後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔754〕新発見! クラウス・スリューテルの彫刻が『世界彫刻美術全集』(小学館1975年)になんと8頁も写真掲載されていました。

2024年12月21日 | 美術鑑賞

  こんなことがあるのですね。普段訪れることのない近隣の東村山中央図書館で開架式の図書を見ているときに思わぬ発見があったのです。クラウス・スリューテルの彫刻が『世界彫刻美術全集』(小学館1975年)に8頁も写真掲載されていました。私にとってはまさに新発見! でした。

 私が、ロマネスクやゴシック彫刻で今一番関心を持っているのはクラウス・スリューテルです。フランドル出身の彫刻家で、フランスのディジョンで活躍しました。緑の『祈りの彫刻』シリーズでたびたび紹介してきたゲルハールト・フォン・ライデンは後期ゴシックの名だたる彫刻家ですが、彼が手本にしたのがスリューテルだと言われています。
  昨年夏、見損なったスリューテルの彫刻を見にディジョンに来夏訪れる予定です。
  「モーゼの井戸」が代表的な作品です。以前『世界美術大全集』(小学館、1995年)で写真2頁を見つけたのですが、今回さらにその前に出版されている写真集を発見しました。それが『世界彫刻美術全集』(第7巻、ゴシック、小学館、1975年)です。 縦42㎝、横30㎝の大型本です。なんと「モーゼの井戸」が8頁にわたって掲載されているのです。
  まだまだ「新発掘」があるものですね。

ついでに『ロマネスク』も借りて2冊をガン見しています。 


〔751〕3日目、足を伸ばす人が少ない栃尾の雲蝶作品群、凄い彫刻が待っていました。〈雲蝶の旅 その5、最終回〉

2024年11月27日 | 美術鑑賞

   いよいよ新潟滞在最終日です。雲蝶の三大彫刻群を有する永林寺、西福寺、本成寺を堪能し、さて最終日は二,三箇所寄り道をして、早めに帰途につこうと思っていましたが、大きく予定を変更する事態が起こってしまいました。素晴らしい雲蝶作品群に出会ってしまったのです。

  まずは栃堀区事務所に電話連絡し、神社の入口を開けておいてもらうことになりました。貴渡神社(長岡市)へ直行です。
  地元の大きな神社ではなく、小ぶりの可愛らしい神社が目差す所でした。風雨から庇護したり、外部の人が入れぬように囲われていました。
  向拝の獅子や貘や龍、手挟の松の枝に停まる鳩と雀を見て、素人ながら、これは充実期の雲蝶の作品に違いないと直感しました。さらに素晴らしいのが「桑負いから機織りに至までの様子」です。優雅な曲線を多用した心温まる庶民の暮らしが活写されています。後期ゴシック彫刻の作家、ダニエル・マオホを想起させます。


  明るい日差しの中で、2人で舐めるように撮影させてもらいました。
  栃堀区事務所にお礼に出向くと、区長さんがいらしていろいろお話をうかがうことができました。その時にいただいたチラシを紹介しましょう。

  次に向かったのは、同地区の曹源寺でした。こちらも電話で連絡し、快く迎え入れてくれました。ご住職にご挨拶した後、お連れ合いが実に丁寧にいろいろ教えてくれました。
 広い畳敷きの間に欄間が8箇所ぐらい、そのうち2箇所は雲蝶作、他は小林源太郎作で、内陣には他の作家の作品もあまた掲げられています。
  東京出身のお連れ合いと親しく話を交わしました。贅沢な時間を共有できました。

  最後に向かったのは、秋葉三尺坊奥の院。
  雲蝶は烏天狗の3枚、源太郎が他の彫刻を担当した共同制作といわれています。金網に囲われているため、撮影は難しいのですが、いつの日か、許可をいただいて、入口の鍵を開けて中に入り、写真を撮りたいものです。
  紛う方なき雲蝶の代表作に違いありません。

  予定よりだいぶ遅れて帰途につきました。
 資料を読み直し、訪問し損なった社寺に気がつきました。
 次の国内旅行は、春頃、新潟から会津方面になりそうです。


〔750〕2日目、雲蝶最初の逗留地、本成寺とその塔頭、さらに五十嵐神社を巡りました。〈雲蝶の旅 その4〉

2024年11月27日 | 美術鑑賞

  越後路2日目、まずは開館直後で入館者無人の十日町市博物館に立ち寄り、国宝の火炎土器などを心安らかに堪能することができました。民宿のご主人の推薦の博物館でした。
  そしていよいよ本成寺(三条市)へ向かいます。
 雲蝶が江戸から最初に向かったのは本成寺でした。ここに長期滞在し、本成寺とその塔頭に多くの作品を残しています。残念ながら本成寺の作品はほとんどが灰燼に帰してしまいました。しかしながらその塔頭には多くの作品が現存していると聞きます。

