後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔478〕西崎典子さんの憲法審査会ウオッチングは「衆議院5.19 憲法9条関連」です。

2022年05月26日 | メール・便り・ミニコミ
◆傍聴を続ける西崎より
BCCで知り合いの皆様にお届けします。皆様からさらに広まりますよう。

■4.7院内集会、田中弁護士の呼びかけ
「大切なのは傍聴して、中継を見て、議事録を読んで、審査会の最前線を知ること。
学習会や署名をして、選挙に勝つこと。
市民・法の専門家・学者・研究者、皆で頑張りましょう」
■さらに
「審査会委員に、ファクス・電話・メールで激励・意見・疑問などを届けましょう」

■5.19衆院 憲法審査会 テーマ 安全保障について集中審議(主に憲法9条の改正案について)

■前置き
 自民党(2018版)の改憲案と維新の改憲案(5.18に発表)を
巡って改憲派が議論をリードします。
 憲法については両党とも選挙に改憲をアピールすると今から宣伝する一方、
立憲野党では立憲と社民はせいぜい「9条を守ろう」と言うくらいで、
改憲勢力に反対し立ち向かう余力はなさそう。
れいわと共産党は改憲反対を打ち出すと見られます。
市民の私たちは改憲案のどこがどうおかしい、と言えるようにしたいものです。

■委員の意見表明について
奥野委員と中川委員が改9条改憲に反対の意見を言い、
赤嶺委員が沖縄の立場の訴えをし、公明党の二人の委員が違う観点から
意見表明をした他は、9条改憲グループが、自分たちだけで改憲論議と細部の見解の質疑を行っています。
少数の非改憲の委員は反対意見を言うためにであれ、
そこに入っていかない(いけない?)。

改憲論のもとになる条文は「2018年自民党のお試し改憲」に由来し、
「9条の一項と二項を変えないから、何も変わらない」どころでなく、
続く条項で内容が変わってしまうことは当時から相当に解説されました。
今回も9条の一項と二項は変えずに、続いて「9条の2」をたてています。
今回は「憲法に書かれていない自衛隊を規定するため」が「9条の2」を持ち出す理由です。
使われる論法は詭弁ですし、論理的な整合性がないので、ここに載せる意義はないかもしれませんが、
どんな風に論じているかを知っていただくために主な部分を書きだしました。
各委員の意見は、長文になったため、添付資料にしました。
5.19の意見表明で使われた述語、表現がこの日の配布資料”「安全保障」に関する資料、憲法審査会事務局作成”に出ています

また次の参考記事も添付します。
022.05.19 知られざる自民改憲案の正体
梓澤和幸 独立メディアISF ⇩

https://isfweb.org/post-3206/

ブログ Every one says I love you.自民党と維新の9条改憲の問題点について 5/18

https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/c2372247950216cac3f98a188064ab48

憲法についてではないですが、下記提言の危うさについて

戦争をさせない1000人委員会 : 【壊憲・改憲ウォッチ(10)】自民党「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」の問題点 (anti-war.info)

〔477〕西崎典子さんの「憲法審査会ウオッチング」、今回は参議院(5.18)合区問題です。

2022年05月23日 | メール・便り・ミニコミ
 西崎典子さん、いつも「憲法審査会ウオッチング」ありがとうございます。
 大事な憲法改正の話なのに、マスコミは詳細を伝えませんね。

◆傍聴を続ける西崎より
BCCで知り合いの皆様にお届けします。皆様からさらに広まりますよう。

■4.7院内集会、田中弁護士の呼びかけ
「大切なのは傍聴して、中継を見て、議事録を読んで、審査会の最前線を知ること。
学習会や署名をして、選挙に勝つこと。
市民・法の専門家・学者・研究者、皆で頑張りましょう」
■さらに
「審査会委員に、ファクス・電話・メールで激励・意見・疑問などを届けましょう」

◎以下がこの日の内容です。行が詰まっていて恐縮です。

2022.5.18 参院憲法審 

■議題 参議院議員の選挙区の合区問題(自民党の改憲案をベースとする)
■憲法審査会事務局長と法制局長からの説明.未定稿p1上段.1-6中段
■続いて委員の意見交換

 合区解消には自民と立憲が賛成。但し後者は改憲ではなく、法改正を主張。他の委員はすべて反対。投票価値の平等と地方の疲弊・人口減少の問題をどうバランスを取るかは、委員間で課題とされる。

主だった意見は次のとおり。

(自民党は改憲案を参院選に掲げると言っていますが、審査会で賛成がごくわずかだったこの合区の件については何を言っていくのか?合区対象地域にアピールするのでしょうか)。

●改憲による合区解消に賛成

・有村治子(自民)未定稿p.6下段~
 H27の公職選挙法改正で島根・鳥取、また徳島・高知の4県2合区が導入されたが、
 4県では不満が出て問題が多い。

・山谷えり子(自民)p.16下
 このままだとそのうち福井と石川、山梨と長野、佐賀と長崎も次々と合区になるのではないかとも言われている。全国知事会を始め地方6団体が早急な解消を求める決議を行っている。

・舞立昇治(自民) p.22中

 私の地元では76%が合区反対であり、全国でも多くの要望が出ている。国会議員の皆さんが全国民の代表の意識を持っているのであれば、なぜこの問題に誠実に向き合ってくれないのだろうか、というのが地元有権者の思いです。是非憲法改正の最初のテーマの一つとしてご議論いただきたい。

●合区解消に賛成。但し改憲でなく法改正による。

・小西洋之(立憲) p.15
 日本の構造問題、人口減また格差は地方においてきわめて深刻である。各自治体ではサービスの格差すら  生み出している。
 舞立先生の意見は共感をもって聞いている。私の出身は徳島で、合区になっている県です。p.27中
 毎回最高裁判決を受けているが、そこでは参議院が衆議院とは違う独自の役割をまず考えて、それを実現  するための国会法の改正などをやることを我々国会に求めているはず(p.8下)。

 憲法学者の宍戸教授との勉強会で「参議院が衆議院とは異なる機能として、
 地方問題をしっかりと全国比例の議員と一緒に都道府県の議員が議論をしていく、そうした機能を国会法を変えて持たせ…合区を廃止するなら、違憲判決は出ないのではないか」と質問しました。p.16中-下

(注、それに対し宍戸教授が「都道府県に一席ずつ割り振るのはあり得る選択肢だ」と、
 肯定的な答えをした旨を紹介したあと)
 合区廃止のために改憲をすることには反対で、一票の較差を改憲によって葬り去ることは許されない。

●その他の意見はすべて合区解消には反対。

 ・西田実(公明)p.9
 ・高木かおり(維新)p.11中~12上
 (共に)従来から全国を11のブロック単位とする個人名投票の大選挙区制を提唱している。
・渡辺善美(みんなの党)p.14上
 選挙制度の変え方には色々なやり方がある。改革から反するようなことを
 何で今この選挙前にやるのかは非常に解せない。

・福島みずほ(立憲・社民) p.25中
 自民党は2015年に反対がある中で合区を導入した。2018年になり、3年もたたないうちに合区解消のた めの憲法改正という議論が出てくることは全く理解できない。
 3年でころりと変わるのであれば、そのようなものを憲法に書いていいのだろうか。

 一極集中や過疎化、地域の疲弊の問題は理解するが、一極集中は新自由主義がもたらしたものだ。地方の声を国会は聞いているか。沖縄の基地の建設反対、県民投票の声を聴いているか。  p.26中

※この日は資料2種類が議員に配られ、特に参考人2名の説明のあいだに使われました。
傍聴席には配布されず、理解しずらい事柄もかなりありました。
それで当グループでは審査会のあと検査会事務局と法制局にそれぞれ資料を欲しいと言ってみたら、印刷して持ってきてくれました。頼んでみるものだな、と思いました。
ついでにこれからは前もって傍聴人用にも資料を準備してほしいと伝えました(衆議院では、ふつう資料があるときは傍聴席近くの机に置いてあります)。

下記は参考までにご覧ください。
自民党改憲案 「合区」の条文. 
https://www.sankei.com/article/20180325-4JNSZD6FAJLDLKCEN4652L4W7A/2/

只野雅人教授 「合区」解説  憲法ネット103のサイトに発表
https://kenponet103.com/archives/163

〔476〕最新「ゆめ通信」には安田菜津紀さん講演・西崎典子さん「憲法審査会ウオッチング」など満載です。

2022年05月22日 | メール・便り・ミニコミ
 清瀬市議・布施由女が年4回が発行し続けている「ゆめ通信」最新号(2022年春号)が刷り上がってきました。ウクライナカラーの議会便りです。
 布施由女の議会報告、お馴染み西崎典子さんの憲法審査会ウオッチング、新登場・奥田時江さんの「エシカル消費の勉強会で学んだこと」、安田菜津紀さんの講演会の様子など盛りだくさんです。
 最終ページはウクライナ危機の今、世界平和を祈願して、メンバーからの熱いメッセージです。是非拡大して、ご覧ください。









◆憲法攻撃を迎え撃て
  沈思実行(100)
                        鎌田 慧

 停戦のための努力をまったくせず、これからますます激化しそうな
ロシアのウクライナ侵攻を好機とばかり、岸田文雄首相は5月3日の
憲法記念日でも、憲法を攻撃している。
 彼は改憲派団体(わずか200人か300人程度の集会)に送ったビデオ
メッセージでこう言った。
「施行から75年が経過し、時代にそぐわない部分は改正して
いくべきだ」

 古くなったから変えよう、との粗雑な言い方だが、敵は本能寺、
攻撃を平和国家の精神というべき、憲法9条改悪にむけているのは
周知の事実。
 自民、日本維新などにいるウルトラ右翼や自己保身のために、憲法を
戦争準備に売り渡そうとする政治家たちの、憲法改悪の叫びがこれから
強まりそうだ。

 岸田首相は、ビデオメッセージでウクライナ戦争とコロナウイルスの
蔓延をダシにして、9条への自衛隊明記や緊急事態条項など、自民党
改憲案の「早期の実現」を訴えた。
 平和憲法を祝う日に、首相が、白昼堂々、憲法破壊を公然と語る(
99条違犯)のは、無法行為というべきだ。

 安倍の弟、岸信夫は岸信介の養子となった男だが、いまは防衛大臣に
引き上げられ、岸と安倍の右翼性を引き受けている。
 訪米していた5日、オースティン国防長官と会談、「敵のミサイル
発射拠点などをたたく『敵基地攻撃能力』をふくめ『あらゆる選択肢を
排除しない』と述べ、オースティン氏は歓迎した」
                  (「朝日新聞」5月6日)
 「敵基地攻撃能力」と「核共有」が、ロシアのウクライナ侵略戦争後
の、安倍など右派のどさくさ紛れの主張だ。

 核共有は、アメリカの核爆弾を日本に持ち込ませようという暴論
だが、さすがにヒロシマを選挙基盤にしている岸田首相には、認められ
ない方針だ。
 ウクライナの人びとが戦争に苦しむのを尻目に、防衛費の倍増(年間
10兆円以上)を図り、台湾有事を煽って日米同盟強化、沖縄の先島での
ミサイル基地建設、教育、マスコミの統制強化がすすめられようと
している。
 その結果、アメリカの戦争に巻き込まれる。
 戦争に参加するのはマッピラ御免だ。
              (5月18日週刊「新社会」8面より)

〔475〕貴重なリベラル誌『神奈川大学評論』の創刊100号記念号が発行されました。

2022年05月17日 | 図書案内


  神奈川大学広報委員会が発行している『神奈川大学評論』が創刊100号になりました。年3回発行、165頁、定価889円のアカデミック・ジャーナルです。1987年創刊ですから35年の時が流れたことになりました。奇しくも同年、田原総一朗司会の「朝まで生テレビ!」がスタートしています。
 創刊100号記念号に相応しく、「大学の存立意義」(兼子良夫)、座談会「『神奈川大学評論』の三五年」、「創刊100号記念随想」などが特集「過去・現在・未来-『神奈川大学評論』から見る未来」として組まれています。
 その他に、詩、書評、コラム、歴史の証言など読みどころ満載です。

 ところで、この『神奈川大学評論』が何をめざしているのか、心にすとんと落ちる言葉を見つけました。「大学の存立意義」(兼子良夫)の結語です。
「大学の歴史とその存立意義を顧慮すると、日本においては、一九四七年制定のリベラルな教育基本法を再評価するとともに、同法から導かれる要諦は、教員は福沢の言う『奴雁』となり世界に還元し、学生が真実の自己究明を成す『教養』を身に付けることにあり、このことが人類の命運を握っていることを、大学人として強く意識したいと考えている。」

