後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔675〕「6つある図書館を2つにする」という清瀬市政。お笑い劇場はまだまだ続きます。

2024年03月30日 | 市民運動

 2つ前のブログの続編です。
 もう2年になるのでしょうか、前市長が亡くなられて市長選挙が行われました。もう保守市政はご免だと立ち上がった人たちが、「みんなが主役」市民の会を立ち上げました。リベラルで革新的な市政にしようということで、池田いづみさんを担ぎ上げました。残念ながら当選はなりませんでしたが、会は存続しています。
 2月21日、図書館の閉館を撤回する要望書を市長に出しました。その要望書とチラシを読んでください。
 澁谷市政の暴挙の1つに立科山荘を廃止するということがありました。市所有の立科山荘は子どもたちの移動教室や市民の憩いの場として親しまれていました。これをなくそうというものでした。2つ前のブログに付け加えてください。


〔674〕蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展「漆LABO Vol.1」(あきる野市・龍珠院)開催です!

2024年03月30日 | 美術鑑賞

 

  春ですね。こんなお知らせが届きました。

■蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展「漆LABO Vol.1」のお知らせ

古より日本に根付く漆の文化 
そんな漆に魅せられて
蒔絵を学ぶ仲間たちが
春の花に誘われて 龍朱院へやってまいりました

私たちの習作を 少し覗いていきませんか?

日常の彩りとなるような成果物も少々ご用意しております

どうぞお気軽にお立ちよりください


●「漆LABO Vol.1」
蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展

会期:2024年4月6日(土)~8日(月) 10:00~16:00
開場:龍珠院 本堂横の書院にて
東京都あきる野市乙津1422

アクセス: 武蔵五日市駅からバス
養沢方面行「乙津花の里」バス停下車徒歩13分
檜原村方面行「荷田子」 バス停下車徒歩約10分

☆臨時駐車場あり

各種イベント同時開催
・4月7日(日)トワイライトヨガ
・4月8日(日)花まつり

龍珠院は桃源郷ともいうべき、桜の名所としても有名な人気のスポットです。
4月8日はお釈迦様の誕生日を祝う花まつりが開催される最高の季節です。
どうぞこの機会にお誘い合わせの上ご来院ください。
メンバー一同楽しみにお待ちしております。

#龍珠院
#漆工房皎月 
#蒔絵


〔673〕これは事実です。清瀬市は地域の図書館を4つもなくす決定! 澁谷市政の暴挙の数々…

2024年03月29日 | 市民運動

 2024年3月15日、清瀬市・総務文教常任委員会は朝10時の開会でした。市役所4階の委員会室は傍聴30席はいっぱいで、入りきれない人も2,30人はいたでしょう、彼らはロビーのモニターを注視していました。
 これだけの注目を集めたのは、この日、地域の図書館6つの内4つもなくす方針を採決するからでした。この暴挙に対する反対で多くの市民が傍聴に詰めかけたのです。
 市の方針に反対する「日本共産党清瀬市議団ニュース」の裏表を参考にしてください。

 市の主張は、この1年で図書館の本を借りたことがある市民は13%、利用者が少ないので、図書館を整理し、それを補うのに本の宅配サービスをするというのです。
  ちょっと想像力を働かせれば、この論理の破綻は明らかです。通常図書館カードは複数回使用するのが通常で、しかも家族で使用する場合も当然あるでしょう。そう考えれば、13%は果たして少ない数字なのでしょうか。
 そしてなにより問題なのは、図書館をなくすことによって地域の人々が集う場が減少するということです。私は時々、松山の中央図書館に世界の美術全集を閲覧に行くのですが、その部屋には学生など多くの市民が熱心にメモをとり、学習する姿が見かけられます。1階では子どもたちが自由に絵本を読むスペースがあり、他方お年寄りたちの雑誌を捲る姿が頻繁に見受けられます。

 図書館が無くなるということは、人びとが集まるつどいの場、文化の拠点が失われるということです。さらに、そこに勤める職員は職を失うことになるということです。
 宅配サービスは昨今様々な視点から問題点が指摘され続けています。配達員の労働強化がマスコミで取り上げられています。宅配サービスはあくまで補助的に活用した方が良いのです。この宅配サービスに市は1億円を用意すると言います。
  市は図書を整理し、その1割を廃棄するようです。
 4館廃止の市の方針は昨年12月議会後に、市の予算決算に賛成する会派だけに知らせられ、それに反対する日本共産党(4議員)と一人会派「共に生きる」ふせ由女議員には知らせられなかったということです。

 総務文教常任委員会は、原田ひとみ議員(日本共産党)の奮闘むなしく、清瀬自民クラブ、公明党、そしてあろうことか宮原りえ議員(風・立憲・ネット)までも賛成にまわったのでした。

 そして、昨日・2024年3月28日、全議員出席の本会議。やはり傍聴席約30は満席、ロビーでもかなりの人が詰めかけていました。
 原田議員の反対討論が見事でした。小冊子にして配布してもらいたいと思わせる、渾身の内容でした。初めて肉声を聴く松本潤議員(風・立憲・ネット)、小西みか議員(風・立憲・ネット)も充分説得力ある、反対討論。ブログでたびたび紹介してきたふせ由女議員は現代の焚書坑儒と痛烈な批判を繰り出しました。
 賛成意見は清瀬自民クラブと公明党、さらに議決延長動議に賛成した石川秀樹議員(無所属の会)もなぜか賛成。それぞれ市の説明が足りないなどと注文は付けたものの、結局は賛成表明でした。
  委員会では賛成だった宮原議員がなぜか反対に回りました。摩訶不思議。

 さあ、こんな暴挙は許せません。やられたらやり返せ! まずはブログと駅頭行動です。

 澁谷桂司市長になってから約1年半、おかしなことが山ほどあります。とりあえず項目だけ書いておきましょう。

■澁谷桂司清瀬市政の問題点・疑問点 -経費削減の名の下に-

 澁谷市長8つの顔写真掲載(市報きよせ 2024.3.15)、市政方針演説の顔写真は良いけれど、各種表彰者と一緒に写真をその都度入れる必要はありますかね。(ちなみに教長長は2枚の顔写真)

〔学校教育関連〕
●給食の無償化問題(朝日新聞2024.3.10)
・23区すべて、15区市町村(全体の7割)、清瀬市未実施、多摩市も無償化を決断しました。(阿部裕行市長)
●学校プールの廃止(2023.2 清瀬市立学校における水泳指導基本指針)
・令和5~7年度、市内小中14校のプール全廃、水泳授業は民間プール施設(セントラル、所沢スポーツなど)で行う。使用料の問題。子どもが待っている夏休みのプールはどうなるのか。
●清小と八小の統合は?  とりあえず延期だけど。学校の適正規模に対する考え方の間違いがあるのでは。
●学校などの公共施設の使用(当面体育館など、ゆくゆくは校庭も?)
・令和7年度より使用料(1時間850円)…受益者負担と言うけれど。そもそも学校は税金で設立。図書館の利用料は? 清瀬に公民館はないけれど。
・電気・空調代を徴収!
 