  紅葉真っ盛りの越後路をマイカーで順調に走ります。


  黄葉が敷き詰められた本成寺境内にしばし佇みましたが、一転、拝観中止の掲示に我々は落胆するのでした。しかしここは元々焼け残った赤牛だけの拝観とか、それで500円とはなんでなのでしょう。たぶん他に見どころがいっぱいあるに違いありません。
 ならば気を取り戻して、雲蝶の墓を探すしかありません。しかしこれが難儀でした。ドイツのニュルンベルクでファイト・シュトースの墓探しの困難さを思い出しました。
  親切な寺の受付でヒントをもらい、ようやく探し出しました。

 はてさて、ここからが我らの旅の醍醐味、『越後の名匠 石川雲蝶』(木原尚)を頼りに6つの塔頭を巡ります。外観は自由に拝観可能という所が多く、感謝しながら撮影させてもらいました。「要連絡」のところは、意を決して、ラジオ深夜便で好評だった緑に門前で電話してもらいました。「東京から雲蝶作品を拝観しに来たのですが、拝観は可能でしょうか。」というのが電話のポイントです。
  ファーストアタックの蓮如院で「軌跡」が起こりました。快く迎え入れてくれた座敷には猿の置物と雲蝶の位牌が鎮座していました。撮影もオーケーということで感激しながらカメラを構えました。わずかですがお布施をして寺を後にしました。


 要住院は作品が出展中、青蓮華院は所在がわからず、蓮如院、静明院、久成院、本照院は訪れる人もなくゆったりとカメラを構えました。どこでも、雲蝶の技の冴えに圧倒されるばかりです。

  本成寺近辺では観光客らしき人に出会ったのは1人の男性と2人組の女性だけでした。穏やかな日和に充実感いっぱいの我ら2人でした。
  余勢を駆って同じ三条市の五十嵐神社に向かいます。近くの駐車場に車を止めて、急な坂を上って五十嵐神社に辿り着いたところ、明かりは付いているものの誰もいません。開け放した堂内に入るも雲蝶作品は見当たりません。しかし、よく見ると、壁のかなり上の方に3枚の欄間彫刻が見つかりました。獅子と鳳凰でしょうか、あとは暗さも手伝ってしかとは確認できません。

  しかし、満足してホテルルートイン見附に向かうのでした。

  2000年になってからの国内古寺古仏巡り、さらにはドイツを中心とした後期ゴシック彫刻巡り、そして今回の雲蝶巡り、それぞれに共通する出合いの新鮮さ、私たちを興奮させる何物かがあるなあと実感するのでした。


〔749〕1日目の続き、西福寺・龍谷寺を巡りました。〈雲蝶の旅 その3〉

2024年11月26日 | 美術鑑賞

  雲蝶観光の最大の目玉はなんと言っても西福寺です。永林寺からの車移動は容易かったです。赤や黄色の紅葉を楽しみながら車を走らせました。信号が少なく、車もまばらなのでのんびりしたものです。意外と制限速度は50㎞が多かったです。
  西福寺の駐車場にはすでに2台の車が置いてあり、すぐに観光バスが到着し、その賑わいはかなりのものでした。


  駐車場脇の鐘楼の彫刻に早速目が行きました。小林源太郎の秀作です。その向こう側にお目当ての開山堂が鎮座していました。向拝は雲蝶の傑作です。しばし写真撮影に勤しんで、観光客を避けるようにおもむろに受付に向かいました。

  見どころはなんと言っても開山堂の内部です。スイッチで音声が流れる仕組みになっています。
  圧倒的な迫力の彫刻は、2体の仁王像と天井の「道元禅師猛虎調伏の図」、なるほど「越後のミケランジェロ」の面目躍如といったところです。いくつかのグループをやり過ごし、ゆったり椅子に佇んでいました。 

 ここで拝観券と写真集(大判、60頁,2000円)を紹介しましょう。

  この日はもう一箇所、小雨がぱらつく中、龍谷寺を目差しました。

 龍谷寺の訪問客は我々のみ。寺の行事と重なりつつも雲蝶作品まで導いてくれました。雲蝶が手がけたのは欄間2枚、裏にも超絶技巧の深彫りが施されていました。ただ、部屋の中が薄暗くて、よく見えなかったのが残念なことでした。

