2022.05.06撮影
一年草として通用していたけれども、温暖化で多年草であることが身バレした植物を、すでに以下の記事でご紹介しました。キンギョソウ(金魚草 Antirrhinum majus)とキンセンカ(金盞花 Calendula officinalis)です。
「温暖化で、身バレの植物」第三弾の今日は、冒頭の画像でお見せした「菜の花」の咲く、ある植物です。この植物は、主には葉っぱが食物にされますが、さらに、花の部分がツボミの時には、それも食べられます。つまりは、アブラナ科(Brassicaceae)アブラナ属(Brassica)の植物(もう少しで、「食物」と書くところだった)です。
以下の画像で、わずかに小さい、成長していない葉が見えます。この葉の色と、表面の様子と、葉の形から、これがアブラナ属の何かお分かりになりますか。日本では、流通していても、大量にはなされていないかもしれません。
2021.04.27撮影
これは、ケール(Brassica oleracea)です。ケールのうちでも、学名で Brassica oleracea var. palmifolia あるいは Brassica oleracea 'Lacinato' と呼ばれるものです。
日本語では、トスカーナ・ケール、あるいは、イタリア語の名前に基づいて、カーボロ・ネロ、とも呼ばれるようです。トスカーナ・ケールというのは、イタリアのトスカーナ地方で何世紀も育てられ、食されていることから、「トスカーナのケール」、カーボロ・ネロというのは、その葉の黒っぽい緑の様子から「黒いケール」。
英語では、Lacinato kale と呼ばれますが、この Lacinato はイタリア語かラテン語で、そして、英語の laciniate に当たるものだと思います。意味は、「縁がひらひらの」。葉の形状を表したものです。
ケールは、一年草、二年草、多年草の各種があり、トスカーナ・ケールは、二年草とされるのが一般的です。でも、わたしの経験でも、わたしの野菜作りの仲間の経験でも、2年どころじゃない。3年、4年、5年、と生きています。
うちの今回のトスカーナ・ケールは、冒頭の画像にある菜の花の状態の時に、まあ、いいか、今年はこのままタネになってもらおう、と思って放置してあったんですが、やはりタネになりました。でも、茎の下の方は木化して、まだしっかりしています。去年までは、花を摘み取っては食べていたので、タネを生産して生命サイクルを終える、ということをしなかったんでしょうが、今年は、タネを生産した上に、親株も生き残るつもりなのか? と今から観察するところです。
ただ、年数の経ったものは、葉の生産性が低いです。ですから、収穫という点からすると、二年草として扱うのが妥当なのでしょう。菜の花を収穫したり鑑賞したりするなら、このケールを何年か続けて育ててもいいと思います。それと、「うちのケール、5年目よ」なんて自慢しましょ。
トスカーナ・ケールは、葉の軸が硬くて食べられません。わたしは、もったいないと思ったので、なんとか工夫して食べようとしましたが、ムリでした。料理の準備には、片方の手で軸の根元の方をはさみ、もう一方の手で軸の両脇の葉を重ねて一度にむしり取るようにします。美味しい、滋養豊かに感じられるケールです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます