人間の「手」ほど面白いものはない・・・「手」には表情がある。
若い人の「手」には若さがあふれ、老人には老人の苦渋がある。
顔の表情のように変化はしないが、それだけに滲みでる味がある。
人間の体の中で、「手」ほど意志をたくみに表現するものはない。
仏法では、「右手は慈悲、左手は知恵」といい、お釈迦様が生まれ落ちるなり、
七歩歩まれ「天上天下唯我独尊」と言われ、右の「手」の人差し指で天を差し、
左の「手」で地を指し、天にも地にも、我一人ひとり尊しと伝えられている。
善きことも悪しきこともすべてが同じ手で行う・・心身一如という表現がある。
口先三寸の出まかせでは困る・・心からお願いという気持ちをこめて・・
手と手を合わせ合掌する・・敬愛、信頼、感謝などいろいろな心の表現を、
手をあわせて相手の心に伝える大事な手である。