カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ヒマワリとラウンドアバウト3

2023年08月28日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.17撮影

ヒマワリの頭花は、まず、一番外側の花びら様の舌状花が開きます。そして、次に、内側の管状花・筒状花が、舌状花に接した方から順番に、中央に向かって咲いていきます。1,000個を超える(のだそうです)小花が秩序正しく咲いていくのは、見事なものです。


管状花・筒状花を、以下、わたしの好みで、独断で、筒状花、とだけ呼びます。

ヒマワリの小花を、今度は、中央から外側へ向かって、見てみると、ヒマワリの頭花は、
1.ツボミの筒状花
2.オシベの出た筒状花
3.メシベの開いた筒状花
4.メシベのしぼんだ筒状花
5.舌状花
という構成です。もっと段階を細かく区切ることもできますが、この辺りで妥当だと思います。

中央のツボミの筒状花は、若いのほどより黄緑色、外へ向かうにつれオレンジ色が増していきます(上の画像)。

次の画像で見えるのは、異なる段階の筒状花の帯です。

2023.08.17撮影

この画像中、下側が頭花の中央に近いツボミの部分で、上側が花びらの大きい舌状花に近づく部分です。

画像真ん中を帯状に横切るものは、オシベの出ている筒状花です。黒っぽいものがオシベの葯(やく)、その先端に黄色っぽい花粉。

オシベの中央からつき出ている黄色いものは、メシベ。そして、メシベは、先端が割れてきて、「Y字型」となります。メシベは、オシベの間から出てくるときには、オシベの花粉に触れながら出てきます。でも、そのころのメシベはまだ成熟していないので、自家受粉はしません。

黒っぽいオシベの見える筒状花のさらに外側には、もっと発達したメシベが見えます。黄色のぴろぴろとしたのがメシベです。画像では判別しにくかと思いますが、「Y字型」が進み、頭の方が反りかえって、「M字型」のようになっています。

まあ、これは、アンテナを出しているようなものなので(こら、それ以上、想像するな!)、この形のおかげで、他所から花粉を受けることができるようになります。

「M字型」の形が見やすいように、画質は不鮮明になりますが、画像を拡大してみます(上の画像からではなく、他の画像から)。

2023.08.17撮影

次は、冒頭の画像の花より古い頭花です。画像の左下と右下に、舌状花が見えます。筒状花は、この頭花では、ほぼ全部咲ききっているようです。中央部にあるメシベは、「Y字型」も混じっていますが、多くは「M字型」でしょうか。

ヒマワリでは、中央部の筒状花が咲かないままのこともよくあるようです。その場合は、咲いている筒状花と咲いた筒状花だけが、ドーナツ状に盛り上がったままになります(冒頭の画像)。

でも、下の画像のようにほぼ全部が咲くと、筒状花の部分がドーム状になります。

2023.08.11撮影

ぴろぴろしたメシベが見えない筒状花では、メシベはもうしぼんでいます。メシベは、小さく薄茶色になっているので、目立ちません。その代わりに、筒状花の「花弁」がはっきり見えます。

その部分だけを写したものがあるので、それをご覧ください。

2023.08.11撮影

これは、舌状花に一番近い、つまり、外縁にある筒状花です。画像右上に、舌状花の花びらが数枚見えています。

メシベは、薄茶色のフィラメントみたいな形状のもので、すでにしぼんでいます。しぼんでいないのは、「M字型」の薄黄色です。筒状花の中に見える黒っぽいものは、オシベ。筒状の花の先が5裂しているのが、この段階になるとよく観察できます。「5裂」とは言いましたが、これは、花弁5枚の根本が合弁しているのです。

2023.08.11撮影

うちの近くのラウンドアバウトには、こんなかわいい花も植っているんですよ。ヒマワリの太い茎とゴワゴワした葉っぱに半ば埋もれて咲いています。他の色のも咲いています。

学名 Linaria maroccana「モロッコのウンラン」
英名 Moroccan toadflax「モロッコのウンラン」
別名 Annual toadflax「1年草ウンラン」
和名 ヒメキンギョソウ(姫金魚草)
オオバコ科(Plantaginaceae)ウンラン属(Linaria)
原産 モロッコ


つづく(次回は、「ヒマワリとラウンドアバウト」の最終回)



コメント    この記事についてブログを書く
« ヒマワリとラウンドアバウト2 | トップ | ヒマワリとラウンドアバウト4 »

コメントを投稿