〔社会教育関連〕
●図書館の廃止(3.15 総務文教常任委員会)
・6箇所から2箇所に縮小、駅前図書館と南部図書館(中央公園内に新設)
・市からの提案連絡12月議会後、なぜか日本共産党と「共に生きる」にはなし。3月議会で初めて知る?
・宅配サービスの導入、経費削減は2000万円程度
・地域コミュニティの拠点としての図書館の喪失

●消費生活センター…アミューへの統合(5階)、建物はどうなる?
●地域市民センターの簡素化
・証明書発行などの事務は停止、会合などは?
●せせらぎの家の閉鎖。かつてはお茶席などで市民が利用。
●立科山荘閉鎖

  最後に鎌田慧さんのコラムをどうぞ。

◆原発依存に終止符を
  原発は公共の福祉に反する
                    鎌田 慧(ルポライター)

 デモが出発する頃には小雨もやんでいた。20日の東京・代々木公園で
の「さようなら原発」集会も、デモ開始のときには雨はやんだ。東京集
会は6千人、23日の仙台集会は千人が集まった。
 能登半島を襲った巨大地震は、原発事故が発生したらどこにも逃げら
れない現実を突きつけた。フクシマから13年がたって、また新たにあら
われた原発の恐怖だ。

 三陸海岸牡鹿半島にある東北電力女川原発2号機は、辛うじて事故を
免れた「被災原発」であり、「老朽原発」だ。フクシマ以来、休止して
いたが9月頃に再稼働させる、という。
 爆発を起こした福島原発とおなじ「沸騰水型」。このあと、おなじ沸
騰水型の「柏崎刈羽原発」を再稼働させたい東京電力の欲望がある。

 東北電力は再稼働によって年間800億円の燃料費を削減できるとして
いる。
 しかし、事故の危険性ばかりか核廃棄物の最終処分場、中間処分場さ
え見通しはまったくない。経営の「業績回復」のために危険を顧みない
のは人間としてやってはいけないことだ。

 政府は企業に利益を追求させるばかりでなく「生命、自由及び幸福追
求に対する国民の権利について」「最大の尊重」を必要とする。
 原発は公共の福祉に反する。
 フクシマの現実を見よ。仙台集会で、わたしは「白然エネルギーが静
かに電気をつくる、平和な社会が絶対に来る」と言った。
         (3月26日「東京新聞」朝刊23面「本音のコラム」)


〔672〕我らがマティアス・ヴェニガーさん、ついに朝日新聞「グローブ」に登場! しました。

2024年03月25日 | テレビ・ラジオ・新聞

  昨日、2024年3月24日、このブログでも数回紹介してきたミュンヘン・バイエルン国立博物館の研究者、マティアス・ヴェニガー(博士)さんが、朝日新聞「グローブ」でその活動を紹介されました。
  「グローブ」は月2回、発行されます。以前本紙とは別に製本されていましたが、今は本紙に組み込まれています。昨日号で299号になりました。
 
  ところで、ヴェニガーさん(新聞ではウェーニガーとなっているが ヴェニガーが正しい)はミュンヘン近くのフライジングにお住まいです。自宅に招待していただいたこともあります。ここ数年、ドイツに行くたびにご夫婦共にお目にかかっています。ドイツの研究者のなかでは、最も親しくさせていただいていて、福田緑の写真集第Ⅳ巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』の巻頭言もお願いしました。また彼は写真家でもあって、この巻ではエラスムス・グラッサーの写真を数枚掲載させていただいています。

 さて、ヴェニガーさんは毎日新聞の電子版でもその活動が掲載されたことはこのブログで紹介済みです。
 今回の「グローブ」は、ナチスドイツの犯罪を追求する「ナチハンター」の特集です。ここには今もなお、戦争犯罪を問い続ける数人のドイツ人が登場します。戦争責任を曖昧にしたままの日本との格段の差異を感じない訳にはいきません。
  我が家の保存版にしたいこの特集のなかで、ヴェニガーさんのナチスが奪った銀製品を持ち主に返す活動が紹介されています。博物館に置かれていた111点のうち半数は持ち主に返したといいます。今年中にはなんとか終了させたいとも書かれています。
 世界中を飛び回って、こうした地道な活動を展開するする知人を、私たちは畏敬の念を持ってお付き合いさせていただいています。2025年秋には再会なるでしょう。


〔671〕矢部顕さんの「倉敷東小学校の劇発表と映画鑑賞」まずはじっくり読んでください。久しぶりに秀逸な演劇教育の実践に邂逅しました。

2024年03月23日 | 学校教育

 足の手術で入院されている矢部顕さんからお電話がありました。「倉敷東小学校の劇発表と映画鑑賞」を映画監督の宮﨑賢さんがDVDに落としたというのです。その顛末を伝える矢部さんの手記と合わせてご覧ください。
 実践された倉敷東小学校の担任の先生と校長先生、宮﨑監督と矢部さんにスタンディングオベーションを贈ります。素晴らしい!

