君は誰?44

2025-01-27 11:58:07 | 日記
「もう、帰ろう!」

松田の後ろは壁なのに、自分の後ろに誰かいる!と叫ぶ。

「落ち着け!」

直樹たちは、混乱する松田を無理やり椅子から引き離した。

「帰るぞ!」

松田の両脇を抱えて入ってきた教室のベランダから出た。

混乱する松田を支えているため、懐中電灯が役に立たない。

やっと暗い夜道を辿る。

「来るな!」

「え?」

松田は、ぐいっ!と後ろを向いて、後ろに居るらしい"何か"を振り払おうと、両手をブンブンと振り回した。

「触るな!」

「松田!大丈夫だよ!誰もいないよ!」

「わあっ!」

松田は、まるで何かに引っ張られたかのように、ドスンとしりもちをついた。



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