 さて、私がこれから時間をかけてじっくり読みたいと思っているのが次の論考です。

・巻頭エッセイ 裏切られた村 核政策の犠牲者たち 鎌田慧
・対談 過去・現在・未来-日本社会の行方   金子勝・藤原帰一
・「歴史の終わり」の「文明の衝突」 大澤真幸
・「格差」の過去、現在、未来 山田昌弘
・資本主義は終わらない。民主政は手放せない。だが今のままでは社会が終わる。何が必要か。 宮台真司
・政治指導者ではなく、小さき人々の声を届けよう、残そう 金平茂紀
・特別寄稿 ウクライナ戦争と在外ディアスポラ 下斗米伸夫
・論壇時評 ウクライナ侵攻-ロシア《帝国》主義のめざすもの 白井聡

〔474〕西崎さんの「憲法審査会ウオッチング 5.12衆議院 主題憲法9条(公式議題は国民投票法を巡る諸問題)」です。

2022年05月17日 | メール・便り・ミニコミ
 精力的に憲法審査会ウオッチングを続ける西崎典子さんの貴重なレポートです。感謝しつつ拝読します。

◆傍聴を続ける西崎より
BCCで知り合いの皆様にお届けします。皆様からさらに広まりますよう。

■4.7院内集会、田中弁護士の呼びかけ
「大切なのは傍聴して、中継を見て、議事録を読んで、審査会の最前線を知ること。
学習会や署名をして、選挙に勝つこと。
市民・法の専門家・学者・研究者、皆で頑張りましょう」
■さらに
「審査会委員に、ファクス・電話・メールで激励・意見・疑問などを届けましょう」

■訂正事項 謹んで下記のとおり訂正いたします。
 4.28ウオッチング  誤) 相沢一郎自民党議員
           正) 逢沢一郎自民党議員

 4.14ウオッチング   誤)(共産党の)不破委員長
            正)      志位委員長



■本日の主題は憲法9条でした。「我が国をめぐる安全保障環境が厳しさを増している」

「国防規定」の表現を使いながら9条の論点に入りました。


■公式の議題は“国民投票法の改正を巡る諸問題”となっており、森会長は

「…憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題について討議を行います」と冒頭に述べたのですが。


■前回5.12の審査会では奥野幹事が抗議を続ける中、新藤幹事は、自民党等が共同提案した同法の改正案を

「ご審議の上、速やかに御可決くださいますよう…」で締めくくりました。

今回は引き続きこの件を審議することもあり得たはずですが、

議題と異なる、9条の本格的な討議の方に力が働いたのでしょうか。



■国民投票法と緊急事態条項についての意見も少し出ました。

奥野幹事は、CM規制等が手当されない改正案のままでは改正発議はできない、とこの日も述べました。



■以下が主な発言です。 足立委員がまた暴言を発しています。ずっと後ろですが、チェックください。 

 (全体で話されたことの一部分です。願わくば未定稿全文を読まれますよう)

  どのような9条論が展開されているか、論法と内容を人にに知らせる・反論することが私たちに望まれます。

  長文ですが、お付き合いくださいますよう。


・新藤幹事 p.1中段~2下

「今の憲法にはない、国防規定について議論をし、憲法に反映させることは、

 緊急事態条項と併せ最優先で取り組むべき。

「自衛隊は国民を守るための実力組織として…国民の強い信頼を得ている。しかし、

 自衛隊が合憲だと言い切る憲法学者は2割程度しかいないという指摘もあり、

 自衛隊は違憲とみなす政党もある。自衛隊が憲法に位置付けられていない状態を

 放置しておくわけにはいかない。


「近年は…新たな安全保障上の脅威が増大している。このような安全保障環境の変化に対応するため、

 2015年、我が国は平和安全法制を整備し、存立危機事態における集団的自衛権の限定行使を可能とした。

 いかなるときも防衛体制の整備は必須であるが、

 ここまで整備を進めてきた自衛隊が、憲法に位置付けられていない。

 

 私たち自民党が提案している国防規定と自衛隊を明記する憲法改正は、

 75年前に占領下で制定された憲法を独立国家として完成させようとするものです」



・奥野幹事 p.2下ー4下

「安全保障について考えることは必要だし、防衛力も必要に応じて整備していくことは必要。

 しかしそれが直ちに憲法改正に結びつくのか、違和感を覚える。

 自民党案のように9条一項、2項を残したうえで9条の2を更に設けることで

 自衛隊がフルスペックの集団的自衛権の行使ができるのかどうか、こういう議論が再燃する。

 憲法13条との関係でフルスペックの集団的自衛権は認められず、問題がある」。



「自衛隊を違憲だと言う人はほとんどいない。自衛隊は国民の間に定着しているから、

 憲法を改正する必要はない」。

「専守防衛の見直しなどと言う話が新聞紙上に出てくるが、…これは先制攻撃を容認すると

 いうことにつながるから、まさに国際法違反になる。先制攻撃をすることは…国連法違反、

 国際法違反になりますから、専守防衛の見直しという言葉が安易に出てくること自体が問題。

 世論調査では、専守防衛は約7割の国民が守るべきと言っている。

 専守防衛を見直すべきだという間違った議論をただす議論はしていきたいし、

 9条を使って日本をしっかり守れるということも反論していきたい」。



・小野委員(維新)p.5上

「残された会期内において我が国の安全保障と憲法に係る問題について

  審議するよう提案します。p.5下

 

 次期参議院選挙において憲法改正国民投票も同時に実施するべきと、

 松井一郎代表は述べてきたが、これは断念せざるを得なくなりました」

 (※注、もともと維新らしい無茶な、ありえない設定でした)



「参院選では安全保障環境をどう認識し、安保政策をどう考えるか、

 憲法改正についてどのような具体案を出すのかについて、各政党が国民に明確に示すことが政治の責任である」

( ※注、改憲政党は、参院選で具体的な内容付で必ず改憲を打ち出してきます。

 立憲野党は「9条を守ろう」というだけでは弱いのでは?と危惧されます)