■倉敷東小学校の6年生が映画「NAGASHIMA」を ... - YouTube

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3D7lcQT2L8F5c&ved=2ahUKEwiljI_A2ImFAxUNplYBHXJgCqA4ChC3AnoECAsQAg&usg=AOvVaw1BJzv7vOkWsN4VweyuGPin

 

                        倉敷東小学校の劇発表と映画鑑賞

                                                                        矢部 顕
●小学生の劇発表 
 小学校の劇発表を観に行った。2023年11月25日(土)のこと。考えてみれば、ワークホリックだった私は、我が子の小学校の劇の発表さえも観たことがない。現役の時は民間の教育団体で働いていたので、仕事柄数えきれないほどの子どもの劇発表を観てきた。講評さえもしてきた。
 倉敷市立倉敷東小学校の文化祭(小学校でも文化祭という言い方があることを知った)が体育館で行われていて、保護者に混じって観劇した。劇発表プログラムにはこう印刷されていた。
   劇「つなぐ」 6年 14:05~14:40 
   ハンセン病療養所のある瀬戸内市長島と本土をつなぐ邑久長島大橋(通称「人間回 
   復の橋」)が開通してから今年で35年。6年生の子どもたちが、ハンセン病問題学
   習を通して差別の歴史を学び、新型コロナウイルス感染症や身の回りの差別問題と
   のつながりに気づくお話です。小学校生活最後の文化祭、ポジティブに頑張ります。

●劇発表までの道のり
 わざわざ劇を観に行ったのは、以下のような経緯があったからである。
 私は数年前から、我が家の裏山にある戦国時代の城跡でプレーパーク(冒険あそび場)を開催している。その縁で知り合い、プレーパーク活動のご指導をいただいているNPO法人岡山市子どもセンターの理事長から電話があった。「息子が小学校の教師をしているんですが、その息子と会っていただけませんか? いろいろ教えてほしいことがあるようですので」。教えてほしいこととはハンセン病のことについてだった。なんで私がハンセン病について? 多少かかわっていたけど、そんな話題をした記憶はほとんどない。息子さんによると「児童演劇のことをされていたし、ハンセン病のことをよく知っている人だ」と聴いたらしい。
 お会いしてお話しした先生は、倉敷東小学校6年担任の美咲 諒さんだった。8月に参考になるだろう資料をお渡しし、9月に長い時間お話した。
 彼の話は以下のようなことだった。
 昨年(2022年)8月、倉敷市の人権研修としてハンセン病療養所長島愛生園で歴史館や収容桟橋を見学。園長や学芸員の話を聞いた。恥ずかしながらほとんど知識がなかったので衝撃を受けたと同時に、コロナ禍で起こった差別とのつながりを感じたそうだ。次年度の文化祭のテーマにしたいと思ったとのこと。
 2023年度、6年生の担任に決まり、ハンセン病の劇をしようと決め、”長い歴史のある問題だから絶対に台本があるだろう”と探した。県立図書館、インターネット、大型書店などで児童演劇の脚本を調べたが全く見つからない。しかたないので自分で脚本を書くことを覚悟し、ハンセン病関連の本を読んだり、映画を観たりしているところだった。ご自分で書かれた脚本も読ませていただいた。子どもが自然にこのテーマに入って行けるだろう身近な話題から始まっているのに好感が持てた。
 10月になって、子どもたちに脚本を配り練習をスタートさせて、11月25日の文化祭での発表を迎えた。
 コロナ禍で3年間以上マスクをつけていた日常生活のなかで、子どもたちの発声の力とかコミュニケーション力が相当に落ちているだろうという私の予測に反して、35分間がんばっていた。
 観ていたたくさんの保護者にも訴えかける力があったのだろう「知識もまったく無かった。親も学んでいきたい」との声が多くあったと聞く。また、実際に子どもと長島に行ったという方が数件あったとのことで、熱心な家庭があることに驚いた。

●”やりっぱなし”で終わってしまうことに罪悪感
                      邑久高校での上映会からひらめいて倉敷東小学校でも
12月8日に、岡山県立邑久高校でドキュメンタリー映画「NAGASHIMA―”かくり”の証言」(監督・宮崎賢)の上映会が開催された。
邑久高校では「地域学」の取り組みが6年前からなされていて、地域の文化、歴史、観光、産業、福祉、医療などなどのテーマに分かれて、グループごとに探求学習をしている。医療看護グループは、ハンセン病療養所が地元瀬戸内市内にあるのでハンセン病問題に取り組んでいる。このテーマで私も外部講師として最初から関わってきた。
 昨年度に引き続き、生徒たちがこの映画を観て感動し、多くの人に観てもらいたいと上映会を主催したのだった。この次第を宮崎監督がYouTube にアップした。
 それを観た美咲先生は、倉敷東小学校でもやりたいと思った。劇発表は子どもたちの心に残るものとなったが、どこかで”やりっぱなし”で終わってしまうことに違和感や罪悪感のようなものを感じていたからだという。さっそく校長に相談したところ、すぐに前向きの返事をもらい、予算も付けてもらえることになった。この校長の決断力も素晴らしい。
 そして、2024年2月7日、小学校の授業時間に上映会が開催された。観客は6年生の児童78名、そしてその保護者を限定とした上映会だった。会場は体育館でなくて、学校のすぐ近くの公民館だった。公民館とはいえ固定席の立派なホールでの上映で、少しでも良い環境で子どもたちに鑑賞させたいという先生方の配慮が感じられた。
 上映会の最後に、映画で証言していただいた長島愛生園の女性の入所者さん(86歳)から子どもたちへのメッセージの手紙のサプライズがあった。美咲先生が手紙を朗読して終わると、児童たちから大きな拍手が湧き上がった。


●矢部から美咲先生への上映会のお礼と返信
美咲 諒 様 
 美咲先生におかれましては昨日の上映会はお疲れさまでした。
 わたくし自身は、倉敷東小学校の上映会に参加の機会を得て、あのような場面に立ち会うことが出来て、たいへん嬉しく思いました。
 宮崎監督さんと、帰りの車中で以下のようなことを話しました。
 小学校の児童のみなさんに、この映画を見る機会をつくっていただいた美咲先生の行動力に感激しきりでした。この映画が小学校で上映されることなどまったく想定していなかったからです。それを後押ししてくださった校長先生にも頭が下がります。 
 2時間近い長時間のこの映画を、子どもたちが一生懸命に観ている様子も感動的でした。
単なる鑑賞会でなくて、つい最近に自分たちが演じた劇の登場人物とも重ね合わせて映画の中に入り込んでいるのだろうと想像いたします。
 劇の発表に続いての、このタイミングのよい鑑賞会は、子どもたちの心に刻印される得難い人権学習となったことと確信します。
 「勉強」ということばは、「強」いられた「勉」め、という感じがあります。そうではなくて、劇表現や映画鑑賞は、「ことば」と「身体」と「こころ」の三位一体での学びだったとの印象をもちました。卒業を前にしての、子どもたちのなかに、6年生の最後のすばらしい学びの記憶となることを信じて疑いません。 
 何人かのお母さま方も、子どもとともに学べたことを興奮気味に語っていました。子どもも親も、共に育つ共育の場になっていたことに感動します。これこそ、ほんとうの教育と言えるのではないでしょうか。 
 この度の上映会を開催していただき、映画製作実行委員会のメンバーとしても嬉しく思います。ありがとうございました。
                                                       2024.2.8.
                                                                       矢部 顕


