75年前の6日に広島、9日に長崎に、、、
人や物ではなく、都市を一撃で破壊するために開発された原爆。
現在の核兵器だとその威力は何倍にもなり、一撃で小さな国が消滅します。
そんな兵器が人間社会に必要なのか・・・
広島の原爆ドームなどには2度しか行った事が有りません。それも遠い昔の話です(広島には何度も行っています)
しかし、そこで見た写真の一部ですが、今でも記憶に残っています。
一方、長崎の方は20年ほど一緒に暮らした彼女の故郷なので、原爆に関連した施設には何度も行きましたし。
彼女の一番上の姉が被爆者として存在して居ましたので、原爆の影響をほんの一部ですが自分の目で見る事が有りました。
その当時は不動産の仕事をしていたので、長崎の土地から原爆を知る事も有りました。
元々、長崎は平野部の少ない都市で、まともな平野部は駅前周辺だけです。住宅地は坂道に沿って広がり、その坂の高い所から家に入り、駐車場は家の下と言うのが普通に有りました。
そして驚いたのが墓地です。 都会では普通になりつつある共同墓地、お墓のマンションです。
これが戦後の長崎に与えられた課題だったんです。原爆で一度に多くの人が亡くなり、その後も原爆の影響で次々と亡くなっていきます。そこで登場したのがロッカールームの様なお墓です。
元々平野部の少ない都市なので墓地も無くなり、家で骨を保管し続ける状態なります。 墓地の価格も高額になり、貧しい家庭ほど墓を持てない状態になりました。 バブル景気で土地ならどこでも値段が上がる時代でも、長崎では住宅地より墓地の方が坪単価は高いなんて事は普通に有りました。
また、原爆関連で嫌な話も聞きました。
それは被爆者手帳です。。。つい先日に裁判でも話題になった、被爆者の認定を示す手帳です。
長崎では(広島も同じと思いますが、知識が無いので)
〇 一般疾病医療 〇 認定疾病医療
この二つの場合についての説明が有ります。
一般疾病(いっぱんしっぺい)はその名の通り、原爆は関係ない普通の病気です。
認定疾病医療の方は罹った病気が原爆が原因かどうかを国が認定して、国が認めれば給付金が出ます。
問題は、、、被爆者として手帳を交付されると(受け取ると)、原爆には関係ない病気でも治療・入院・食費などの支払いを国がしてくれます。
あえて問題は、、、と書きましたが、その内容に問題が有るのではなく。
その被爆者手帳が住民の間で問題を生んでしまう原因になっているんです。
何時の世も、、、、何事も、、、その線引きは難しいんです。
被爆した人と、そうでない人の線引きなんて至難の業です。
明らかに原爆が原因と言うのに絞れば、軽度の被爆者を見捨てることに成る。
被爆者全員をカバーすれば、必ず偽物が混ざってしまう。
そんなことは解っていても、実際に病気になり高額な治療費を支払っている人から見れば・・・
被爆者の中に自分より元気な人は大勢居てて、一般疾病でも治療費を払わなくて済むのは、、、、逆差別と。
風邪なんかがはやってる時に、長崎の人との日常会話の中でお互いや知り合いの健康を気遣う話になると、、、
「ああ、あの人は良いんだ。手帳を持ってるから・・」 こんな言葉が飛び出してくるんです。
つまり体調が悪くなったら病院に行けばタダ。 薬局なんかで薬を買う事は一生ないと言うんです。
なんだか重~い気持ちになります。
深く考えても納得する答えなんか出てこない。
被爆した可能性が有る人なら、頭痛がしても、ガンになっても、肺炎になっても、肝炎になっても、、、放射能が原因かも
と感じるのは当然ですし、そんな不安が一生続くのは想像を絶する辛さと思います。
被爆者をこぼさない為に、ある程度は偽物が紛れ込む事も仕方ないとしても、、
その一方で、普通の空襲などで一生背負い続ける傷を負った人も大勢いるわけで・・・
年に一度くらいは戦争について、、、核兵器について考える時間を持っても良いのではないかと