  清瀬に戻ってきて、また西福寺に行かなくてはと思ったのは、いずれも雲蝶作の火除け地蔵と「寒山拾得」と「羅漢様と虎」の絵を見落としてきたからでした。何事も1回行っただけではわかりませんね。


〔748〕1日目、いきなり雲蝶彫刻のハイライト、永林寺・西福寺・龍谷寺を巡りました。〈雲蝶の旅 その2〉

2024年11月26日 | 美術鑑賞

  雲蝶が江戸から越後にやって来て、最初に滞在し、彫刻の仕事に着手したのは本成寺(三条市)とその塔頭群だったようです。その本成寺は残念ながら火災(放火と言われている)に遭い消失しました。雲蝶の作品はほぼ塔頭に残るだけです。
 雲蝶の活動舞台はその本成寺と永林寺及び西福寺(魚沼市)です。永林寺と西福寺は最も多く雲蝶作品が残る場として拝観の目玉です。

  第1日目は永林寺と西福寺、そして雲蝶作品の貴重な欄間を残す龍谷寺を巡りました。
  優雅で美しい天女像で有名な永林寺には、雲蝶は13年間滞在し、百数点の彫刻、絵画を残しています。雲蝶ファンにとっては垂涎の寺なのに、しんしんと冷える寺には我々の他だけもいませんでした。しばらくして2組の観覧者がありましたが。
  まずはパンフレットと購入した小冊子(34頁、500円)を紹介しましょう。

  「建物内の撮影は一切禁止」です。外国の美術館・博物館は私的利用に限りほぼ撮影は許されています。昨年再訪したルーヴルや大英博物館しかりです。限定箇所での撮影が許可されるなど、少しずつ日本も変わってきていますがね。
  ここの雲蝶作品の数は半端ではありません。パンフによればその数は25を数えます。どういう並びになっているのか、順番が定かではありません。しかし、誰もいないのを幸いに、順番通り、あっちに行ったりこっちに行ったり、右往左往しました。でも充実感はたっぷり、雲蝶は凄い!  天女像は雲蝶の最高傑作の1つですね。


  この永林寺の本堂は雲蝶がプロデュースした最後の現存する建物だそうです。
  『私の恋した雲蝶さま』(中島すい子、現代書館、2014年)を再読することにしましょう。著者は南魚沼市在住の観光ガイド、運寵愛に溢れるエッセイ集と言えます。魚沼地区の雲蝶作品を中心に語っています。

  西福寺・龍谷寺については次のブログに掲載します。


〔747〕紅葉絶景の越後路、石川雲蝶・小林源太郎の超絶技巧にただただ魅せられました。〈雲蝶の旅 その1〉

2024年11月25日 | 美術鑑賞

  2024 年11 月18 日。実に久しぶりの国内旅行に夫婦で出掛けました。かつてはよく利用した関越自動車道を経由しての2泊3日の旅でした。
  国内旅行なら行きたいと念願していたのは2箇所、仏都会津(古寺、さざえ堂、大内宿など)と出雲地方(出雲大社や一畑寺など)でした。そこに猛然と「割り込んできた」のが越後新潟です。前ブログにも書きましたが、石川雲蝶・小林源太郎の彫刻や絵画を拝観したいからでした。
  どんな旅行だったのか、連れ合いが概略をコンパクトに押さえてくれました。


  雲蝶の旅                                 福田緑

〔2024 年11 月18 日~ 20 日〕
11 月18 日(月曜日)  1日目
清瀬を7:08出発→ 途中で休憩を一度取る→堀之内IC で高速を下りる。

(1)永林寺 魚沼市10:55着
・演奏する天女像が有名
・欄間には鳥や様々な物語が描かれ、合計25点の絵画・彫刻がある。
・作品番号が実際の位置とバラバラで見つけにくかったのが残念
・蛙と牛の置物だけは撫でることができる。
・内部撮影一切禁止(販売用冊子あり)
・拝観客は最初私たちだけだったが後から二組ほど来た。
〒949-7403 魚沼市根小屋1765  ☎025-794-2266 拝観・見学可

(2)西福寺 魚沼市12:20着
・開山堂では女声のアナウンスを繰り返し聞くことができる。
・開山堂の天井には道元の物語彫刻があり、龍も彫られていた。
・開山堂の入口に大きな仁王像が一対立っている。
・内部撮影禁止(販売用冊子あり)
・観光客がバスで大勢来ていた。
〒946-0033 魚沼市大浦174  ☎025-792-3032  拝観・見学可

(3)龍谷寺 南魚沼市14:16着
・欄間彫刻2枚と障子を見る。
・内部撮影禁止
〒949-7251 南魚沼市大﨑3455  ☎025-779-2020  拝観・見学可
この後、魚沼から十日町の越後妻有農家民宿萬代へ行き、1泊
〒949-8615 十日町市中条甲1369  ☎ 090-3145-0106  FAX 025-757-1524
*食事が美味しい!

