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新しいヘレボルスがやってきた

2023年02月13日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2023.02.04撮影

カナダのバンクーバーでは、植物屋さんに、1月の終わりから2月にかけてヘレボルス(Helleborus)の新しい株がどっさり出回ります。店に並べられている株には、もう花を開けているのもあれば、まだまだツボミのもあります。

鉢についているラベルは、
・原種の名前と、写真
・園芸種の名前と、写真
・交雑種で何系かという名前と、「だいたいこういう花が咲くだろう」という写真
の、だいたい3種類あります。

わたしの庭には、交雑種がたくさんあります。園芸種のように確立した形質を持つものは、そうそう素人に作り出せるわけではありません。特に、うちのヘレボルスさんたちは、人工交配なんかされるわけではなく放ったらかしにされているので、園芸種もどきなんてものは生まれない。

成体は、管理者であるわたしの許可も必要なく自由奔放におつきあいをしてくれているので、芽生えしてから成長して初めての花をつけた個体が、どの親から来たか、なんて、わかったもんじゃないのよ。お顔を拝見して、想像をたくましくするのみです。

2023.02.04撮影

あまりにヘレボルスの数が多いので、ヘレボルスはもう増やさない方がいいか、と思ってはいましたが、そこが誘惑に負けてしまう。つい、ヘレボルスを買いに行ってしまいました。(笑、笑)

でも、ヘレボルスがよく育ってくれる庭なのでヘレボルスを増やす、というのは、理屈に合っているし、育てられるヘレボルスにも、環境の無理強いをしないので、優しい、と思います。

そして、遺伝子プールが欲しいし〜〜、ああ、これ以上子だくさんでどうするんだ。

で、新しくうちにやってきたヘレボルスさんが、この白い大輪のヘレボルス。派手な花はあまり好きではないのですが、この花の白さと大きさと、メシベの紅色さと、に魅了されました。

2023.02.04撮影

これは、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)の園芸種です。

学名 Helleborus x glandorfensis ‘COSEH 4500’
流通名 Helleborus x glandorfensis ‘Ice N’ Roses’ White

glandorfensis の前にある x は、この植物が交配によりできたものであることを示します。glandorfensis の意味は、わたしにはちょっとわかりません。フランス語に glandeur という形容詞があり、それは、「なまけた」(良く言って「まったりした」)という意味ですけど。んんん・・・

園芸種の園芸種たる名前は ‘Ice N’ Roses’ という部分で、これは '氷とバラ' という意味です。Guns 'N Roses という有名ハードロック・バンドの名称にかけたのであろう園芸名ですが、意味的には「氷のあるような寒い時期に咲くバラ(のように美しい5弁の花)」だと思われます。

ガンズ・アンド・ローゼズ

2023.02.08撮影

Helleborus x glandorfensis はシリーズ物で、今のところ、17種の '氷とバラ' ヘレボルスがあるようです。わたしの行った植物屋さんにもいっぱいありました。このシリーズは、(英語で)Gold® Series Hellebore「ゴールド・シリーズ・ヘレボー」と呼ばれます。

以下のサイトは英文ですが、画像でこのシリーズのヘレボルスの形質がはっきりと見えるので、どうぞご覧になってください。画像の下にある四角で囲った More varieties というのをクリックすると、もっと出てきます。

HGC® ICE N’ROSES® EARLY ROSE(英文+画像)

うちに来た園芸種「氷とバラ」は、この17種類のうちの White(白)です。この White には ‘COSEH 4500’ という番号がつけられていますが、調べたところ、シリーズの中、種類によって異なる番号がつけられているようなので、これは、生産者の方での分類番号か、あるいは、園芸種としての登録番号だと思います。

2023.02.08撮影

先のサイトには、このシリーズの園芸種は晩秋から咲き始めるように書かれていますが、他のサイトには、1月から、と書かれていました。

うちの(もう「うちの」と呼んでいます)'氷とバラ' は、2月にうちに来たので、実際に晩秋から咲き始めるかどうかは今のところわからず、それは、今後見ることになります。

