憧れの離島の人が、最近、SNSを更新していた。
離島から、さらに離れた無人島にフェリーで出かけたとの内容で
無人島の風景が何枚か投稿されていた。
投稿された風景の一つに、砂浜の写真があった。
波打ち際に佇んでいる女性を、遠くから撮影したものだった。
女性の姿はよく見えないように写していたけれど、
私はこの女性が、離島の人の奥さんだとすぐに分かった。
離島の人は、あからさまに自分の妻をSNSにアップすることはないが、
こうして、妻を遠くから撮影して、自分のSNSにアップして、公開して・・・
さりげない、目立たないやり方だからこそ、かえって、
自分の妻に対する愛情が、ふつふつと伝わってくるような気がした。
妻を、愛してるんだね・・・。
「いいね」をもらえただけで浮かれて喜んでいた自分が、
神聖な結界に触れて焼け落ちた、汚れた虫のように感じられた。
私は・・・
こんなに深く、自分の夫に愛されているだろうか・・・
虫は遠い目をしながら思うのであった。
(憧れの離島の人の過去記事はこちら
→ シグナル
→ 細くて途切れそうな )