カラスといちごとクロッカスと

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フクジュソウ? セツブンソウ?

2023年02月18日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
Adonis ramosa(フクジュソウ)
パブリックドメイン

子どもの時、どなたかがわたしの両親に鉢植えのフクジュソウをお正月前にくださったことがあります。わたしがフクジュソウを目にするのは、その時が初めてでした。そして、その花の美しさにいたく感心しました。

両親がそのフクジュソウを庭に植え直した、という記憶もないし、その後、庭でフクジュソウが咲いた、という記憶もないので、その鉢植えのフクジュソウはそのままになってしまったのだと思います。

和名 フクジュソウ(福寿草)
別名 エダウチフクジュソウ(枝打ち?)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)フクジュソウ属(Adonis
学名 Adonis ramosa
英名 Forked-stem adonis

フクジュソウがキンポウゲ科(Ranunculaceae)であるのは、キンポウゲ(Ranunculus)の花を見ればわかります。次のキンポウゲは、キンポウゲのうちでも、ハイキンポウゲ(Ranunculus repens)です。はあ、でも、花びらように見えるものの数が圧倒的に違うわ・・・

ハイキンポウゲ、ハイ?

2021.06.21撮影(Ranunculus repens

フクジュソウの属名 Adonis(アドーニス、あるいは、長母音を省略して、アドニス)は、ギリシャ神話に出てくる美少年、うふっ。おまけに、愛の神、アプロディーテーに愛されます。フクジュソウという美しい花の属名が「アドーニス」というのは、これでいいわよね?

アドーニス

ところが、この美少年アドーニス君は、アプロディーテーに愛されたために、若くして死にます。アプロディーテーの恋人(あれ? 別に恋人がいた?)アレースに殺されるのです。神話は、恋愛、嫉妬、殺傷事件、が多くて困ります。

アプロディーテーは悲しんだんだそうですが、ここではそれはどうでもよくて、このアドーニスの流した血から、美しい花が咲いたんですって。フクジュソウだと思うでしょ? 違うんです、アネモネの花が咲いたんです。同じくキンポウゲ科ではありますが・・・

和名 アネモネ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemone
学名 Anemone coronaria

アネモネ

カラフルなアネモネの花
撮影者:Zachi Evenor
撮影日:2013.11.26
オリジナルからの改変、なし

では、フクジュソウ(Adonis)のうちでも、日本では北海道、東北、関東に自生するという、エダウチフクジュソウ(Adonis ramosa)の種小名 ramosa は、どうでしょう。これは、「枝分かれした」という意味です。フクジュソウに「枝分かれ」するほど草丈があるのか???

英名も、Forked-stem「フォークのような枝の、ジグザグした枝の」となっている。ふうん。

フクジュソウを間近で観察するなんて栄誉に恵まれたことはないので、わたしには分かんない。

それで調べてみると、「ときに枝分かれする」と書かれた記事に出会いました。信頼できるサイトだと思うので、リンクします。

フクジュソウ
EVERGREEN 植物図鑑
> 花茎はときに枝分かれして数個の花をつけることがあります。

2006.03.27撮影(Eranthis hyemalis

前置き(え? ここまでが前置き?)が長くなったんですが、実は、今日の植物は、フクジュソウ(Adonis)でも、キンポウゲ(RanunculusAnemone)でも、ありません。

上の画像に見える、わたしがカナダにいて日本を恋しく思って、フクジュソウか! と飛びついて手に入れた植物です。フクジュソウではなく、セツブンソウ(Eranthis)の1種なんですが。その時は、そんなこと知らなかったもん。

和名 キバナセツブンソウ(黄花節分草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)セツブンソウ属(Eranthis
学名 Eranthis hyemalis
英名 Winter aconite「冬のトリカブト」

学名 Eranthis hyemalis の意味は、「春の花で、冬に咲くもの」、つまり、「早春に咲く花」という意味です。

実際、うちに最初に来た初期の初期の球根は、1月には咲いていました。ところが、例の、樹木の成長に伴う太陽光線量の低下により(と推測される)、咲く時期が3月まで遅れだし、そのうち全滅。

新しく買ったのは別のところに植えたんですが、それらは、3月に咲きます。どうなってんの? 太陽が当たるところなのに。同じ種でも、園芸種の違いがあるのかな?(花の周りのぴろぴろしたものの形が、2006年のと、最後の画像の2022年のとでは、やや異なるようです。)


2006.03.27撮影(Eranthis hyemalis

今まで見過ごしていたんですが、この記事を書きながら写真(上の画像)をよくよく見てみると、キバナセツブンソウには、蜜腺があるじゃないですか、オシベの周りに。花びら様に見えるものがガクで、花弁が蜜腺となっているので、花の下に出ている葉っぱのようなぴろぴろは、苞ということになるんでしょう。

それなら、この花の作りは、ほぼ、ヘレボルス(Helleborus)と同じであることになります。ヘレボルスも、キンポウゲ科です。


2022.03.22撮影(Eranthis hyemalis

今日の記事は、この黄色い花がフクジュソウではなかった、というだけのお話です。大体、苞の部分が全然違いますもんね。
 


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