Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

浅草でカッパを探せ!!③

2014-05-21 00:20:23 | とりっぷ!


かっぱ橋の名前の由来には別の説もある。
この地域に住む人々が作った雨合羽を晴れた日に橋の近くでよく干していたからというもの。

かっぱ橋は正式には「合羽橋」であるから、その可能性も多い。
合羽河太郎こと合羽屋喜八の苗字も合羽。雨合羽を売る商人だったとの話もある。

それでもこの街は雨合羽ではなく河童をマスコットのように可愛がっている。
街を歩くと、思いのほかカッパだらけ。





商店街の店名前が書かれた看板も、色は違えどカッパのようだ。
でも甲羅が赤いので何とも言えない。マントかもしれない。





大きめの複合ビルの外壁にもちょっと悪質な顔をした河童の顔面が

商店街から路を逸れても、カッパは逃げも隠れもせずに道端にいる。





瀬戸物屋さんの店先で立つカッパが・・・・
なんだか眠そうだが大丈夫だろうか。

極めつけは「河童寺」と呼ばれる曹源寺。
門前は小さな通りに面した一般的な禅寺なのだが、なんと河童大明神が祀られているという。
この曹源寺には先程の話に出てきた合羽河太郎こと合羽屋喜八が眠っているそうだ。

工事を手伝ってくれるだけではなく、カッパの姿を見たものは不思議と商売繁盛する事からもこの地に祀られ、信仰されているらしい。





境内に入ると、隅の方に何やら不可思議な彫刻が置いてある。
礎石には「かっぱ。ぎーちゃん」。
屋根まで付いて大切にされているようだが正体は不明。
カッパのようで、キュウリのようで・・・





本堂手前には河童大明神を祀るお堂。
カッパ人気の中心ともいえるお堂にはカッパにまつわるものが点在している。




賽銭箱にもカッパ。
中を覗くと奉納されたたくさんのカッパたち。
どうやら河童の腕のミイラもある。

壁には河童大明神の描かれた掛け軸。
事前に予約をすれば中に入れてもらえるそうだが、今回は外から参拝。

ここで参拝する時の呪文は「オン・カッパヤ・ソワカ」という。
見えない存在や土俗信仰神を祀るときは神社形式が多いけれど、仏式なところがいい。





合羽屋喜八の墓と伝わる石碑の前には夫婦のカッパの像。
妻ガッパにはしっかりまつ毛とたわわな乳。
双体道祖神の如く男女差を明確に現しているから驚かされる。





仙台四郎を思い起こさせるようなポーズをとったカッパ。
腕組みした肩からは鍛え上げた筋肉が見て取れる。
こいつと相撲をやったら尻小玉を持って行かれることは間違いないだろう。





その後ろには対照的に木陰に隠れるカッパの姿も見える。
街中これだけのカッパが堂々と姿を見せているのに、それでもお前はカッパか!と叱りたくなるが
本来のカッパはどうなのだろう。

本場の遠野のカッパ淵に行ってもカッパは見当たらなかったのに、かっぱ橋界隈のカッパ率は異常である。

だから、
なかなか姿を現さない内気なカッパもいいと思うよ。
そんなことを言うと、内気そうに見える奴こそ確実に尻小玉を取りにに来る慎重派だから気をつけなくては。



噂好きにして怪異好きの江戸っ子の町で生まれたカッパ伝説。
真意はともかく、カッパは現代でもこの街に生きていてマスコットキャラクターと肩書きを変えて生きている。
妖怪は次第に数を減らしながらも、人々の中に強烈な印象を刻みつける。
記憶に残された妖怪は、リアリティを失って象徴化されたキャラクターとして今も健在だ。

妖怪のキャラクター化は妖怪本人が選んだか、人間の商業主義が生んだのか。

今になっては誰も見たことのない生きものが普遍的な存在としてそこにある。
人々を惹きつける妖怪の呪力ははかり知る事ができない。


変化するもの消えるもの。
兎角、時代はめまぐるしい。
移り変わる都市に残る妖怪を探し出すのもなかなか面白いかもしれない。





P.S.本堂の影から猫がじっとこちらを見ていた。



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