78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎Gloomy girl ~あるBL好きな公務員少女のお話~

2008-11-25 02:18:49 | ある少女の物語
春の秋葉原。
興味本位で参加したオタクのオフ会で、一人の少女に出会った。

黒淵の眼鏡をかけ、黒いベレー帽を被り、黒いロリータ系のファッションに身を包む小柄な少女は、
国家公務員として働いてもう3年目になる20歳の女の子だ。
同人誌をこよなく愛し、アニメは週に40本以上も鑑賞している筋金入りの“腐女子”でもある。

どんなに不景気だろうと一生安泰でいられる職に就き、プライベートも楽しんでいるように見える。
普通の人から見れば明らかに“勝ち組”であり、高卒で早くも“幸せ”を手に入れた数少ない少女である。



しかし、少女の心は病んでいた。



「私は要らない人間です。生まれて来なければ良かったんだと思います」



何故そう思うのか。
この少女を誰が否定するというのか。



「死にたいと思ったことは何度もあります」



何故そう思うのか。
まさか親が悲しんでいるとでもいうのか。



「でも、今まで育ててくれた両親には、本当に感謝しています。
恩返しがしたいんです。
だから、毎月5万円、親に送っています。
親には要らないと言われますが、それでは私の気持ちが収まりません。
いくら死にたくても死ぬわけにはいきません。
親には一生尽くします。それが私の生きる理由だから」



国民のために働き、親のために生きる。
自分のことは二の次。
少女は立派な大人だった。

だが、大人であるが故に悲観的になり、自らを全否定までしている。



あなたは要らない人間なんかじゃない。
もっと肩の力を抜いて、一度しかない自分の人生を楽しんで欲しい。

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