11 月19 日(火曜日)  2日目
(1)十日町市博物館
・国宝の火炎形土器40数点あり。
・展示に工夫がされていて見応えがある。
(2)本成寺 三条市
・雲蝶が住み込みで彫刻をしていた寺だが、焼けた後残ったのは赤牛のみ
・赤牛は行事のため拝観できず、雲蝶のお墓は見ることができた。
〒946-0033 三条市西本成寺1-1-20  ☎0256ー32-0008
拝観・見学要連絡(団体のみ受付)

(3)本成寺の塔頭(外観はどこも可能、内部拝観に要連絡のものだけ☎)
・蓮如院、猿の置物・雲蝶の位牌 ☎0256-32-5203
・要住院(ようじゅういん)作品出展中 ☎0256-33-1886
・静明院(じょうみょういん)軒の上と両脇に彫刻、獅子・本を読む老人など ☎0256-33-3103
・久成院門に獅子、亀の彫刻  ☎0256-32-4866
・本照院門に獅子、飛龍の彫刻 ☎0256-32-5220
・青蓮華院は見つからず ☎0256-34-2688

(4)五十嵐神社15:05着
・3枚の欄間彫刻、獅子と鳳凰はわかるが、あと一つはわからない。
『越後の名匠 石川雲蝶』(木原尚)の37頁と違う作品があった。
〒955-0107 三条市飯田 ☎0256-46-4007
この後、ホテルルートイン見附(中之島見附インター下車)で1泊、お風呂が良かった。
〒954ー0112 新潟県見附市上新田町160 − 1  

11 月20 日(水曜日)  3日目
(1)貴渡(たかのり)神社 長岡市10:18着
・栃尾郷織物発祥の神様を祀る神社織物ができるまでの様子を彫っている。
・人物の表情がとてもよく彫られていて温かみがある。
・栃堀区事務所に駐車、すぐ近く
〒940-0145 長岡市栃堀4344  ☎0258-52-3521

(2)曹源寺 長岡市11:35着
・上記貴渡神社から乗車32分で着く。
・広い畳敷きの間に欄間が8箇所? そのうち2箇所は雲蝶作、他は小林源太郎作、作者不明も多数
・住職のお連れ合いが東京の方
・欄間彫刻を撮影(撮影OK )
・彼女の案内で奥の大きな地蔵尊のある一角へ
〒940-0241 長岡市北荷頃769甲 ☎0258-52-2791

(3)秋葉三尺坊奥の院へ12:58着
・雲蝶は烏天狗の3枚、源太郎が他の彫刻を担当した共同制作らしい。
・周囲を金網で囲っているため撮影には大変不向き、一眼レフなら編み目を通して撮影できたかもしれず、三脚を持ってもう一度訪ねたい神社。可能なら連絡をして門を開けていただきたいものだが…。
〒940-0227 長岡市谷内2(秋葉公園内)  ☎0258-52-2318(常安寺)
・近くの食堂で昼食をとり、清瀬に帰宅、午後7時頃


   旅の様子を資料や写真を元に3回のブログで紹介していきたいと思います。
 その前に押さえておきたいのは、今回の旅のバイブル『越後の名匠 石川雲蝶』(木原尚、新潟日報事業社)です。お勧めの1冊です。


〔746〕3回も来場の方、雲蝶で談論風発の方、写真集4冊買ってくださった方…豊かな交流づくしの写真展でした。

2024年11月16日 | 美術鑑賞

 12日間の写真展で210人の方が来場されました。奇しくも2回とも500人いらした以前の写真展にも劣らないほどの豊かな交流がそこここで展開されました。連れ合いの福田緑が以下のようにその出会いを書いています。

