ⅴ 叛逆老人列伝の「上野英信―ある記録文学者の家庭戦争」は秀逸です。評伝文学にも定評のある鎌田さんならではの琴線に触れる文章でした。
早速この本をたんぽぽ舎のメルマガで取り上げた方がいました。共感多々!
┏┓
┗■3.鎌田 慧さんの新著
| 『叛逆老人は死なず』(岩波書店)が刊行されました!
| 「こんなひどい政治には黙っていられない!」と思う
| 一人ひとりがこの本の主人公
└──── 大山美佐子(叛逆老人にあこがれる中年)
御年81歳の鎌田慧さん。原発や基地問題で全国を駆け回って
おられますが、本書は、闘いの現場でがんばっている
「叛逆老人同志」への熱きエールです。
たんぽぽ舎をはじめ、「経産省前テントひろば」、
「さようなら原発」、「国会前行動」、「大間」、「辺野古」、
「高江」、「石垣」などが登場。
「こんなひどい政治には黙っていられない!」と思う一人ひとりが
この本の主人公です。
権力への批判はめっぽう鋭く、しかし叛逆老人たちの年齢を
突き抜けた強味は敬意とユーモアを込め描く鎌田さん。
なんだか元気の出る1冊。ぜひご一読ください。
『叛逆老人は死なず』(岩波書店、1900円+税)
こちらもご参照下さい。
https://www.iwanami.co.jp/book/b487923.html
反原発や集団的自衛権反対、沖縄辺野古基地反対などの集会やデモに参加しても若い人の参加が少ないことにいたずらに嘆くことが多いこの頃です。そんな私達をぴしゃりとたしなめてくれるのが鎌田さんです。
「若者がいない」と言ってもはじまらない。いまの若者の空白には、六〇年安保世代やそのあとの全共闘(団塊)世代など、戦後民主主義を食いつぶした者の責任がある。つぎの世代につなげる努力を怠ってきたのだ。(はじめに)
秘密保護法、周辺事態法、集団的自衛権容認など、あたかも戦前の治安維持法下の亡霊が彷徨っているような、戦争に傾斜するグロテスクな時代を招くに至ったのは、われわれ老人が、平和の恩恵のなかに安閑と暮らしてきたからだ。
その罪を思えば、すこしぐらい身体にむりをさせても、若者不在の空白を埋めなければならない。一緒にデモにでていた同世代の仲間が、姿をみせなくなり、やがて訃報がくる。しかし、広場や街頭に若者たちがまた姿をあらわすまで、それまでが反逆老人の役割なのだ。(同)
ぐうの音がでないとはこのことです。今まで私は何をしてきたのかが問われているのです。
鎌田さんは他人に対してだけ厳しい方ではありません。あのフクシマ3.11が起きたときに、自分は今まで原発に何をしてきたのかを鋭く問うたのが鎌田さんでさようなら原発運動を主導したのでした。そうした人のことばには説得力があります。
では、本の内容、構成を見てみましょう。
●『反逆老人は死なず』鎌田慧、岩波書店(出版書誌データベースより)
〔ソデ〕デモに行っても「老人」ばかり。それでもいいじゃないか。もう後もない年齢.何を恐れることがあろう。軍備に金をつぎ込み,人は切り捨て。そんな安倍政権では孫・子のいのちがおびやかされる。八〇歳超のルポライターが,安保法制,沖縄,原発,冤罪,労働など,いのちのために闘う 誇り高き叛逆老人同志に贈る熱いエール。
〔目次〕
はじめに
Ⅰ 叛逆老人は今日も行く
叛逆老人は今日も行く
戦前を知る叛逆老人たちの覚悟
森友・加計問題からの逃げは許さない
Ⅱ 沖縄は基地をつくらせない
やんばるの森の視えない戦争
オスプレイ墜落と高江の森
ミサイル基地にされる沖縄・南西諸島
「叛逆知事」翁長雄志の遺言
ステルス選挙 vs 市民選挙
玉城デニー知事に聞く沖縄の針路
Ⅲ 亡国の原発政策
生ぎろ東北!――原発事故から八年目の被災地を歩く
鉱毒と核毒――明治を模する「富国強兵策」の愚
原発マネーで壊れた男の半生記
再処理工場廃棄宣言
シジミ貝たちの見る夢
原発の跡で
Ⅳ 死刑大国の好戦内閣
死刑大国と戦争願望
無実の死刑囚・袴田巖
三鷹事件再審請求棄却判決の誤謬
永山則夫未完の連続射殺事件
丸山議員「戦争」発言の背景
Ⅴ 叛逆老人列伝
石牟礼道子――「小さな命」の仇討ちに賭けた生涯
上野英信――ある記録文学者の家庭戦争
林えいだい――孤高の作家・記録の鬼
むのたけじ――気骨のジャーナリスト
わが友 石川文洋
あとがき
初出一覧
この本の素晴らしいところは、固有名詞が続々と登場するところです。さすが一流の足で書くルポライターです。だから文章に説得力があります。
Ⅴ 叛逆老人列伝の「上野英信―ある記録文学者の家庭戦争」は秀逸です。評伝文学にも定評のある鎌田さんならではの琴線に触れる文章でした。
早速この本をたんぽぽ舎のメルマガで取り上げた方がいました。共感多々!
┏┓
┗■3.鎌田 慧さんの新著
| 『叛逆老人は死なず』(岩波書店)が刊行されました!
| 「こんなひどい政治には黙っていられない!」と思う
| 一人ひとりがこの本の主人公
└──── 大山美佐子(叛逆老人にあこがれる中年)
御年81歳の鎌田慧さん。原発や基地問題で全国を駆け回って
おられますが、本書は、闘いの現場でがんばっている
「叛逆老人同志」への熱きエールです。
たんぽぽ舎をはじめ、「経産省前テントひろば」、
「さようなら原発」、「国会前行動」、「大間」、「辺野古」、
「高江」、「石垣」などが登場。
「こんなひどい政治には黙っていられない!」と思う一人ひとりが
この本の主人公です。
権力への批判はめっぽう鋭く、しかし叛逆老人たちの年齢を
突き抜けた強味は敬意とユーモアを込め描く鎌田さん。
なんだか元気の出る1冊。ぜひご一読ください。
『叛逆老人は死なず』(岩波書店、1900円+税)
こちらもご参照下さい。
https://www.iwanami.co.jp/book/b487923.html