櫻井よしこ氏講演詳報 「中国が目指すのは世界の覇権国家」
「日本人を中国に奉仕する民族にしたがっている」 大東亜戦争は日中戦争、日米戦争、日本と旧ソ連の戦いの3つの柱からなる。
日ソの戦いでは日ソ間に中立条約があったが、ソ連は満州に攻め込んだ。日本の侵略といえず、ソ連の侵略だ。日米戦争では日本が真珠湾攻撃をした。しかし、当時のルーズベルト大統領が欧州戦線に参戦するため、日本を追い詰めて日本から攻撃させたとの指摘がある。日本は米国を侵略しようとしたのではない。
日中戦争は日本の侵略だったという人は、「満州事変」を挙げる。国際社会では事変について厳しい批判があったが、国際秩序を守らない中国にも原因があったとする分析もある。 大東亜戦争を「あの戦争」とか、「先の大戦」と曖昧(あいまい)な言葉でひとくくりにして、侵略戦争だったと決めつけるのはおかしい。これを日本人がきちんと認識していないと、歴史問題が浮上するたびに国民全体の足元が定まらなくなる中国は私たちと全く違う価値観を掲げて、世界の覇権国家になることを目指している。だから、怖いと思わなければならない。中国がとりわけ憎んでいるのが日本だ。日本をつぶさなければ、と思っている。つぶす際には日本の技術資源、金融資本や勤勉さを温存させて、日本人を中国に奉仕するような民族にしたい。そのために日本人のプライドを砕いて、中国のいいなりになるような国柄にするのが一番良いと思っている日本をコントロールすることが中国の国益だ。コントロールする方法は2つある。ひとつは、米国をはじめとする諸国を通じて日本に影響を与える。つまり、国際社会のプレッシャーによって、日本人をひれ伏させることだ。もうひとつは、日本の国柄を利用すること。日本は押せば引く国とみられている。どういう理由で日本を押すのか。歴史カードを使えばいい。これは、日本人として思い当たる。「南京大虐殺」といわれると何となく黙ってしまうなど、歴史カードを突きつけられると日本人はひるんでしまう。「あの戦争」と大東亜戦争をあいまいな言葉でとらえ、侵略と思っているので、「悪いことをした」と物が言えなくなる。このことをよく知っているのが、中国だ。
歴史認識で、「侵略した」といって反省している人が良識派としてふるまっているが、単に無知なだけだ。大東亜戦争を含めきちんと歴史を学び、日本の歩みを把握することが重要だ。