▶心に残る愛のエピソード(その2)*福田緑のブログより

 連れ合いも受付の友人たちも深く感銘を受けた一人のお客様がいます。

 その方は11月4日にいらして、その後は最終日まで毎日ギャラリーに見えたのでした。しかも4日になんと写真集4巻まとめてご購入! 背中のリュックに3冊、手許に1冊お持ち帰りになりました。その理由が入院中のお連れ合いに見せてあげたいとのこと。お連れ合いは現在気官切開・胃瘻で寝たきりだそうですが、若い頃から絵を描き、結婚前に一人でヨーロッパを回った時には感想を度々彼にハガキで送ってきたとのこと。そのハガキをコピーしてお持ちになっていて三津夫と私に「よかったら読んでください」とおっしゃいます。そのお連れ合いが町や美術館を訪ねては心弾ませている様子が細かな文字でビッシリ書かれていて、それをご丁寧にワープロかパソコンで打ち直し、両方とも見せてくださいました。幸いあまりお客様が見えなかった時間帯でしたのでじっくり拝見し、その文面は、入院して絵筆を取れなくなったお連れ合いの若かりし頃を想像させてくれる内容で深い感銘を受けました。しかも、そのお連れ合いと一緒に私の写真集を見て楽しみたいという思いが伝わってきて、ご夫妻の愛情の深さを感じ取ったのでした。ありがとうございます。

 

365. 福田緑写真展No.3 「リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」終了! - リーメンシュナイダーを歩く 

365. 福田緑写真展No.3 「リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」終了! - リーメンシュナイダーを歩く 

▶写真展は無事終了いたしました。❤この彫刻は聖バルバラのレプリカで、留学時代にヴュルツブルクで購入してきました。菩提樹で作られていて、その手触りを味わっていただく...

goo blog

 

  次に紹介したいのは、「石川雲蝶で談論風発の方」です。近隣の所沢市にお住まいの女性でした。とてもお元気な方で、どうしたことか、彫刻繋がりで雲蝶の話題になったのです。なんと2,3日前に新潟に旅行されて雲蝶作品に感銘を受けたということでした。ギャラリー2回目の来場のとき雲蝶に関する資料を多数貸してくださったのでした。


 実は我々は、この写真展を終えて、1、2週間後に雲蝶作品を訪ねる2泊の個人旅行に出かける計画でした。
  当然話題沸騰、談論風発の賑やかなおしゃべりになったことはご想像の通りです。

 実は近場の田無神社にも素晴らしい彫刻があるということをこの方は教えてくれました。「天才嶋村俊表の彫刻」です。田無神社社報もいただきました。拝観可能になったときには是非訪ねたいと思います。

 そしてなんと、写真集2-5巻4冊を纏めて買ってくださった方が3人もいらっしゃいました(1巻は完売)。感謝に堪えません。


〔743〕あの瀧沢敬三さんが7人のお仲間と写真展にやって来られました。

2024年11月11日 | 美術鑑賞

  瀧沢敬三さんのご著書はブログ〔725〕で紹介しました。


 その瀧沢さんが写真展に7人のお仲間を連れてやって来られました。緑の写真展ではかつてない最大の「ツアー」でした。
  連れ合いの福田緑が一通り展示物を案内した後、真ん中のテーブルを挟んで8人が椅子に座わられるや、立たたれるやら。
 私たち2人からは後期ゴシックの彫刻のことを中心に話しました。熱心に耳を傾けて下さいました。そして来場者の皆様にもいろいろ質問も投げかけました。どのような方々がお越しになっているのか興味があったからでした。「リーメンシュナイダー展」への「策略」なども授けていただきました。
 しばし話題沸騰、さながら大人の寺子屋状態と相成ったのでした。皆さんは小一時間滞在されたでしょうか。その後階下のカフェに移動されて食事をされたようでした。
 思いも寄らなかった大人数での写真展訪問、感謝の一言しかありません。

 瀧沢さんから日を置かずドイツ語のご著書が送られてきました。以前出版された『西方見聞録』(全4巻、日本自費出版大賞入賞)の第2巻『西ドイツ一周研究旅行記』をドイツ語に翻訳されたもので、ドイツで出版されています。この本は、ドイツ人デザイナーのリサ・アイトさんがドイツの「造本・装幀コンクール」の該当部門へ応募し、入賞したということでした。
 この本にまつわる様々な資料も封入されていました。ここでは日独教会機関誌への報告を紹介します。

 お手紙には次のようにあります。
「このたびは大勢でおじゃまし、他のお客様にご迷惑をおかけしたのではないかと心を痛めております。全員皆、普段体験できない新鮮な感動を受け大満足の一日でした。
 『人生は出会い』ひたすら感謝です!」
 