・北側委員(公明党) p.14下ー15下

(※注我が国を取り巻く安全保障環境は一段と厳しくなっていると述べつつ平和安全法制を評価する。

 この時点では9条の改憲にまでは踏み込まない)。


「9条の下でどこまで自衛隊の措置が可能かという議論をした結果、平和安全法制ができた。

 この法制はますます重要性を増している。日米間の連携が強化され、米軍が攻撃された際も…

 専守防衛の範囲内で自衛隊が米軍を守ることができるようになった。共同訓練や情報共有も進んだ」



「憲法の三原理である国民主権、基本的人権の尊重を堅持しながらも、日本の安全保障に万全を尽くしていく必要がある。

これまでも我々は専守防衛を堅持しながら、…平和安全法制を整備してきた」。



・玉木雄一郎幹事 p.7下ー9上

「9条は2項で戦力の不保持と交戦権の否認を認める一方、現実の防衛政策として、

 国際的には戦力と言える自衛隊を保持している。この条文と現実との乖離を埋めるため、

 政府は現実を追認する形で、戦力は保持できないが、自衛のための必要最小限度の実力行使、

 自衛隊行動権は容認されるという、容易には理解しがたい解釈を積み重ねてきた。

 その結果、憲法9条は、現実を規律、統制する規範力を事実上失っていると思う。

 

 さらに2015年、戦力不保持、交戦権否認をうたう憲法9条の下で、

  集団的自衛権の一部容認まで踏み込んだ安保法制を成立させたことで、

 憲法9条の規範力、統制力はいよいよ限界を突破し、9条2項の空文化に拍車をかけたと言える。

 逆に言えば、現行憲法改正の必要性がこれによって著しく低下したとも言える。p.8中

 

 厳しさを増す安全保障環境の中で憲法9条に現実的な対応を取る必要性を正面から認め、

 …現在の解釈ではできないことは一体何か、

 改正によって得られる意義、必要性を冷静に見極める必要がある」


「自衛隊を明記するかどうかの形式的な議論の前に、自衛隊にいかなる自衛権権の行使を憲法上認めるか、

その行使を担う実力組織は戦力あるいは軍隊なのか、という本質的な議論が必要だ」 p.8下

 (※注.玉木委員の主張に対しては、石破委員は賛意を示す(「最小限度」という「物差し」についてなど)p.12。

 が、主張に反応した他の委員は否定的な見解でした)。



・赤嶺政賢委員 p.9下-10下

「憲法の原則に反する現実を正す議論が必要だと指摘してきたが、与党は問題提起に応えていない。

 憲法が蹂躙されている沖縄の実態は重大だ。

 復帰後も広大な米軍基地は温存され、憲法の上に日米地位協定が置かれていて、

 米軍関係者の犯罪行為、騒音、異臭、有害物質の流出に県民の人権は脅かされ続けている。

 今は平和憲法そのものが壊されようとしている。

 南西諸島での敵基地攻撃能力保有の検討を進めている。

 武力衝突が起これば真っ先に犠牲になるのは沖縄県民だ。

 憲法を変えるのではなく、憲法9条に基づく外交を粘り強く行うことだと強調したい」。



・北神委員 p.10下

「まだ手をつけてない論点の憲法第9条を論ずるべき」

「台湾有事は日本有事だという覚悟をすべき」

「我が国が専守防衛にとどまり、米国が攻撃能力を担うという方針で、

 中国をほんとに抑止し、平和を確保できるのか」

「今回のロシアと同じように、台湾有事の際、中国が核の威嚇をした場合、

 米国が今回と同じように身動きが取れなくなるかもしれないと推測するのは、

 私の被害妄想に過ぎないのでしょうか」



・野田佳彦委員 p.13

(※同人は、今期は発言したことがなかったが、この日、

 それまでの議論に全く関係がない話題を持ち出しました。

 目的は与党側の論議をそらすためか、逆にすり寄るためか?

 常識的には立憲野党の主張を補強する立場にあるはずです)(奇妙なのであえて取り上げます)。


  同委員の主張は、皇室制度に係る安定的な皇位継承を確保する観点については、

  憲法的な視点から審査会でも議論が必要というものでした。

  ⇒新藤幹事の回答は国会の議論のゆくえをまず見届けるというもの。p.14中



・足立康史委員

三つの質問を提出した。p.15下


質問1) 玉木委員に対し

「憲法9条の規範力が崩壊したみたいなことには賛同できない。

自衛権については、日米同盟の中で存在しているもので、

米国のスタンスによって伸縮しかねない内容だ。憲法にいわゆる自衛権の範囲なるものを既定していく

立憲的改憲論というのは大変危険なものであって、合理性の低いものである。

私たちの立場から、本国会中に憲法9条に自衛隊をどう明記するのか、

イメージ案を提示していきたい。

そうした意味で規範力がなくなっているというのは撤回していただきたいと思う」。


 ⇒玉木委員の回答 「規範力はやはり一定程度落ちていると思う。きちんとした条文に沿った議論は必要。

  自衛権が米軍によって伸びたり縮んだりすると言うこと自体あり得ない。等」p.16下



質問2)赤嶺委員に対し p.16中

「…あらゆる手段を使って防衛をするというのは、火炎瓶や武器を手に取って戦えと

言っているようにしか聞こえない。改めてそういうことかどうか、答えてほしい。



(※注 4.14の審査会のときの自身の発言を再び持ち出したもの。

「日本に対する急迫不正の侵略が起きた場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を用いて…守り抜く」

という志位委員長の発言にからめ

「あらゆる手段とは何か」を足立委員が赤嶺委員に尋ね、

その際「一般国民に対し火炎瓶や武器を手に取って戦えとおっしゃっている以外には想定できない。

…破防法の監視対象になっていることの理由も理解できる」(未定稿4.14p.14下)と、揶揄している)。




質問3)奥野幹事に対して p.16中

「5.3の集会で…ロシアよりひどいのが今の与党だと、べらべらべらとおっしゃって、

 今の憲法審査会は、各党がいかに改憲に熱意があるか、それを示すPRの場になっていますと、ひどい侮辱をされている。十秒だけあげるので、謝罪をして ください」


(※注.「ひどい侮辱をされている」と言うが、ひどい侮辱発言を頻発しているのは、足立委員他の維新の委員です。

 今までにも取り上げているとおりです。本来は議長が注意してしかるべきケースでしょう)。


質問の2)と3)については持ち越しとなりました。理由⇩

森会長「かなり発言時間を過ぎていますので、会長の判断で、

赤嶺君、奥野君の答弁はまたの機会に譲らせていただきます」



委員発言は以上。

以下は、おすすめする憲法関連の記事です。


憲法について深く思考する筆者の論考⇩
プーチンから日本国民を守るのに「憲法改正」が本当に必要なのか?  新恭(まぐまぐニュース) 赤かぶ (asyura2.com)