矢部様
 お忙しい中、来ていただき本当にありがとうございました。
 身に余るお言葉をありがとうございます。
 矢部さんと母を通じて繋がることができ、矢部さんから宮﨑監督との出会いをいただきました。劇を作るという無謀な挑戦を乗り越え、映画の上映会まで辿り着けたのはひとえに矢部さんのご協力あってのことです。
 子どもたちや保護者は大きな学びを得て、ハンセン病問題や人権問題に対する種が植えられたと思います。
 そして、一番大きく学んだのは私自身です。本当にありがとうございました。
                                   2024.2.8.                                             美咲 諒

●映画を観た子どもたちの感想から
 いくつかの感想文からの抜粋。
「劇を演じてみたけれど、あらためて映画を見て、知らなかったことの多さに気が付きました」。
「かわいそうと思うのではなくて、差別や偏見があるなかで、強く生きてきた人だと
思い、すごいと思うべきだとあらためて分かりました」。
「この体験を忘れず、次の世代につなげていきたいと思いました」。
「ひとりの人間としてあきらめなかった姿をみて心にくるものがありました」。
「一番びっくりしたのは、らい予防法は憲法に違反していて、それを認めるまでの何十年もの時間、人間として扱われてこなかったということです」。
 こうやって書きだしていけばきりがないほどで、ほとんどの感想文が問題の本質を理解し、文章での表現力のレベルの高さに驚く。劇を演じたこと、そして、その後の映画鑑賞が、心の奥底に深く入っていったことがよくわかる。教科書で学ぶ知識よりも、より深く心と身体に沁みこんでいったことが伺われる。劇を発表したのちに映画を観るという順序がよかったせいで、感想文の多くが劇との関連にふれていた。劇を創り上げるプロセスが子どもたちの映画を観ることへのレディネスになったことがよくわかる感想文だった。
                                                                    (2024.2.25)


〔670〕清瀬市議・ふせ由女の「ゆめ通信」(2024年、冬・春号、38号)が発行されました。

2024年03月23日 | メール・便り・ミニコミ

 通常年4回、議会ごとに発行されている清瀬市議・ふせ由女の「ゆめ通信」が発行されました。ほぼ9年間で38号ということになりました。議会での一般質問の様子や、ある方のご子息の過労死裁判の手記など読み応えある内容です。
 本号の特筆されるべき記事は、地域で地道に繰り広げられている映画界の報告です。横浜と東村山、それぞれの粘り強い取り組みが居心地の良い時間と空間を創り出しています。是非拡大してご覧ください。

 ふせ由女を日頃から支援していただいている鎌田慧さんのコラムもじっくり読んでください。


◆カネまみれの世襲政治
    自公政権は墜落寸前=内閣は不支持率82%、自民党支持率16%
  沈思実行(184)              鎌田 慧

 この世を得体の知れないモノが蠢いている。それを感じさせられて気
分が悪い。
 日本の政治を支配しているのは「自由民主」と「公明」という名の政
党だが、すでに「自由・民主・公明」などは、退散して、抜け殻に
なってしまった集団だ。
 金権、買収、不正、歪曲でいっぱいだ。

 宗教団体(旧統一教会)から選挙での推薦状をもらっていた盛山文部
科学大臣。「憲法改悪」まで言及した「確認書」にサインまでしながら、
醜いウソ答弁ばかり。その汚れた手で裁判所へ、宗教団体の「解散命
令」請求書にサインまでしていた。

 この腹黒い政治家の名前は「正仁」。
 と、悪口をいいたくなるほど、国会議員に当選するためなら、なり振
り構わない二重人格。彼が所属する自民党は、ロッキード事件やリク
ルート事件など、カネが政治を動かす「企業献金」に縛られる政治はも
うやめよう、と決め、その代わりに「政党助成金」制度をつくった。
 ところが、いまは両手に政治献金と政党助成金を握っている。政治献
金、カネ集めのパーティー券販売。さらに、年間159億円にも達する政
党交付金(我々の税金だ)。

 そして、内閣官房機密費(9660万円)を使い放題。松野博一前官房長
官が退任する直前、4660万円を自分が管理する金庫にちゃっかり納入し
ていた。

 二階俊博・元自民党幹事長は、パーティー券の裏金で、2020年から
2022年の3年間に3500万円分も書籍を購入したという。それらは、自分
の記事が掲載された雑誌「月刊日本」3千部のほか、「月刊公論」2千
部、大下英治氏の書籍を1万2千3百部。大仲吉一氏7千部など、自分
について書かれた書籍だが、もしも選挙民に無料配布していたなら、贈
答品で買収に値する。

 いまや、内閣不支持率82%、自民党支持率16%。
 (毎日新聞、2月19日)。
 自公政権は墜落寸前。子孫のためだけの世襲政治と乱脈極まる長期政
権の末路だ。
 大企業優遇、非正規労働者いじめ、危険原発の推進。
 財界(経団連)支配の悪政を許してきたのは、残念ながら、われわれ
選挙民なのだ。        (2024年3月6日「週刊新社会」より)
             
 ◆超少子化の時代
    出生率が下がったのは、現在の生活、将来の生活が不安定だから
              鎌田 慧        沈思実行(185)

 韓国の出生率が0.72。驚くべき水準だ。世界最低水準、という。それも
8年連続で前年を下まわった。報道された数字を知って、ほとんどの
ひとが日本を対置して考えたと思う。子どもをつくらないのは、経済的
に苦しいか、「将来への漠然たる不安」があるからだ。おそらく、若もの
たちが感じる将来への不安は、日韓おなじようなものだと思う。
 というのも、わたしたち(60年安保世代)あるいは70年代全共闘世代、
いま80代、70代の周辺は、明日の生活のことを思い煩う必要はなかった。
大企業志向はなかった。就職であせるのは恥ずかしい。どこかで食べて
行ける、と言う楽観があった。
 それは高度経済成長時代にあたっていたからだ。たとえば、臨時工
(臨時職員)の本工化(社員化)運動は、高度成長期前からあった。
それは達成された。
 が、1986年に労働者派遣法が施行され、派遣事業が認められた。まも
なく工場労働者の派遣が合法化され、非正規時代となった。