   こちらこそ、いろいろ教えていただき感謝申しあげます。ありがとうございました。


〔742〕第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を終え、「没後500年・リーメンシュナイダー展」開催の夢へ邁進します。

2024年11月10日 | 美術鑑賞

  2024年10月26日(土)から11月6日(水)まで、第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」が、西武池袋線秋津駅徒歩1分のカフェギャラリー縁(えん)で開催されました。


 来場者は1,2回目のそれぞれ約500人に比べると、今回の210人はやや減少しましたが、その分ゆったりとした雰囲気の中で、丁寧で充実した交流がそこここで展開されました。来場者と私ども主催者の満足度はマックスと言って良いと思います。なんと3回も足を運んでくださった方、さらに2回という方も数人いらっしゃいました。

  写真展の充実感を日々感じるなかで、ある確固たる念いが大きく頭をもたげてきました。それは日本で「没後500年・リーメンシュナイダー展」を開催したいという願いです。
 常々緑はあと2回は写真展をやりたいと言っています。7年後の2031年、第5回写真展は、「リーメンシュナイダー没後500年」と銘打って開催したいということでした。
  私はもちろんそれには賛成なのですが、いっそのこと「没後500年・リーメンシュナイダー展」をどこかで開いてもらえないかと思いついたのです。たとえば、国立西洋美術館とか、東京芸術大学美術館とか、大それたことを思いつきで周囲の仲間に吹聴してみました。同時に第5回写真展を開催するというのがおもしろいのではないかと考えたのです。
  こうした考えを様々な来場者(美術館でボランティアをされている方、研究者、様々な美術愛好家、ルポライター、大学教授など)に打ち明けたところ、様々な反応、情報が伝わってきました。ひょっとしたらできるかも知れないと、いまは思い始めています。

  そこでまずは少し調べてみました。いままでにどれくらいリーメンシュナイダーの作品が日本に来ているかということです。見落とししている展覧会がありましたら教えて下さい。
 新たな目標が生まれて楽しくなってきました!

 

                  来日リーメンシュナイダー作品一覧

●デューラーとドイツ・ルネッサンス展(1972年、国立西洋美術館、京都国立近代美術館)
・クリスマスの情景、十字架のキリスト 2点

●ドイツ美術展 中世から近世へ(1984年、国立西洋美術館)
・三王の礼拝、テューリンゲンの聖エリーザベト、聖ラウレンティウスと聖ステファヌス(周辺作家)  3点

●大英博物館の至宝展(2003,2004年、東京都美術館など4館)
・東方三博士礼拝を表した木製祭壇彫刻 1点

●ベルリン国立美術館展(2012年、国立西洋美術館、九州国立博物館)
・聖母戴冠、奏楽天使、龍を退治する馬上のゲオルギウス 3点


〔717〕現在、カフェギャラリー縁(えん)では「中村忠二展」が開催されています。

2024年08月20日 | 美術鑑賞

 第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」(10月26日~11月6日)については以前のブログでお知らせしたとおりです。
 会場はカフェギャラリー縁(西武池袋線秋津駅徒歩1分、武蔵野線新秋津駅徒歩5分)です。1階が喫茶店、2階が展示スペースになっています。
  現在「中村忠二展」が開催されているので連れ合いと行ってみました。店内では新井狼子の作品も同時に展示されていました。

  まずは2階の展示から見学しました。太い屋根の梁がむき出しで、良い雰囲気を醸し出しています。予想以上に写真を掲示できそうです。テーブルも豊富で、資料や本などもいっぱい並べそうです。

 絵画を鑑賞した後は1階の喫茶室でゆったり寛ぎました。喫茶室には様々な絵や陶器、外国の小物などが所狭しと並べてあります。鑑賞用でもあり、販売用でもあります。

   写真展には是非足をお運びください。お待ちしています。(写真は福田緑)


