進行中の話をレコーダーの追っかけ再生機能の如く執筆することは滅多に無い。これを書いている時点で結末は全くの未定、物語の着地点によってはそれ自体のお蔵入りも有り得るという、何とも冒険している気分である。
これは、2013年の夏の終わり、一つの想いから誕生した一大プロジェクトの物語である。
全ては危機感から始まった。5月上旬、6月上旬、7月上旬。給料前となるこの時期にお金が足りなくなり、休日など空いている時間に派遣バイトを入れ、何とか食い繋ぐ。それを毎月のように繰り返すうちに悲しい現実に気付く。
「一ヶ月、短くね?」
1年の12分の1、1クールの3分の1が疾風の如く過ぎ去る。金欠の感覚をもう何回も繰り返しており、それはつまり何ヶ月もの月日をあっという間に通過していることになる。そして、時の流れが速いということは、アルバイトスタッフ数名との別れがすぐそこまで迫っていることも意味している。
例えば高校3年生。どう足掻いても卒業までには辞めるだろう。否、受験を考慮すれば年内か、もっと早くにリタイアも充分有り得る。具体的な時期は本人次第であり、末端社員に過ぎない僕がそれを知ることを許されるのは辞める直前になってしまう。
いつ辞めてもおかしくない、もはや爆弾とも言える高校3年生、その一人にカピバラがいる。
>今はカピバラがいる。それだけで心は満たされている。
>最初は何とも思わなかったのに今は明らかに可愛くなって(殴
>カピバラと会う日に向けて話のネタを必死に探していた時期もあった。
>地道に教えてきた一つ一つの成果が彼女によって初めて具現化されたのだ。
>強制ムービー『カピバラ走馬灯』発動中……
>あなたはカピバラの何を知っている。なめるな。
ここ数ヶ月の僕のブログにおいて、カピバラに対してだけ明らかにおかしい。27歳の17歳に対する文章にしてはどう考えても気持ち悪い。カピバラが辞めれば僕は生きる希望を失うレベルまで闇落ちする自信があるし、それはifではなくやがて現実となって確実に訪れるwillなのだ。
>クズな当方でも出来る事、当方でなければ出来ない事は何なのか。
覆らない結論に抗いたかった。
>コミュニケーション能力を上げることは諦めたほうがいい。
>ただし、諦めたら、その次のことを考えろ。
カピバラが去りゆく前に、何かをしたかった。
>「その次」がようやく見つかった。
>コミュニケーション能力のない人間がすべきことは何か
>やっと分かった。
その為に僕に出来ること、否、出来なくてもやるべきことは「絵」だった。
職場には揚げ物の時間を管理する表というものがある。その余白を利用し、試しにマイクとサリーの絵を描いてみた。と言っても公式絵をなぞるだけのトレースである。
「アンタ絵上手いじゃないの」
すると、数名のパートスタッフと、アラフォー女性店長までもが褒めてくれるという異例の事態が起きた。決して悪い話ではない。僕は目覚めた。しゃべりが出来ないなら絵を描けば良い。何故もっと早く気付かなかったのか。そして、そこからある一つの想いに結び付くのは必然とも言えた。
――カピバラを描きたい――
カピバラの絵を描き、何らかの形でカピバラに見せる。それさえ出来れば悔いは残らない。
歴史的な猛暑日が続く2013年8月、僕は動き出した。
>当方の新たな挑戦が始まる。
>そのスタートの記念として、ここに記録を残す。
(つづく)
※冒頭のみ修正する可能性があります。
これは、2013年の夏の終わり、一つの想いから誕生した一大プロジェクトの物語である。
全ては危機感から始まった。5月上旬、6月上旬、7月上旬。給料前となるこの時期にお金が足りなくなり、休日など空いている時間に派遣バイトを入れ、何とか食い繋ぐ。それを毎月のように繰り返すうちに悲しい現実に気付く。
「一ヶ月、短くね?」
1年の12分の1、1クールの3分の1が疾風の如く過ぎ去る。金欠の感覚をもう何回も繰り返しており、それはつまり何ヶ月もの月日をあっという間に通過していることになる。そして、時の流れが速いということは、アルバイトスタッフ数名との別れがすぐそこまで迫っていることも意味している。
例えば高校3年生。どう足掻いても卒業までには辞めるだろう。否、受験を考慮すれば年内か、もっと早くにリタイアも充分有り得る。具体的な時期は本人次第であり、末端社員に過ぎない僕がそれを知ることを許されるのは辞める直前になってしまう。
いつ辞めてもおかしくない、もはや爆弾とも言える高校3年生、その一人にカピバラがいる。
>今はカピバラがいる。それだけで心は満たされている。
>最初は何とも思わなかったのに今は明らかに可愛くなって(殴
>カピバラと会う日に向けて話のネタを必死に探していた時期もあった。
>地道に教えてきた一つ一つの成果が彼女によって初めて具現化されたのだ。
>強制ムービー『カピバラ走馬灯』発動中……
>あなたはカピバラの何を知っている。なめるな。
ここ数ヶ月の僕のブログにおいて、カピバラに対してだけ明らかにおかしい。27歳の17歳に対する文章にしてはどう考えても気持ち悪い。カピバラが辞めれば僕は生きる希望を失うレベルまで闇落ちする自信があるし、それはifではなくやがて現実となって確実に訪れるwillなのだ。
>クズな当方でも出来る事、当方でなければ出来ない事は何なのか。
覆らない結論に抗いたかった。
>コミュニケーション能力を上げることは諦めたほうがいい。
>ただし、諦めたら、その次のことを考えろ。
カピバラが去りゆく前に、何かをしたかった。
>「その次」がようやく見つかった。
>コミュニケーション能力のない人間がすべきことは何か
>やっと分かった。
その為に僕に出来ること、否、出来なくてもやるべきことは「絵」だった。
職場には揚げ物の時間を管理する表というものがある。その余白を利用し、試しにマイクとサリーの絵を描いてみた。と言っても公式絵をなぞるだけのトレースである。
「アンタ絵上手いじゃないの」
すると、数名のパートスタッフと、アラフォー女性店長までもが褒めてくれるという異例の事態が起きた。決して悪い話ではない。僕は目覚めた。しゃべりが出来ないなら絵を描けば良い。何故もっと早く気付かなかったのか。そして、そこからある一つの想いに結び付くのは必然とも言えた。
――カピバラを描きたい――
カピバラの絵を描き、何らかの形でカピバラに見せる。それさえ出来れば悔いは残らない。
歴史的な猛暑日が続く2013年8月、僕は動き出した。
>当方の新たな挑戦が始まる。
>そのスタートの記念として、ここに記録を残す。
(つづく)
※冒頭のみ修正する可能性があります。
いずれ離れ離れになるから、落ち込まないように絵を描くとか、本気で意味が分からない。
コミュ力も無く仕事も出来ないから、絵を描いてアプローチだよね、コレ。気持ち悪い。
死ねば良いのに。