 暴力団由来の「人夫出し」を合法化したのが「派遣法」だった。その
法律の下で、臨時工が大量に復活、いま「非正規」が40%、という不安定
時代を招来するようになった。
 出生率が下がったのは、現在の生活ばかりか、将来の生活が不安定だ
からだ。男女ともに職場が安定せず、賃金が上がることなく、いつ解雇
されるか判らない。そんな身分不安定な状態では結婚できず、結婚した
にしても、子供を産んで育てられる状況にはない。それが現実なのだ。
 晩婚化、非婚化は本人の好みや流行ではない。それでいて、大企業は、
未曾有の内部留保を抱えてウケに入っている。
 韓国では、今年1年生の入学者がいない小学校が、全国で150校になる、
という。ソウルにある大企業への就職にむけて、子供の頃から競争が
激しい。生き残るためだ。日本でも塾に通い、公立の学校から私立
有名校にむかう競争が激しくなっている。
 それらはけっして豊かさのあらわれではない。「出世」でしか、
生き残れない社会は、貧しさの現れである。
        (2024年3月13日「週刊新社会」より)


〔669〕雨のち晴れの「3.20さようなら原発集会」。澤地久枝さん(90代)、鎌田慧さん(80代)、落合恵子さん(70代)はじめ6000人参集!

2024年03月22日 | 市民運動

*今集会は4種類のステッカーでした。

*裏にはそれぞれプログラムが印刷されています。

*原宿から代々木公園に向かう道々、チラシを20組ほどもらいました。

 2024年3月20日、代々木公園に着いたのは午後1時を少し回った時でした。オープニングライブの松元ヒロさんがステージに上がっていました。相変わらずの乗りの良いトークに会場が大いに沸いています。しかしながら、途中で冷たい雨が降ってきました。座ったまま傘を広げて耐えていましたが、さすがに窮屈です。途中でトイレに立った後は、多くの人が立ちながらの集会参加でした。
 澤地久枝さん(90代)は今年も杖をつきながら駆けつけてくれました。鎌田慧さん(80代)は最後までデモの先頭に立って歩き続けられました。落合恵子さん(70代)の歯切れ良いコメントを繰り出します。

*小さく写っているのが澤地久枝さんです。

*ルポライターの鎌田慧さんです。

 そして、全国各地の反原発・脱原発団体によるアピールが続きます。詳しくはプログラムを参照してください。
 ブース出展は24団体、キッチンカーも出動して賑やかです。

 3時から2つに分かれてデモ行進です。我々3人組清瀬隊は短い方の渋谷コース1.3㎞を歩きました。副都心線で清瀬まで戻ってきてビールで乾杯! ご苦労様でした。
  清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会のメンバーは合計5人、叛逆老人はまだまだくたばりませんよ!

◆坂本龍一さんも大江健三郎さんもいないけど…「事故から13年、脱原発をあきらめない」代々木公園で集会(東京新聞、2024年3月20日 19時14分)

 昨年亡くなった作家の大江健三郎さんや音楽家の坂本龍一さんらが呼びかけた「さようなら原発」運動の全国集会が20日、東京・代々木公園で開かれた。主催者発表で約6000人が集まり、一時雨が降る中、脱原発を訴え、集会後は周辺をデモ行進した。

「さようなら原発」全国集会で反原発を訴え、プラカードを掲げる参加者たち(写真略)

 東京電力福島第1原発事故直後の2011年6月、大江さんや坂本さん、21年に亡くなった瀬戸内寂聴さんら9人が呼びかけ人となって始まった。原発のない社会を目指し、署名や集会などを続けてきた。
 20日の集会では、大江さんらと共に呼びかけたルポライターの鎌田慧さん(85)が登壇。「大江さんも坂本さんも瀬戸内さんも亡くなった。ここまで頑張って13年がたったが、まだ原発はある」と述べ「あきらめずに声を上げて廃炉、脱原発に向かっていきたい」と力を込めた。

反原発を訴えデモ行進をする人たち(写真略)

 能登半島地震被災地の石川県珠洲(すず)市で、かつて「珠洲原発」の建設を止めた住民運動に関わった元市議の北野進さんも参加。「原発ができていたら(今回の地震で)奥能登が被ばくしていたかもしれない」と危険性を訴えた。(岡本太) 

 ◆3月の脱原発行動
  3.15(金)「原発いらない金曜行動」、
  3.20(水・休日)「さようなら原発集会」、
  3.23(土)「Stop!女川原発再稼働」集会

                                   鎌田 慧(ルポライター)

 福島原発事故。昨日で13年たった。それでも「帰還困難区域」と言い
換えられている「立ち入り禁止区域」は、福島県内にまだ7市町村も
残っている。住民登録する人の数に対する居住者の割合は、第一原発の
立地地域の双葉町は2%、大熊町は6%。隣接していただけなのに浪江
町は14%。
 「原発さえなければ」と牛舎の板壁に書き遺して自死した、54歳の酪
農家の無念さをわたしは時々想い起こす。
 いま平然と原発促進を唱える岸田文雄首相は、彼の死をどう思うのだ
ろうか。いまだ事故後の「緊急事態宣言」下にあるにもかかわらず「原
発回帰」を掲げる首相の無責任と暴政は許しがたい。

 13年たった11日(月)タ刻、内幸町・東電前での抗議行動があった。
 わたしも参加。10万年もの未来に危険を与え続ける核廃棄物の始末を
解決できない原発は、いますぐ停止すべきだと訴えた。
 3月15日(金)午後6時30分から、首相官邸前で「原発いらない金曜行
動」がある。
 このほかに参加するのは20日(水・休日)午後1時、代々木公園で「さ
ようなら原発集会」。落合恵子さん、澤地久枝さん。福島の東電刑事告
訴団、女川原発、志賀原発、東海第二原発反対運動や環境・エネルギー
団体の若い活たち。23日(土)午後2時、仙台勾当台公園で「Stop!
女川原発再稼働」集会。脱原発は必ず成功すると訴えたい。
                (3月12日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔668〕押絵って知っていますか?  「伯峰流 押絵二人展」(有楽町)に行ってきました。