〔710〕今秋、地元清瀬で第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を開催します。

2024年07月23日 | 美術鑑賞

 10月26日(土)から11月6日(水)までの約2週間、地元清瀬で、第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を開催します。場所は西武池袋線秋津駅から徒歩1分のカフェギャラリー縁(えん)です。ここは清瀬市野塩になります。私がよく買い物に行くいなげ屋の目と鼻の先です。
 今回の写真展の特徴は、リーメンシュナイダーの秀作だけでなく、個性的な同時代の作家たちの作品も展示することです。
  日本で初めてのリーメンシュナイダーの写真集は『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(完売)ですが、その後も同時代の作家たちの作品も含めて写真集を計5巻出版し続けました(会期中に手持ちの4巻や教育関係著作数冊の割引販売も予定しています)。
  実は、この5巻に収まりきらない後期ゴシック彫刻の優品が数多く存在しています。今現在も2年に1度ぐらいドイツを根城にして外遊し、新たな作品に出合うことに心躍らせている2人です。今回の写真展ではおそらく日本で紹介されたことのない作品も展示したいと考えています。その一端がチラシの裏面にあるカルカーやアダモフの作品です。ここには掲載できなかったシュレスヴィッヒの祭壇もご覧いただきたい彫刻の1つです。とにかく、凄まじく圧倒される彫刻です。ご自身の目で確かめてください。ご来場、お待ちしています。

 連れ合いの福田緑のブログにはもう少し詳しい案内があります。ご覧いただければ幸いです。

https://blog.goo.ne.jp/riemenschneider_nachfolgerin/e/2d19495d57d26dbd4b2ec6352c00cc1d


〔681〕今、私の最大の美術的関心事は「石川雲蝶の彫刻と絵画作品巡り」です。

2024年04月16日 | 美術鑑賞

 ドイツ語圏を中心とした後期ゴシック彫刻を、十数回妻と巡ってきたことは、このブログでもたびたび書き連ねてきました。来年の夏には家族や友人も連れだって、新たな旅立ちを考えているところです。今年はパリ・オリンピックもあることだし、ドイツ旅行は自重しようと考えているのです。
  そこで、今年は久しぶりに国内の旅行を準備しています。なんでも鑑定団の中島誠之助さんが「越後のミケランジェロ」と讃えた石川雲蝶の彫刻絵画巡りの旅です。絵画と彫刻の二刀流といえばミケランジェロもしかりですが、中世ドイツではハンス・ムルチャーかミヒャエル・パッハーでしょうか。私にいわせれば雲蝶は「日本のパッハー」ということになりそうです。

 早速参考になる資料をあさり始めました。ネットで文献調査したところ、それほど多くの雲蝶関連図書は見つかりませんでした。『越後の名匠 石川雲蝶』と『私の恋した雲蝶さま』が気になる本として現れてきました。色々検討してこの2冊をアマゾンで購入しました。

■『越後の名匠 石川雲蝶』木原尚、新潟日報事業社、増補改訂版、2019年

■『私の恋した雲蝶さま』中島すい子、現代書館、2014年

 この2冊を読み進めるとおもしろいことがわかってきました。
  雲蝶は江戸雑司ヶ谷鬼子母神(現在の東京豊島区)に1814年生まれ、1883年に70歳で越後の三条(現在の新潟県三条市)で亡くなっているのです。雑司ヶ谷鬼子母神は実家からも近く、親戚が住んでいたところです。池袋からもすぐのところです(鬼子母神の鬼は、正しくは漢字の角がないのですが)。
  雲蝶は江戸で彫刻の修行をしたようですが、作品はほぼ残されてないようです。当時、天保の改革で綱紀粛正、華美が取り締まられため、江戸での活躍の場がなく、越後の人(本成寺の檀徒総代)に求められて、越後に赴いたようです。越後には膨大な作品群が残されています。

 雲蝶の代表作は、どうやら西福寺の天井彫刻「道元禅師猛虎調伏之図」といわれているようですが、私はむしろ永林寺の欄干の三天女を勧めたいと思います。『私の恋した雲蝶さま』の表紙の写真が素敵ですが、まさにこれが天女像です。
  雲蝶巡りをするなら西福寺と永林寺(魚沼市)、そして本成寺(三条市)は外せません。本成寺は雲蝶が最初に手がけたお寺で、お墓もここにあります。
 その他にも見どころは山積していますが、『越後の名匠 石川雲蝶』が最高のガイドブックになることは間違いないでしょう。これを手引きに、旅程を決めたいと思いますが、30以上の社寺を全部巡ることは不可能なので、二,三泊で回れる限りというのが現実的なところでしょうか。夏場の楽しみが増えました。

   ところで、私の大好きな世界的浮世絵師、葛飾北斎は後年、江戸から長野の小布施に呼ばれ、竜の天井画など多くの作品をここに残していますが、雲蝶も似たような経歴を辿ったのが興味深いところです。


〔674〕蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展「漆LABO Vol.1」(あきる野市・龍珠院)開催です!