ウクライナ侵攻を理由に憲法改正を叫ぶ政治家の発想は「必殺技の名前叫ぶ漫画と同じ」 引っ越し貧乏で退官選んだ幹部自衛官もいる日本、識者「改憲の前にやることある」⇩
https://news.yahoo.co.jp/articles/a78b889e3580a508d66a5c050563c12e1f59ef6f?page=1

まっとうな憲法報道に向けて 日本の立憲主義の課題は何か
長谷部恭男 早大教授に聞く
https://webronza.asahi.com/journalism/articles/2022042500003.html


〔473〕鈴木清隆さんによる橋本義夫論3部作『危機の克服』『探求と記録』『無所有の所有』が発刊されました。

2022年05月16日 | 図書案内
 同世代の鈴木清隆さんから大部な橋本義夫論3部作『危機の克服』『探求と記録』『無所有の所有』が送られてきました。その厚さゆえ、郵便受けから取り出すのが一苦労の大作でした。

・橋本義夫論Ⅰ『危機の克服』B5版150頁 頒価:1000円+送料
・橋本義夫論Ⅱ『探求と記録』B5版186頁 頒価:1000円+送料
・橋本義夫論Ⅲ『無所有の所有』B5版174頁 頒価:1000円+送料
           いずれも、『模索』編集室(0426-91-4648)発行









 以前にいただいた『模索4』(ブログ280で紹介。私との関係などにも触れています。)に「橋本義夫の見た光景」が収録されていましたが、鈴木研究がそれとはまた別稿の橋本義夫論で、まさかB5版で合計500頁を超える大研究になるとは想像もできませんでした。
 正直に告白してしまうと、浅学な私は橋本義夫という人物がどういう仕事をしたのか、ほとんど知らなかったのです。そこで、手っ取り早く電子辞書に頼ることになりました。

◆ウィキペディアより
橋本 義夫(はしもと よしお、1902年(明治35年)3月13日 – 1985年(昭和60年)8月4日)は、自分史の先駆的な試みである「ふだん記(ぎ)運動」の理論的指導者である。

□来歴・人物
東京府南多摩郡川口村字楢原(現・東京都八王子市楢原町)に、郡会議員を務めた農業・橋本喜市の二男として生まれる。1920年府立農林学校を卒業後は家業を手伝う傍ら、トルストイ・武者小路実篤・内村鑑三らの著作に親しみ、志を同じくする青年たちと共に生活改善運動や農村図書館設立運動に取り組む。1928年には八王子市の繁華街・横山町に書店「揺籃社」を開業する。青年層の理想主義に訴えるような良書を多く取り扱い、やがて多摩地区の文化センター的な存在となっていった。

非戦論者であった橋本だが、1941年太平洋戦争が勃発すると、「敗戦となれば人民が惨苦を負担」することになるとして戦争協力の意向を固め、軍部に義捐金の寄付を行うなどしたという。ほどなくして彼我の生産力の格差から日本の敗戦を確信し、東條英機首相への直訴を計画したりもした。1944年11月、治安維持法違反のかどで拘引され、5ヶ月間の留置場暮らしを経験する。1945年8月2日の八王子空襲によって揺籃社と楢原の生家を消失し、蔵書の大半を失った。

終戦後の1946年、自らの戦争責任を厳しく断罪する「戦争犯罪自己調書」をしたため、「懲罰」として「青年・少年・未来の人民のために奉仕すること」を自らに課す。以後、無名のまま埋もれた郷土史上の人物を顕彰する「建碑運動」に取り組んだり(有名な碑の一つに、八王子市鑓水の「絹の道碑」(1957年建立)がある)、地元の文化・歴史の研究活動に尽力した。

1968年、「文章は一部の特権階級や文章職人のものではなく、万人のものであるべきだ」との問題意識の下に、『ふだんぎ』創刊号を発行する。橋本は繰り返し「下手に書きなさい」と訴え、投稿者には必ず褒める返事を書いた。1970年歴史学者色川大吉が『朝日新聞』紙上にてふだん記運動を紹介したことで参加者が増え、全国的な拡がりを持つこととなった。色川は「民衆の新原理を追求した新常民運動」であると評価している。『ふだんぎ』は2007年10月刊行分まで通算114号を数え、現在全国で15のグループが活動中である。

1985年8月4日、胃癌のため逝去。享年83。
□参考文献
小倉英敬『八王子デモクラシーの精神史 橋本義夫の半生』(日本経済評論社、2002年)


 鈴木さんからは3部作を「批評してください」とメモ書きがあったのですが、批評などできる知識と能力を私は持ち合わせていませんので、紹介だけさせていただきます。
 まずは、各巻の構成です。各巻とも、「はしがき」と「あとがき」が書かれていますが省略します。

・橋本義夫論Ⅰ『危機の克服』
Ⅰ 橋本義夫における記憶と記録
Ⅱ 詩集『雲の碑』について
Ⅲ 精神形成における危機の克服
Ⅳ 『古代・中世地方史研究法稿』の独創性

・橋本義夫論Ⅱ『探求と記録』
Ⅴ 他者としての母の発見
Ⅵ 「戦争犯罪自己調書」について
Ⅶ 「庶民」と「地方」とは何か
Ⅷ 「困民党事件」論考について

・橋本義夫論Ⅲ『無所有の所有』
Ⅸ 『老枯日記』について
Ⅹ 「ふだん記」運動について
資料1 年譜
資料2~4 ふだん記運動関連
参考文献一覧


 最初に私が紐解いたのはⅢ巻の「年譜」からでした。年譜から興味を持ったことは以下のことです。
 橋本が小学校に入学したのは、現・八王子市立陶鎔小学校でした。昨年私が教育実習指導で3回訪れた学校です。100年を優に超える伝統のある学校で、強く印象に残っています。
 八王子の書店、揺籃社を創設したのも彼でした。鈴木さんからかつていただいた、さねとうあきらさんと鈴木さんの対談集『対話-児童文学と国語教育をめぐって』は揺籃社発行です。いつぞや朝日新聞に揺籃社のことが取り上げられていたのを記憶しています。
 橋本は戦前に北方教育運動に関心を持ち、城戸幡太郎などの教育科学研究会のメンバーが八王子を訪れているのでした。
 そして、色川大吉さんとの交流。彼の紹介によって橋本が一躍全国区へと評価・認識されたと鈴木さんは書いています。「色川大吉氏は橋本義夫を発掘しその業績の異議と価値をひろく世に知らしめた方です。」とあります。