2024年03月21日 | 美術鑑賞

 昨秋のことでした。仲良しドイツ人夫婦2組が我が家に一週間ほど滞在しました。その間に色々楽しんでもらおうという企画の1つに書道体験がありました。友人の紹介で先生にお願いしたのが柏原嘉子さんでした。ドイツ名を漢字に当てはめ、それを4人に筆で書いてもらったのです。真剣に取り組んだドイツの人たちには大好評でした。
 その柏原さんから今年になって 「伯峰流 押絵二人展」の案内をいただきました。

 

 ところで、押絵って知っていますか? 
 「押し絵」を辞書で引いてみました。
*「押(し)絵」花鳥・人物などの形を厚紙で作って色色な布で包み、中に綿を入れて高低をつけ、物にはりつけたもの。」「押(し)絵羽子板」『岩波国語辞典』第五版

 ドイツ4人組が到着してすぐに、我が家の中2階に案内しました。そこにたくさんの押絵を並べおきました。遠藤春翠さんの遺作でした。廃棄するには忍びないということでいただいたものでした。彼らに好みの押し絵をプレゼントしました。

 今回の「伯峰流 押絵二人展」は柏原嘉子さん(作者名、柏原春光)と遠藤春翠さんの二人展だったのです。お二人の先生の佐伯春峰さんの作品も2点鑑賞できました。
 会場は有楽町のシルバーサロンです。
  アットホームな会場で、ゆったりと丁寧に柏原さんから解説をいただきました。1つの作品作りに数ヶ月かけるということです。ただただ感心するだけでした。

 


〔667〕祝出版!『日本の嫌煙権運動45年史-「きれいな空気を吸う権利」を求めて』(渡辺文学、花伝社)

2024年03月18日 | 図書案内

 まさに「きれいな空気を吸う権利」という「嫌煙権」運動の屋台骨を背負ってきた渡辺文学さんの『日本の嫌煙権運動45年史』が、今年の1月末日に発刊されました。私にとっては珍しくこの新刊を早速池袋のジュンク堂で購入してきました。すぐにでも手にしたい理由があったのですが、それは後程。
 「嫌煙権」はコピーライターの中田みどりさん(我が家にもたびたびみえて、彼女から可愛い猫ちゃんを引き取ったことが2回あります。)の造語で、1978年「嫌煙権確立をめざす人びとの会」の旗揚げが嫌煙権元年になったようです。
 1980年、国鉄と国(厚生省)、専売公社を相手取って、東京地裁に「すべての列車の半数以上を禁煙に」と提訴したのが「嫌煙権訴訟」です。(弁護団長、伊佐山芳郎氏)その訴訟に私の連れ合いが4人の原告の1人として参加していました。教員ということもあってか、原告代表ということで口頭弁論なども任されたようです。そのくだりを渡辺さんが書き記してくれました。表記は「福田緑」が正しいのですが。

 「第一回目の口頭弁論は六月一六日に行われました。この日、原告を代表して福田みどりさんが陳述を行いました。福田さんは、広島の友人の結婚式に招かれた際の、「ひかり号」で周囲の男性のタバコで眠りを妨げられ、健康を侵されたこと、非喫煙者、特に子どもたちや妊婦が受動喫煙を受けないで旅行ができるよう、せめて二両に一両は禁煙車を設けて欲しいと切々と訴えました。」(52、53頁)


 
 

    この時のテレビ放送を私は入院先のベットの上で見守っていました。
 1986年「嫌煙権訴訟」は結審します。形の上では敗訴ですが、弁護団は「実質勝訴」を宣言します。裁判期間の数年のあいだに日本社会は嫌煙・禁煙の方向に大きく舵を切っていました。地下鉄の一部が禁煙になったり、飛行機の4割ほどが禁煙席になったりして、嫌煙、禁煙の気運は日本中に高まっていきました。

 さて『日本の嫌煙権運動45年史』ですが、目次は次のようになっています。

◆『日本の嫌煙権運動45年史』-「きれいな空気を吸う権利」を求めて

第1章 「嫌煙権運動」のはじまり
第2章 日本初の「嫌煙権訴訟」提訴
第3章 全国に広がる嫌煙権運動
第4章 世界とつながる「タバコ問題」
第5章 国と国鉄は対策を怠っていた
第6章 「タバコ問題」情報収集と啓発
第7章 タバコと公共
第8章 タバコと企業
第9章 タバコと法 

 この本は常に嫌煙権運動の中核に位置していた渡辺さんでしか書き残せなかったものです。「日本のタバコ事情」45年比較リストでは病院、学校、地下鉄、飛行機などの禁煙情況、タバコ広告などに多岐にわたって克明に記されています。禁煙・嫌煙運動&タバコ問題年表も貴重です。さらに、嫌煙権運動のその時々の闘いの情況がリアルに収録されています。
 先人たちの「奮闘」に感謝しつつこの本を懐かしく読み終えました。


〔666〕ブログ666回記念! 「原発やめようニュース」(反原発自治体議員・市民連盟、47号)と沖縄支援のはがきです。

2024年03月13日 | メール・便り・ミニコミ

 このブログもついに666回になりました。時々「停止」もくらいながらよくここまで続けられました。皆様の密かな応援に感謝いたします。
 さて今号は、まず、反原発自治体議員・市民連盟の発行する「原発やめようニュース」を紹介します。

 あろうことか今年は8月に島根原発2号機、9月に女川原発2号機、9月以降に東海第2原発が再稼働が予定されています。フクシマ原発事故で家に帰れない、戻らない人がまだ数万人います。デブリはまだ1グラムも取り出せていません。後世の人に負の遺産を残すことはできません。廃炉まで頑張りましょう。

 沖縄の市民運動にも連帯しています。千葉さん頑張れ!

 


〔665〕3.11フクシマから13年。清瀬・憲法九条を守る会は東海第2原発再稼働を許さない!

