※最近は会社での出来事をあまり書かないようにしてきましたが、今回は自分自身の反省の意も込めて書かせていただきました。ああ、コミュニケーションが上手くなりたい。
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2017年5月5日、18時45分。金曜と大型連休が重なり多くの人で溢れる駅前の商店街に、ある人を待つ男の姿があった。僕である。
メモ帳を見ながら、このあと話す内容の最終確認をしていると、程なくしてもう一人の男は現れた。
(G)「お疲れ様です」
昨年12月、当店に異動してきた社員、G男である。
(僕)「では行きましょう。このビルの4階です」
僕等はあらかじめ予約していた居酒屋へと向かう。コンビニの店長代理と部下社員、2人だけの飲み会である。案内された席に着くと、既に多くの客の声が飛び交い、喧騒を極めていた。コスパとクーポンを重視した結果である。個室のある店にすれば良かったと後悔。
(僕)「まずはH子さんのことについてですが、F子さんの提案で、皆からお金を集めてプレゼントを贈呈しようということになったんですか?」
イニシャルをGから始めたのには理由がある。一年前、当店のメンバーとOB・OGを集め、僕の初幹事によるB子の送別会が開かれていた。その時のブログ記事で既にAからFまで使用していた。B子は当時高校3年のスタッフで、卒業・就職を期に退職。F子は10年以上の勤務経験を持つ主婦のベテランスタッフである。
(G)「そうですね。せめてそれをしてはどうだろうと」
H子はB子の友人で、現在大学2年。ある理由により中途半端なこの時期に退職を決意していた。彼女の送別会を兼ねた懇親会を、僕が再び幹事となって開催しようと企てていた。
一年前のB子の送別会では初幹事として至らぬ点も多かったコミュ障の僕は、リベンジに燃えていた。しかし、誰が求めていたわけでもない自発的なこの熱意が、業界歴5年で最悪と言って良いほどの事件を引き起こすきっかけとなってしまう。その一部始終が、今からこの2人きりの飲み会で語られようとしている。
<幹事リベンジの任務(1):退職者への意思確認>
遡ること4月22日。僕は5月いっぱいでの退職が確定したH子に、送別会を兼ねた懇親会に参加希望か、意思確認のメールを送信した。件名は『懇親会構想の件』。
僕の主観ではあるが、H子が人と話すのを好んでいるとは思えなかった。それでも参加者の中に同年代の女子が居れば参加を決意するかもしれない。よって「特定の人物が参加するなら自分も参加希望」という異例の選択肢を設け、日程もH子の都合に寄せる配慮をした。
しかし、メールを送信してから一日、2日、3日……一向に返信は来ない。まさか、あまり乗り気ではないのか。
(A)「H子さんは普通に参加したいって言っていましたよ」
前回、B子の送別会を提案したA男である。なぜかH子と仲が良く(※20年弱の年の差がある)、彼の言うことは信じて間違いなかった。
(僕)「では何故、3日経っても返信が来ないのですか?」
(A)「予定の調整に時間を要しているのでしょう」
しかし、候補日は5月20日と27日。約一ヶ月も先なのだから、今から予定を空けてくれれば良いのにと思う。しかも「他の日希望」という選択肢まで設けたのだから、空けられる日を挙げれば良いだけなのだが。
(A)「僕さんが期限を今週中って決めたんでしょ? なら期限まで待ちましょうよ」
その後、4日、5日、6日と経過するも、僕のスマホの受信トレイはチケットキャンプやヤフオクの新着情報で埋め尽くされるのみであった。そして期限ギリギリの4月29日の夜、送信から7日後にしてようやくH子からの返信は来た。
『参加は希望で、5月20日だと嬉しいです』
本心はどうあれ、今はその言葉を信じるしかなかった。既に開催まで一ヶ月を切っており、もたもたしていると会場の予約に支障をきたす。その日のうちに当店のスタッフに宛てる案内状を作成した。
<幹事リベンジの任務(2):案内状の作成>
おおよその参加人数が見えないことには会場の予約も難しい。準備を迅速に進められるよう、期限を4日後に定めた。これを当店のほぼ全スタッフが加入しているLINEグループのノートに投稿。
翌日の朝には一人の女性スタッフから回答が来た。参加希望の欄はNだった。ここで疑問に思ったのは、それが前回の副幹事・C子であることだった。彼女は前回を含め、過去5回もの送別会や忘年会に全て参加していた(※僕が幹事を務めたのは前回のみ)。なぜ今回は不参加を決めたのか。
同じ日、職場にてある男性スタッフが口頭で「参加しません」と僕に伝えた。彼こそがこの物語のキーパーソンとなるアラフィフの「不倫男」である。この名前にしている理由は後ほど。以上の2名が早々に不参加の意思を示したことで、一抹の不安が過ぎった。もしかして誰も参加しないのではないかと。
<幹事リベンジの任務(3):不倫男の秘密>
回答期限2日前となる5月1日。更に2名のスタッフより不参加希望の回答があった。この時点で参加希望者はゼロだが、それよりも残り10名からは回答すら無いことに遺憾を覚えた。もはや中止は確定的だった。数名は本当にスケジュールの都合かもしれないが、流石に全員不参加となると、僕に人望が無いことが最大の原因だと悟るしかなく、精神的なダメージは大きかった。H子が乗り気だったのかさえ疑問だし、スタッフ全員が敵にさえ思えてきた。
そんな中、職場に巡回に来ていた本部職員の口からこんな発言が。
(本部)「不倫男さんがS店でも働いていますよ」
それは初耳だった。不倫男が僕の許可も無しに、同じコンビニチェーンの他店で勤務していたのだ。Wワークは禁止にしていないが、それを希望するならあらかじめ僕に相談するのが筋ではないのか。
(本部)「彼はS店でも癖の強い感じで、店長が困っているそうです。このことを言う時はくれぐれも言い方に気をつけて下さい」
事件はその2日後に起きた。
(つづく)
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