直前の画像の左側の花は、前の方の画像ではツボミだったものです。4日の間にこんなに開きました。と言っても、開ききっていません。花の若さはオシベの開き方を見れば、よく分かります。右の古い方の花ではオシベが開いていますが、左の開いて間もない方の花ではオシベのほとんどがまだ固く混み合っています。

この園芸種の特徴をまとめてみると、
・うつむくのではなく、横向きに咲く(オリエンタリスはうつむいて咲く)
・大きい花が、平たく咲く
・白い「花びら(ガク)」で、その中心部が黄緑色
・メシベが紅色
・深緑色の葉

以下は、全草を上から見た画像です。

落ち葉のうち、薄茶色のは英語で oak(オーク)と呼ばれるコナラ属(Quercus)の木の葉、焦茶色のはモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)。これらが腐葉土となってくれます。

画像右上部分に、三つ葉で丈の低い植物が1本見えますが、それは、オリエンタリスの子どもです。子どもの時は、三つ葉なんです。

2023.02.08撮影

日本から帰宅してから10日にわたって続けてきましたヘレボルスについては、今日で一旦置くことにします。うちの種々の交雑種を次々にご紹介するつもりだったんですが、書いているうちに話が全くそれてしまいました。うちのヘレボルスの面々の紹介は、また来年のヘレボルスの咲く季節にでもしようか、と思います。ここまでヘレボルスの話しにおつき合いくださり、ありがとうございました。


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2 コメント

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虫も好き (flowerconnection)
2023-02-13 11:24:53
こちら時間で、こんばんは。
わたしも虫に大変興味があるのですが、知識量が少なすぎて、同定できるほどではありません。子どもの時に、図鑑をボロボロにしたのですが、成長するにつれて、虫より植物の方に興味の重心が動いてしまいました。以前は、植物について毎日勉強していたのですが、今は、それほどでも。
それで、お尋ねのヘレボルスにやってくる虫ですが、うちのヘレボルスで言えば、特に困ったことはないので、今まで気にしたことはありませんでした。でも、考えてみれば、ごく少数ですが、花や葉が変形している場合があります。それは突然変異だと思っていたのですが、そうではないのかもしれません。このヘレボルスの季節、これから観察します(と言っても、また帰国するんですが)。
アブラムシが一番大きい問題のようです。わたしは見たことないなあ・・・それかわたしがお気楽人間なのかしら。
それと、ナメクジ。ナメクジは、一時期バンクーバーではとんでもなく問題だったんですが、このところ、あまりいません。何でも気候温暖化のせいにすると良くないんでしょうが、それが理由かもしれません。
わあ、鉢で木を育てていらっしゃるんですか。その落ち葉ですが、庭の大きさと何を植えていらっしゃるかによると思いますが、他の植物の根本に寄せておくだけでもいいのではないでしょうか。あるいは、ちょっと穴を掘っておいて、その中に入れていく。それに、わたしは、落ち葉が濡れ落ち葉になって庭を埋め尽くしている風景が苦にはならないんです。そこからヘレボルスやスノードロップが出てくるとうれしいんです。
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おはようございます... (himesijimi)
2023-02-13 08:52:54
おはようございます...
植物についての勉強がまだまだなので、ヘレボルスに訪れる主な虫...が判りません💦(もし、よろしければお教え願えませんか?)

我庭には、どんぐりから育てたブナ科のアベマキにコナラにクヌギが鉢に植わってます。全て落葉樹なので冬場の枯れ葉処理に困ってましたが、腐葉土として利用できるかも...と想いました。
又、そこに甲虫が産卵のために訪れるかも?と想いもしました。

何れにしても、よく調べよく知ってらっしゃるあなた様の御姿勢に頭が下がるばかりです...
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