2024年03月11日 | 市民運動

 3月2日(土)、清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会は清瀬駅北口、ペデストリアンデッキに参集していました。東海第2原発再稼働反対統一行動に参加するためです。この統一行動には、およそ全国で60の市民団体が結集しています。1,2週間の内に各々地元でアピール行動が展開されています。
  東海第2原発だけでなく女川原発でも今年の秋に再稼働が画策されています。3.11福島から13年、溶け落ちたデブリは1グラムも取り出せていません。わずかばかりのくらしの「安楽」のために子や孫の世代に取り返しの付かない負の遺産を残すのは愚の骨頂です。
 日本はGDPでドイツに抜かれて世界4位に後退しました。ドイツは日本の人口の3分の2です。そのドイツは昨年春に原発をすべて停止しました。原発がなくてもやっていけるのです。
  日本の原発は54基、そのうち再稼働しているのが13基と聞きました。有害な核廃棄物が日々どんどん増えています。
 原発は再稼働しなくてもけして安全とは言えません。能登半島の付け根にある志賀原発は変圧器が2基故障しました。使用積み核廃棄物を冷やす電源が喪失するところだったのです。半島突端の2基の原発は住民の反対で作られませんでした。(ありがとう!)
 清瀬・憲法九条を守る会は数年前に東海第2原発再稼働反対の請願をし、議会がそれを承認しました。すべての原発を廃炉にするまで我々は戦い続けます!

 ●志賀原発は廃炉に 規制委の指針は絵に描いた餅

                                          鎌田 慧(ルポライター)

 先月末「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」など石川県の7市民団体が
上京、衆議院議員会館で首相、経済産業相、原子力規制委員会宛てに「
志賀原発の廃炉を求める要請書」を共同提出した。
 そのあと、原告団の北野進団長などそれぞれが、志賀原発の廃炉を訴
えた。地震後、住民と政府との初めての会談だった。
 今回の地震で、能登半島各地では複数の断層が連動、道路の寸断、土
砂崩れ、隆起・陥没が発生、救援活動さえ困難な状況になった。

 それでもなお、規制委の山中伸介委員長は「安全上の問題はない」と
発言している。
 それに対して安全が確認されていない中での安全宣言は撤回せよ。内
閣の原子力災害対策指針や自治体の避難計画を根本から見直せ、などの
意見が各代表から続出した。
 原発から5キロ圏内は「圏外避難」、それ以上は「屋内退避」とする
規制委の指針は、家の下敷きになった人や道路が破壊されて脱出できな
い現実をみれば、絵に描いた餅。

 唯一の救いは、原発が稼働していなかったことと、中部、関西、北陸
の3電力が計画した「珠洲原発」が反対運動でつぶされていたことだった。
 鋭い追及を受けて各官庁の担当者は「既定方針を見直しています」と
いうだけで精いっぱいだった。
 会場で発言を求められてわたしは「政府は空理空論ばかりだ。政府を
替えるしかない」といった。
                  (3月5日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)

◆たんぽぽ舎メルマガ(4982号、2月26日) 

安倍首相がいかにこの国のあり様を踏みにじってきたか
  このままでは民主主義が死んでしまう
  1/19安倍国葬第4回口頭弁論報告
            溜口郁子(安倍元首相の国葬を許さない会)

 1月19日(金)、前段集会後に東京地裁大法廷において安倍国葬第4
回口頭弁論が開かれました。大法廷は8割の傍聴人が埋めるなか、長橋
さん、小山さん、梶間さんの3人の方の意見陳述が展開されました。

 一人目の長橋美保さんからは、「このままでは民主主義が死んでしま
う。亡き安倍首相は何ひとつ真実を明らかにしなかった。行政権の乱用
の連続のまま、沢山の反対の声がありながら国葬が行われてしまった。
税金は最も使われるべきところに使われるべき。NPOの福祉施設で働
いていたが、すべて民間に丸投げしたまま負担を強いながら上に厚く下
に薄い実情をもたらして重大な問題を先送りにしてきた。又、学問は権
力の道具ではない。病んでいる時代に楔を打ちたい。貧困問題は他人事
ではなく、毎日薄氷を踏む思いで暮らしている。弱者を更に痛めつける
社会を生み出したのは安倍政権である。怒りと悲しみの中で訴える。私
たちに(不当に使われた)税金を返してください。」と同じ思いで聞い
ている傍聴人の心に迫る陳述を述べられました。

 次に続いた小山さんや梶尾さんはそれぞれ表現を変えながら、安倍首
相がいかにこの国のあり様を踏みにじってきたかが語られました。
 2期就任期間7年数カ月で集団的自衛権に至らせるための不当な人事、
黒川検事に関しての検察人事への不当介入、放送界への介入によるメ
ディアの劣化をもたらした。
 そして国葬はすでに法的根拠がないなかで強行した岸田政権への批判
を指摘し、安倍氏は国民を不幸にしただけだと強調されました。
 その後に続いた原告代理人陳述では、「今問題になっている
パーティー券問題でますます原告の主張が明らかになった。」と述べら
れました。

 裁判後は、衆議院第1議員会館に移動して、報告集会が開かれました。
 そこではやや少人数ながら、多様な市民活動をしてこられた市民の自
己紹介がされました。
 「日の丸君が代裁判」の原告の方。フィリピン連帯活動に携わってき
た方。帰還兵のPTSD問題の方や在日外国人問題に関わってこられた方。
 最後に群馬の森朝鮮人追悼碑問題の方からは、1月29日に行政代執行
で追悼碑が撤去されることのご報告がありました。(歴史修正主義。こ
れも安倍首相が用意周到に行ってきた重大な問題です。)

 締めとして大口弁護団長からは「(国葬強行は)国民の内心に土足で
踏み込まれたということ。主権が無視された問題についてどこまで法律
問題として救済されるのかを闘っていかなくてはならない。」と参加者
に語られました。

 陳述人の皆さん、原告代理人の弁護士さんたち、事務局の方々、大変
お疲れ様でした。
 最後にひとこと付け加えさせていただきますが、法廷で陳述人や原告
代理人の声が大変聞こえにくい場面がありました。
 今後改善をお願い致します。傍聴席の私たちもこの裁判を我が事とし
て傍聴していますから。

 尚、傍聴席を多数で埋めることはとても重要だそうです。
 次回第5回口頭弁論は4月26日(金)の14時からです。
 ご都合がつくかたは是非、傍聴参加をお願い致します。