 鈴木さんの橋本義夫研究は著作を読み解くことと橋本の住居や出かけた場所を「追体験」することでした。前者が今回の3部作、後者が『模索3』『模索4』に結実しました。
  鈴木さんは色川大吉を大いにリスペクトしながらも、異なった視点からの橋本義夫論を提起したと書いています。今、色川論文と鈴木3部作を少しずつ読んでいこうかと思案しているところです。



 以上、本当に雑駁な紹介になってしまいましたが、興味を持たれた方は是非現物を手に取ることをお勧めします。

〔472〕雨の中、清瀬発「ウクライナの平和を祈るキャンドルナイト」が開催されました。

2022年05月14日 | 市民運動
  昨、5 月 13 日は一日雨模様でした。それにもめげず、雨対策の重装備でバイクに跨がり、大学に急ぎました。とって返して、「ウクライナの平和を祈るキャンドルナイト」が清瀬駅頭で開かれるというので、馳せ参じました。
 わずかに雨を凌ぐ階段脇で、厳かにキャンドルの灯が揺らめいていました。傍らで美しいテノールの歌声が響いていました。
 ロシアのウクライナへの侵略、暴挙は断じて許せません。今のロシアを見ていて、戦前の大日本帝国を想起しました。ロシアのマスコミ報道と大本営発表が重なります。満州事変からの15年戦争、1941年12月からの太平洋戦争、日本人は310万人、アジアでは1900万人以上の人が亡くなっています。
 日本の国是、非核3原則を反故にする核共有論、個別的自衛権を逸脱する敵地攻撃能力の保持、軍事費2%越えの主張など平和憲法を無視するような発言が聲高に語られています。戦争ができる普通の国に戻ってはいけないと思いキャンドルに手を合わせました。












◆沈思実行(99)    鎌田 慧
  調子に乗り出した自民党右派
  敵基地へのミサイル攻撃保有、防衛予算を2倍の10兆円へ

 ドキュメンタリー映画「教育と愛国」(斉加尚代監督)をみて
から、自分が受けた教育を考える。愛国者の少年版「少国民」を育成
する「国民学校」1年生を3カ月。その年の8月敗戦。学校は「小学校」に
もどった。
 「ススメ ススメ ヘイタイススメ」の軍国教育が終わった。疎開先
から帰って、製本されていない、印刷しただけの全紙大「教科書」が
配給された。ページの端をナイフで切って使った。兄たちは軍国的な
記述を「墨塗り」して使っていた。

 軍国主義教育を押し進めた全国一律の「国定教科書」は、廃止
された。教師たちが自分で教科書を選べる、自主選定の時代になった
のだ。「民主教育」のはじまりだった。
 それまで、私は靖国神社の支社ともいえる、田舎の護国神社の前で、
かならず両手をズボンの折り目につけ、最敬礼してから通り抜けて
いた。「軍神」(戦没者)への敬意が身についていたのだ。

 この映画では、1999年の「国旗及び国家に関する法律」施行が、
教科書検閲のメルクマールとなっている。
 政府は日の丸、君が代を「国旗」、「国歌」として強制しない、
確約していた。
 が、教育基本法に「愛国心」が盛りこまれたり(2006年)、日本維新
の会が権力を握る大阪府の議会で、国旗国歌条例が成立(2011年)され
たり、日本会議などに集まる右翼政治家たちの攻勢が強まった。

 その前からも、教科書調査官による検定は厳しくなっていた。家永
三郎の教科書裁判や丸木位里・俊の「原爆の図」排除などがあった。
 わたしも『狙われた教科書』(光文社、1981年刊)で紹介したが、
岸本重陳横浜国立大学教授の「帝国主義」の記述が、「一般的では
ない」と忌避されたり、言論弾圧は2020年10月の日本学術会議の新会員
排斥に至るまで、横暴甚だしい。

 そしていよいよ、安倍元首相を「軍師」として、ロシアのウクライ
ナ侵略に乗じた突然の敵基地へのミサイル攻撃」保有と「核共有」
発言。
 防衛予算を2倍の10兆円へと、恥ずかしげもなく語られるように
なった。      (2022年5月11日「週刊新社会」8面より)

〔471〕「公立共済共の会だより」に、梶本暁代さんの脚本「同窓会ごっこ」にまつわる投稿が掲載されていてびっくりしました。

2022年05月09日 | 学校教育
 東京都の公立小学校教員を55歳で早期退職してから十数年の月日が経ちました。その時点で公立学校共済組合の組合員であったということで、現在も「公立共済共の会だより」(年3回発行)が送られてきます。
 先だって届いた最新号(2022年5月号、160号)の「いきいき人生」という投稿欄に、私と同年齢の武藤育夫さん(東京都江東区)という方の「若かりし頃」という文章が載っていました。



 本棚を片付けていたら、卒業した子どもたちの学芸会と卒業式の八ミリビデオカセットが出てきたというのです。写真屋でDVDに変換して、それを見たそうです。学芸会の劇は「同窓会ごっこ」です。その思い出と現在の心境を語るものでした。

 「同窓会ごっこ」の文字を見つけて懐かしくなりました。作者は梶本暁代さん。このブログでは劇団・X探偵団の公演について書いたことがあります。梶本さんと劇団を主宰してきた渡辺茂さんの追悼公演についてでした。
 演劇教育の実践を深めていた私が、最も愛していたのが梶本作品でした。拙著『実践的演劇教育論-ことばと心の受け渡し』(晩成書房、2013年)に「私の演劇教育実践史」を書いていますが、ご本人以外で梶本作品を学芸会や学習発表会、演劇クラブなどで最も多く上演させていただいたのが私ということになりそうです。小学校の梶本作品と中学校の渡辺茂作品は学校脚本の歴史に残る珠玉の作品群です。



 この「同窓会ごっこ」は『小学校脚本集 5』(晩成書房、1985年)に掲載されています。私も編集委員の末席に座らせていただきました。この作品は演劇クラブで演じたものでした。



 今願うのは、演劇を初めとする表現教育がますます日本の地に根ざすことです。

〔470〕徳永進「死を目前にしたとき 何思う」(朝日新聞、5月5日)に匿名で 矢部顕さんが登場しています。

2022年05月08日 | テレビ・ラジオ・新聞
 鳥取の「野の花診療所」院長の徳永進さんの記事が大きく朝日新聞に取り上げられていました。彼は同世代の尊敬すべき医師で、著書『死の中の笑み』『隔離』(ゆるみ出版)は私の愛読書です。徳永さんと矢部顕さん(このブログでお馴染みですね)が学生時代からの友人だったことを知ったのは十数年前のことでした。
 記事には「京都大の医学部時代、鶴見俊輔が同志社大で教えていた。鶴見ゼミにいた同じ下宿の先輩に誘われ、潜り込んだ。」とありますが、この先輩が矢部さんのことなのです。記事を一読してすぐにわかりましたが、矢部さんからもメールをいただきました。記事とともに紹介します。

◆福田三津夫様
福田さんは徳永進の本を愛読している。徳永進を知ったのは先輩教師の菅龍一さんから教えられたと、以前ブログに書いていらっしゃいましたよね。
その徳永進が矢部の友人だったことの驚きと不思議なご縁をお聞きして、こちらがびっくりでした。
5月5日の朝日新聞に、野の花診療所と徳永進の記事が掲載されていました。
鶴見ゼミにモグリで入り込んだのは私が誘ったからと書いてありましたが、よく覚えていません。
新聞記事はA3ですがA4に縮小しました。読みにくいと思います。拡大してお読みください。
                               矢部 顕


〔469〕「ロシアのウクライナ侵略を利用して改憲を進めようとする動きに歯止めを!」最新「腰越九条ニュース」です。

2022年05月05日 | メール・便り・ミニコミ
  最新の腰越九条ニュース188号です。
  塚越さんの「情況への発言」に頭が下がります。

◆福田三津夫様
 いつもお世話になりましてありがとうございます。
 腰越九条ニュース188号ができましたので添付します。
 ロシアのウクライナ侵略を利用して改憲を進めようとする動きに歯止めをかけ
ようと書いたものです。
 お読みくだされば、ありがたいです。
                  t417mabui@nifty.com 塚越敏雄





〔468〕久しぶりの有明防災公園・憲法集会に1万5千人が結集しました。

2022年05月05日 | 市民運動
  2020年冬ぐらいから始まったコロナ禍のため、憲法集会はしばらく休止していましたが、今年の5月3日の憲法記念日に憲法集会が帰ってきました。例年のように東京・有明防災公園が会場です。晴天に恵まれて参加者は1万5千人を数えました(主催者発表)。
 まだまだ続くコロナ禍のため、いつものように地域の仲間に気軽に参加を呼びかけられませんでした。しかし、連れ合いは、憲法改悪反対の意思表示だけはしたいということで、2人で集会だけでも参加することにしました。





 会場アナウンスで「あまり詰めすぎないでお座りください。」と指示があり、それでもびっしりの参加者です。特に真ん中の通路の後ろの団体席(戦争をさせない1000人委員会、戦争する国づくりストップ!憲法をまもり・いかす共同センター)は隙間無く埋まっていました。私たちはステージ前の市民・一般参加者席です。





 集会のスケジュールを写真に収めました。手持ちのステッカーの裏にスケジュールが書かれているのです。ステッカーは2種類、記念にどちらもいただきました。もちろんわずかですがカンパもしました。こうした大きな集会を開催するには莫大な費用がかかるそうです。少しでも足しになったらいいなと思うのです。







 司会は男女の若者(所属は1人はピースボート)の2人。「ウクライナ特別決議」は国会前の集団的自衛権反対集会でお馴染み、司会などを担当していた菱山南帆子さん。そして国会議員の挨拶が続きました。立憲民主党・奥野総一郎(衆議院憲法審査会幹事、写真は撮れませんでした)、日本共産党・志位和夫委員長、社会民主党・福島瑞穂党首、れいわ新選組からはどなたかの代議士の秘書が出席したそうです。
*志位和夫委員長

*福島瑞穂党首


 その後、沖縄・日米地位協定問題を髙嶋伸欣さん、貧困・労働問題を竹信三恵子さん、市民連合連帯挨拶を中野晃一さん、そのほか何人かのスピーチが続きました。
*髙嶋伸欣さん

*中野晃一さん


 帰宅してからパソコンを開いたら、早速集会のユーチューブが掲載されていました。集会とデモ行進に分かれています。少し長いけど、支援のための視聴をお願いします。
 清瀬の仲間には集会の様子を定例会で報告し、駅頭のスタンディングに生かしたいと思います。



https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=video&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiMk5TVzcf3AhWtmFYBHc4GDIM4ChC3AnoECAsQAg&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DsbNtThtj8hk&usg=AOvVaw21TWk1eoux1k2jeSnabMkM

◆東京新聞の集会記事です。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175342
護憲派1万5000人声合わせ「今こそ憲法を守れ」 憲法記念日の大規模集会、3年ぶり開催:東京新聞 TOKYO Web

護憲派1万5000人声合わせ「今こそ憲法を守れ」 憲法記念日の大規模集会、3年ぶり開催:東京新聞 TOKYO Web

 日本国憲法施行から75年を迎えた憲法記念日の3日、護憲派の大規模集会が東京都江東区の有明防災公園で開かれ、1万5000人(主催者発...