2024年03月30日 | 美術鑑賞

 

  春ですね。こんなお知らせが届きました。

■蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展「漆LABO Vol.1」のお知らせ

古より日本に根付く漆の文化 
そんな漆に魅せられて
蒔絵を学ぶ仲間たちが
春の花に誘われて 龍朱院へやってまいりました

私たちの習作を 少し覗いていきませんか?

日常の彩りとなるような成果物も少々ご用意しております

どうぞお気軽にお立ちよりください


●「漆LABO Vol.1」
蒔絵を学ぶ仲間たちの習作と個性豊かな作品展

会期:2024年4月6日(土)~8日(月) 10:00~16:00
開場:龍珠院 本堂横の書院にて
東京都あきる野市乙津1422

アクセス: 武蔵五日市駅からバス
養沢方面行「乙津花の里」バス停下車徒歩13分
檜原村方面行「荷田子」 バス停下車徒歩約10分

☆臨時駐車場あり

各種イベント同時開催
・4月7日(日)トワイライトヨガ
・4月8日(日)花まつり

龍珠院は桃源郷ともいうべき、桜の名所としても有名な人気のスポットです。
4月8日はお釈迦様の誕生日を祝う花まつりが開催される最高の季節です。
どうぞこの機会にお誘い合わせの上ご来院ください。
メンバー一同楽しみにお待ちしております。

#龍珠院
#漆工房皎月 
#蒔絵


〔668〕押絵って知っていますか?  「伯峰流 押絵二人展」(有楽町)に行ってきました。

2024年03月21日 | 美術鑑賞

 昨秋のことでした。仲良しドイツ人夫婦2組が我が家に一週間ほど滞在しました。その間に色々楽しんでもらおうという企画の1つに書道体験がありました。友人の紹介で先生にお願いしたのが柏原嘉子さんでした。ドイツ名を漢字に当てはめ、それを4人に筆で書いてもらったのです。真剣に取り組んだドイツの人たちには大好評でした。
 その柏原さんから今年になって 「伯峰流 押絵二人展」の案内をいただきました。

 

 ところで、押絵って知っていますか? 
 「押し絵」を辞書で引いてみました。
*「押(し)絵」花鳥・人物などの形を厚紙で作って色色な布で包み、中に綿を入れて高低をつけ、物にはりつけたもの。」「押(し)絵羽子板」『岩波国語辞典』第五版

 ドイツ4人組が到着してすぐに、我が家の中2階に案内しました。そこにたくさんの押絵を並べおきました。遠藤春翠さんの遺作でした。廃棄するには忍びないということでいただいたものでした。彼らに好みの押し絵をプレゼントしました。

 今回の「伯峰流 押絵二人展」は柏原嘉子さん(作者名、柏原春光)と遠藤春翠さんの二人展だったのです。お二人の先生の佐伯春峰さんの作品も2点鑑賞できました。
 会場は有楽町のシルバーサロンです。
  アットホームな会場で、ゆったりと丁寧に柏原さんから解説をいただきました。1つの作品作りに数ヶ月かけるということです。ただただ感心するだけでした。

 


〔662〕動画「ウクライナの芸術家たちは今…」が送られてきました。拡散を希望しています。

2024年03月03日 | 美術鑑賞

 連れ合いの友人の野村和子さんから以下のメールが送られてきました。
 動画「ウクライナの芸術家たちは今…」

The Now of Ukrainian Artists 7人の芸術家 57作品 7artists 57works+国際墨友会展覧会「美は国境を越えて」

が素敵です。ウクライナに心を寄せながら拝見しました。 

 ●この冬も乗り切ることができ、
 はや3月になりましたね。
 私の友人・大阪の片山ふえさん(ロシア語通訳者)が、ウクライナの画家さんと長いお付き合いをなさっておられて、このたび下記のメッセージと動画をお送りくださいました。どうぞご覧くださり、ご自由に拡散してくだされば幸いです。
 よろしくお願いいたします。まずはお知らせまで。野村和子
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       記
 キーウの画家オリガ・ペトローワさんの依頼で、戦時下で創作を続ける画家たちの頑張りを観ていただくビデオを作りました。
 お時間が許せば、ご覧いただけないでしょうか(13分くらいです)。
https://youtu.be/jtLJdGYgLg4
 
 そして、もし彼らに声援を送ろうと思ってくださったら、「いいね」をクリックしてください。
 ウクライナでも、このyou tubeを見ることができるのです。よろしくお願いいたします。片山ふえ