〔664〕中村敦夫さんの朗読劇「線量計が鳴る」をDVDで見ました。その熱量に圧倒されっ放しでした。

2024年03月10日 | 映画鑑賞

 3月8日(金)、午後家を出て、有楽町で開催されている押し絵の展覧会を鑑賞しました。素敵な展示会でしたが、近々ブログで報告したいと思います。
 池袋でジュンク堂に立ち寄り、数冊の新刊を手に入れましたが、こちらもいずれブログで触れることにしましょう。
 夕食後向かった先は、江古田映画祭が開催されているギャラリー古籐でした。7時から中村敦夫さんの朗読劇「線量計が鳴る」をDVDを鑑賞するためです。この映画祭には今回2回目の参加ということになります。

 私にとって中村敦夫さんといえば木枯し紋次郎です。欠かさずテレビにかじりついたものです。その中村さんが自ら脚本を書き、出演していたのが朗読劇「線量計が鳴る」でした。コロナ禍で中断されるまで95回の公演を終えていたということです。中断を余儀なくされたことで立ち上がったのが朗読劇「線量計が鳴る」のDVD化でした。
 元・原発技師に扮した中村さんが、104分間、原発の非科学性と恐ろしさを圧倒的迫力で語り尽くします。彼は福島原発爆発の翌年、チェルノブイリ原発事故跡を訪問します。小中を福島で過ごした中村さんだからこその「言霊」が届いてくるようでした。

 

  当日配布された隔月刊誌「とくし丸」は徳島市で発行されている雑誌です。まだ4号ということですが、中村さんの人生相談や佐高信さんの連載があります。読みやすい本でした。

 最後に、ギャラリー古籐からのお願いです。豊かな地域文化を創出してきたプロジェクターの寿命が尽きようとしています。そこでクラウドファンティングを立ち上げました。皆さんの応援をよろしくお願いします。


〔663〕江古田映画祭オープニング映画「福田村事件」は、複合的重層的な差別構造を考えさせられる秀作です。

2024年03月09日 | 映画鑑賞

 2月24日(土)、以前にこのブログでお知らせした江古田映画祭のオープニングで映画「福田村事件」を観ました。会場はギャラリー古藤の真向かいにある武蔵大学の地下ホール。スクリーンが3つもある広い講義室でした。この映画はさすがに評判が高く、満席まではいきませんが、かなりの人を集めていました。
 ドキュメンタリー映画を数多く手がけてきた森達也監督による初めての劇映画でした。
 100年前、関東大震災の時に、 朝鮮人に間違えられて虐殺された被差別部落民の物語ですが、しかしながらそう単純な話ではなさそうです。彼らは香川県の讃岐からの薬の行商人一行ということで、根底には行商人差別も横たわっていました。
 練りに練られた脚本は佐伯俊道・荒井晴彦・井上淳一3氏の合作で、12稿までいったということでした。侃々諤々、脚本はどんどん書き換えられたようです。
 映画は、朝鮮から帰国した主人公夫婦、行商人、福田村(現・野田市)の村民、地元新聞記者などそれぞれの視点が複雑に絡み合っていました。
 なぜ虐殺がこんなのどかな田舎で起こってしまったのか、映画は息もつかさずドラマチックに展開していきます。少々どぎつく感じる性愛場面なども多く、飽きさせません。

 役者も一流俳優が勢揃いでした。井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、柄本明、ピエール瀧、豊原功補など。そして映画初出演の水道橋博士が虐殺を先導する役で凄みを出していました。本人の主張と真逆で、意外性があり適役でした。日本では外国と異なり、役者はこうした差別的事件をテーマにする映画出演を敬遠する傾向があるようですが、よくこれだけの役者が集まったものです。

 「福田村事件」を鑑賞して感心したことが3つありました。1つ目は映画そのもの、2つ目にシンポジウム、3つ目は当日販売していたパンフレットです。
 映画についてはもう書きましたので、シンポジウムに触れましょう。登壇者は脚本を書いたお三方、司会は武蔵大学の永田浩三さんでした。永田さんはこの映画を見るのは4回目で、福田村には学生たちと訪ねたということです。東京新聞に福田村事件のほぼ唯一の文献『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』(辻野弥生、五月書房新社)の書評を書いています。事件のことを実に詳しくご存じで、うまく登壇者の考えを引き出し整理していました。脚本家たちは監督の森達也さんについても忌憚なくコメントしていました。
 家に帰ってパンフレットを読んでまたうなりました。ゲストをそれぞれ迎えての監督や脚本家たちの対談や鼎談が実に率直でおもしろいのです。当たり障りのない談義はひとつもなく、けっこう批判的でシビアなことばも飛び交っていました。「主な参考文献」も大いに役に立つし、それに脚本が付いて1500円でお買い得でした。関東大震災を中心とした年表も充実しています。この時虐殺された数千人のなかには、朝鮮人、中国人だけではなく労働者や社会主義者、アナキストなど一網打尽にされているのです。(亀戸事件、大杉榮・伊藤野枝などの甘粕事件、金子文子・朴烈事件、など)

 こうした悲劇をなかったことのように振る舞う、現東京都知事にも是非とも見せたい映画でした。


〔662〕動画「ウクライナの芸術家たちは今…」が送られてきました。拡散を希望しています。

2024年03月03日 | 美術鑑賞

 連れ合いの友人の野村和子さんから以下のメールが送られてきました。
 動画「ウクライナの芸術家たちは今…」

The Now of Ukrainian Artists 7人の芸術家 57作品 7artists 57works+国際墨友会展覧会「美は国境を越えて」

が素敵です。ウクライナに心を寄せながら拝見しました。 

 ●この冬も乗り切ることができ、
 はや3月になりましたね。
 私の友人・大阪の片山ふえさん(ロシア語通訳者)が、ウクライナの画家さんと長いお付き合いをなさっておられて、このたび下記のメッセージと動画をお送りくださいました。どうぞご覧くださり、ご自由に拡散してくだされば幸いです。
 よろしくお願いいたします。まずはお知らせまで。野村和子
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       記
 キーウの画家オリガ・ペトローワさんの依頼で、戦時下で創作を続ける画家たちの頑張りを観ていただくビデオを作りました。
 お時間が許せば、ご覧いただけないでしょうか(13分くらいです)。
https://youtu.be/jtLJdGYgLg4
 
 そして、もし彼らに声援を送ろうと思ってくださったら、「いいね」をクリックしてください。
 ウクライナでも、このyou tubeを見ることができるのです。よろしくお願いいたします。片山ふえ