風土記の丘と名付けられた場所は全国にいくつもあって、それはどうやら史跡や遺跡を中心に整備された野外博物館兼自然公園らしいです。
近江、近つ飛鳥、吉備、出雲、西都原などが有名ですが、関東でいうと、稲荷山鉄剣が出土したさきたま古墳群がある「さきたま風土記の丘」が有名です。
さて、茨城県の石岡市にも常陸風土記の丘があります。
ここは野球場や森林公園などの無料エリアと有料の史跡公園にわかれており、有料エリアには発見された鹿の子史跡や古代の復元家屋や展示室があります。
さほど有名な遺跡ではないので、知名度はいまいちですが、巨大な獅子頭があることでB級スポット好きには有名。
高さ14m、幅・奥行き10mの巨大獅子頭。
江戸時代より常陸国総社宮大社の祭礼で巡行した獅子頭をモチーフにしたものらしく、有料エリアをスルーして坂を登りつめた芝生広場の先に鎮座しています。
この獅子頭、実は口の部分が展望台になっていています。
内部に入り、階段を登ると展望台に出ることができますが、開口部分が非常に狭いため、視界も狭く展望台としてはとても残念。
上下にしっかり獅子の大きな歯見えるので、どちらかというと怪獣に食べられてしまったかのような感覚を味わうことができます。
インパクト重視で、展望台はおまけのようですが、それ以上のおまけが3階の展示室。
展望台からさらに上階に階段が用意されており、郷土玩具というか工芸品のようなものが何の説明もなくショーケースに並べられています。
なんとも中に入るとがっかりな獅子頭ですが、外から見る分には強烈でチャーミング。
一度見たら忘れられないアイコンになっています。
獅子頭自体はFRP製のようで、雑誌やネットで画像を見た時よりも明らかに傷んでいました。
ちょっと痛々しかったので、いつか修復してもらえるといいですね。
※
有料ゾーンをスルーして、坂を登りつめると、ふれあい広場になっています。
その広場を見守るように建つのが獅子頭展望台。
ここでスポーツをしたら、獅子頭の視線が気になりそうです。
展望台としても機能して?いるので、広場より少しだけ高い位置にあります。
立派な大階段も用意されています。
小高い場所に頭部だけあると、大船観音のように地中に首から下が埋まっているんではないかというへんな妄想をしてしまいます。
また、遮光器土偶型をした青森の木造駅のように目が光ったら面白いですが、そのような機能は無いようです。
近くで見るとさすがに大きいです。
歯がわりとリアルですね。
よく見ると鼻や口元あたりがだいぶ傷んでいます。
ここまで来た時点で、展望台に期待は持たなくなります。
造形はメリハリがあってカッコいいです。
渦巻いた毛のあたりにある穴は3階部分の明り取り窓になっています。
内部1階。
両側に出入口があります。
数段上がっていくと展望台です。
展望台からの眺望。
芝生の広場が見えます。
今にも口が閉まりそうな狭さです。
両端部にかけてさらに狭くなりますが、水平方向の視野率は一応180度に近いです。
さらに残念なのは、大して何も見えるものがないこと。
なんで展望台にしたんだよ!と思わずツッコミを入れたくなります。
■おまけ
公衆電話ボックスが茅葺屋根でした。