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温暖化で、身バレの植物 ⑵

2022年08月28日 07時47分19秒 | キク科
2021.08.22撮影

カナダ、バンクーバーでも温暖化が進み、数年前までは越冬しなかった植物がどんどん越冬するようになっています。これらの植物の一部は、自生地では多年草なのですが、庭での観賞用としては一年草として売られてきたものです。

その「実は、多年草」の一例として、キンギョソウ(Antirrhinum majus)を、2日前の記事で取り上げました。

「温暖化で、身バレの植物」第二弾の今日は、冒頭の画像でお見せした植物です。

これが何の花か、お分かりの方はお分かり、お分かりでない方はお分かりでない、ということで、クイズにするのは、おもしろくも、おかしくも、ないのですが、ちょっとお遊びにおつき合いください。キク科(Asteraceae)ではあります。

冒頭の画像は、花を横から撮ったものです。以下の花4種類は、花を上から撮ったものです。冒頭の画像の花は、以下の画像の花のうちどれでしょう、というのがクイズ。

花びらの色は、光線の具合、花の成熟・老化具合にも寄ります。撮影日時を書き添えましたが、これらの花は(特に、バンクーバーでは)花期が長いので、確実なヒントにはなりません。

2022.07.05撮影

2021.09.10撮影

2022.08.14撮影

2021.10.04撮影

今日ご紹介の、温暖化で身バレの植物は、種小名が officinalis です。

このラテン語の意味は、「officīna の、officīna に属する」。そして、officīna は何か、というと、「僧院における、薬の類を入れてある貯蔵庫」。リンネが動植物の分類をするのに「属名+種小名」の「二名法」を採用した時に、この officinalis(あるいは、officinale)を、 「薬用、食用、など」に使われてきた物の(主に植物の)種小名として与えました。

花も葉も根も食用になるタンポポ(Taraxacum officinale)も officinale と名づけられています。以下の記事で、その事情はご紹介しました。

今回ご紹介の身バレ植物も、薬用、食用、として使われてきました。全草がいい匂いです。そして、この植物は、多くの場合一年草として育てられますが、はっきりと多年草です、ただし、寿命は長くありません。バンクーバーより暖かい日本の各地では、越冬する個体も多いのだと思います。一年草として売られてはいますが、わたしの庭でも、冬を越すし、根本が木化します。今はたまたま消えてしまっているので、また種をまいてみましょう。

なお、日本語版Wikipediaのこの植物の項に
> 春咲き一年草として扱うが宿根草タイプは冬を越す
と書いてあります。が、この記述は間違いでしょう。宿根草「タイプ」ではなく、宿根草(多年草)そのものなのですから。

花を上から撮った画像4枚は、上から順番に、
・ホソバハルシャギク「サンバースト」(Coreopsis grandiflora 'Sunburst')
・シュンギク(Glebionis coronaria
・ヒマワリモドキ「夏の夜」(Heliopsis helianthoides 'Summer Nights')
・キンセンカ(Calendula officinalis

ということで、冒頭の画像は、キンセンカ(Calendula officinalis)のものです。この個体は、花びらが奔放に見えるのがおもしろいかな、と撮ってみました。

キンセンカは、花びらが食用によくされます。それから、花びらを乾燥させてお茶にしたりします。また、花びらからの抽出物が、塗り薬になったりします。

この抽出物(エキス)の薬用成分については、ちょっと長くて専門的な説明になるんですが、次のような記事を見つけました。

> 化粧品成分上級スペシャリスト資格取得者が記事を執筆し、
> 情報信頼性の高いサイトを目指しています
と自らする「化粧品成分オンライン」というサイトからです。

この説明文の中で「トウキンセンカ」と呼ばれているものは、「普通の」キンセンカ(Calendula officinalis)のことです。ここで「トウ」というのは「唐」だと思うんですが、それなら、キンセンカは、日本へは中国から伝えられたのでしょうか。

もっと短い記事は、丸善製薬株式会社のサイトで見ることができます。

トウキンセンカエキスは、抗老化素材として有用です。



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