4月も始まって2日目の木曜日。
青春18きっぷで旅に出る。
今回は中央線途中下車で山梨県を巡る。
中央線の旅は高尾駅から始まる。
新宿駅でも見慣れたオレンジ色の帯をまとった車両に乗って、終点の高尾駅に降りると、大きな天狗が迎えてくれる。
高尾山の山岳信仰のちなんで、こんなにも大きな天狗がホームにいらっしゃる。
周囲を眺めると、高尾山をはじめとする東京西方の山々もすぐそこまで迫っていて、東京の最果ての空気を感じる。
この大きな天狗も「この先の道は険しいぞ」と私たちに忠告しているようにも思えてくる。
東京の終わりと、自然の始まり。
気温は都心よりもちょっとだけ寒い。
天気予報では晴れの予定であった空模様も、今はどんよりとしていて、つれない。
4月に入ってもまだまだ冬の名残があって、この先の旅路でも春を感じられるものか不安にもなってきた。
とりあえず、先を急ごう。
同じ中央線の路線でも、ここ高尾駅以西は列車の本数が減る。
多くは東京方面からは直通せず、この高尾駅で乗り継ぐのだ。
隣のホームで待っていた、見慣れない水色の帯の列車に腰を下ろして、山梨への旅へと出かけよう。