東京新聞 TOKYO Web

 


◆最後に市民意見広告です。(5月3日、朝日新聞掲載)






〔467〕憲法記念日の今朝届けてくれた西崎さんの憲法審査会ウオッチングを熟読したいものです。

2022年05月03日 | メール・便り・ミニコミ
 憲法記念日の今日パソコンを開けて目に飛び込んできたのが西崎典子さんの憲法審査会ウオッチングでした。4月27日(水)の参議院憲法審査会の報告でした。西崎さんの「持続する志」と日本国憲法に対する熱い思いがひしひしと伝わってきます。報告の最後は次のように書かれています。(再録)
■5月3日は憲法記念日。
私たち一人ひとりに尊厳があり、人権があって
大切な存在だと教えてくれる日本国憲法。いつまでも大切にしたい。

 彼女の思いを共有して、本日の有明防災公園での「改憲発議許さない! 守ろう平和といのちとくらし 2022憲法大集会」に参加してきます。〔後日報告予定〕

◆傍聴を続ける西崎より
BCCで知り合いの皆様にお届けします。
皆様発でさらに広めてください。

■4.7院内集会、田中弁護士の呼びかけ
「大切なのは傍聴して、中継を見て、議事録を読んで、審査会の最前線を知ること。
学習会や署名をして、選挙に勝つこと。
市民・法の専門家・学者・研究者、皆で頑張りましょう」

■さらに
「審査会委員に、ファクス・電話・メールで激励・意見・疑問などを届けましょう」

■審査会の内容
中川会長あいさつ
憲法第56条1項の「出席」に関する議論を中心として、各会派の総括的な意見表明を行います。
⇒共産党を除く6会派がオンライン出席は認められると表明しました。

以下に特徴的な意見を紹介します。
西田昌司幹事(自民)p.」2中~
注)この日も自民からはオンライン以外のことが出ます。特に今期で初めて「合区解消」に言及。
「世界の多くの国は憲法に緊急事態条項が記されている。…緊急事態に直面した場合、…
統治機構の運用を憲法上に規定する緊急事態条項について議論することが是非とも必要です。 
引き続き、合区解消・地方公共団体や緊急事態対応などの課題について
議論を前にすすめて行くのが国会、参議院憲法審査会の責務である…」

小西洋之幹事(立憲)
我が会派は、衆議院審査会のように見解の取りまとめを多数で行うことに
慎重な意見を表明した。憲法解釈は論理によって定まるものであり、
特に本件においては具体的な制度設計において更なる解釈の論及が求められる
ものであるからです p.4上
衆院憲法審の緊急事態条項の議論も、二院制における参議院の存在意義の一つである
参議院緊急集会の権能などの在り方を勝手に議論しているものであり、到底容認できない。p.4中

足立信也幹事(国民民主) p.7上
オンライン出席のうち、全議員に及ぶもの、すなわち緊急事態においては、三権の機能を維持するため、
権限が過剰にならないように、憲法への明文化が必要。緊急事態とは何かについても明文化すべき。

柴田巧幹事(維新)p.7中~9中
 注)討議ではただ一人「取りまとめ」(下記)を主張しています。
憲法上の論点について…何らかの形でこれまでの議論を重ねた結果を取りまとめ、
この審査会としての考え方を明らかにすべき。必要ならば、民主主義の原則である
多数決によって結論を出すという作業をいとうべきではないと考えます。
(注、民主主義だから早く多数決すべきだ、と今までも維新の委員何人かが繰り返して言います。
何回か議論したことにすれば、中味がなくても多数決すべきだ、というのが実際のところで
非民主主義的な態度に見えます)。

(以下、維新ならではの、いわば「信号無視を進もう説法」が満開。全文は【未定稿】でお読みください)。
予算成立までは審査会を開かないと言うあしき国会の前例に盲従した挙句、
開くにしても隔週というのはもはや許されないのではないか。
このままでは参議院はいらないと指摘されても胸を張って抗弁できないのではないか。p.8上
出席の概念、オンライン審議といったテーマが終われば、
直ちに緊急事態条項を集中的に協議すべきです。
我が党は、憲法改正の是非を問う国民投票(注※)を一日も早く実施すべきだと
一貫して訴えてきた。
現憲法は国民投票を経ていない。真に憲法を国民の手に取り戻すため、
憲法改正草案を取りまとめ、国民の判断を仰ぐべきです。
 (注※.国民投票法の討議も終わっていません。
本来は英国でEU離脱の国民投票が国を2分した例があり、慎重さが求められるはず)。

山下芳生(共産党)p.9中~11上
「衆議院の審査会で憲法56条がオンライン出席を認める「取りまとめ」をしたのは問題だ。
こうした衆議院の乱暴なやり方を受けて、参議院でもオンライン出席を議題とすること自体が大問題だ。
オンラインを審議にどう活用するかは、参議院改革協議会においても検討項目に挙がっており、
憲法審査会で議論する必要はない。

前回の審議で自民党の複数の議員が、オンライン出席の議論を超えて
緊急事態条項を加えることや自衛隊を明記することの議論に踏み込んだ。
憲法審査会を動かせば、自民党の改憲項目のすり合わせに向かう。これ以上動かすべきではない。

以上、審査会の意見表明でした。

■次に「戦争をさせない1000人委員会」のサイトを紹介します。
きれいなレイアウトで色々な観点から構成されています。特に改憲に関する
記事(連載)は、憲法や法の研究者が平易な言葉で書いていて

http://www.anti-war.info/watch/2204271/
【壊憲・改憲ウォッチ(9)】静かなる「憲法改正の動き」

【壊憲・改憲ウォッチ(9)】静かなる「憲法改正の動き」

飯島滋明(名古屋学院大学、憲法学・平和学) いま、メディアでは「憲法改正の動き」がそれほど報じられてはいません。 ただ、実は憲法改正にむけた政治は着々と、そして静...

戦争をさせない1000人委員会

 


こちら⇩は、同サイトの中、新しくできた「ウクライナ侵攻(と憲法の平和主義)」の
チラシ(A4表と裏)です。憲法との関係が書かれ、街宣にも、
自分で読んでも役に立つでしょう。 頼めば送ってくれます。
http://www.anti-war.info/information/2204281/
新しいチラシ「どうかんがえる? ウクライナ侵攻」ができました

新しいチラシ「どうかんがえる? ウクライナ侵攻」ができました

ロシアによるウクライナ侵攻からすでに約2か月、いまなお戦闘が続き、市民に多くの犠牲が出ています。いっぽうこうした事態を利用しつつ、自民党など改憲勢力の動きが活発化...

戦争をさせない1000人委員会

 


■5月3日は憲法記念日。
私たち一人ひとりに尊厳があり、人権があって
大切な存在だと教えてくれる日本国憲法。いつまでも大切にしたい。