トルコで自爆テロ、死者95人、負傷者246人 殺傷力向上狙い?爆弾に金属玉 「イスラム国」関与か
トルコ首相府は10日、首都アンカラで起きた自爆テロとみられる爆発による死者は95人、負傷者は246人に達したと発表した。重体の負傷者がいるため、死者は増える可能性がある。治安当局者はTNT火薬の爆弾が使われ、殺傷力を高めるために、金属玉が詰められていたと明らかにした。アナトリア通信が報じた
警察当局は実行犯とみられる2遺体を現場で収容した。身元確認を進めるとともに、防犯カメラの映像を調べている
NTVは金属玉が使われた点などから「7月20日に南東部スルチで起きた自爆テロと酷似している」と伝えた。政府当局は、スルチのテロには過激派組織「イスラム国」が関与した可能性が高いとみている
10日、トルコ・アンカラの爆発現場に横たわるけがをした男性(ゲッティ=共同)
10日、トルコ・アンカラの爆発現場で、けがをした女性を運ぶ男性(ゲッティ=共同)
10日、トルコ・アンカラの爆発現場で、座り込む女性(ゲッティ=共同)
【カイロ=大内清】
トルコの首都アンカラで10日、少数民族クルド人系を含む左派の集会を狙ったとみられる大規模テロが発生した。背後関係は不明だが、事件の発生を防げなかったとして政府に対するクルド人勢力の対立感情が強まる可能性もあり、トルコ国内の政治・社会情勢はいっそう複雑さを増している。
「われわれはマフィアのように振る舞う国家と対峙(たいじ)している」
集会に参加していたクルド系左派、人民民主党(HDP)のデミルタシュ共同党首は10日、記者団にこう語り、事件の責任は政府にあるとの考えを示した