「もう、帰ろう!」
松田の後ろは壁なのに、自分の後ろに誰かいる!と叫ぶ。
「落ち着け!」
直樹たちは、混乱する松田を無理やり椅子から引き離した。
「帰るぞ!」
松田の両脇を抱えて入ってきた教室のベランダから出た。
混乱する松田を支えているため、懐中電灯が役に立たない。
やっと暗い夜道を辿る。
「来るな!」
「え?」
松田は、ぐいっ!と後ろを向いて、後ろに居るらしい"何か"を振り払おうと、両手をブンブンと振り回した。
「触るな!」
「松田!大丈夫だよ!誰もいないよ!」
「わあっ!」
松田は、まるで何かに引っ張られたかのように、ドスンとしりもちをついた。
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