「松田!」
「松田!しっかりしろ!!」
「来るな!」と叫んでしりもちをついた松田は、周りを見回しながらゆっくりと立ち上がった。
直樹と正人は、両脇から松田を支えて自転車を置いた場所へ急ぐ。
「うっ…うっ…」
「どうした?!松田!」
松田は、ゆっくり歩きながら肩を震わせて泣いている。
「大丈夫か?自転車乗れるか?」
「誰か呼ぼうか?」
「大丈夫だよ。自転車乗れるよ…」
泣きながら力無く歩く松田を、二人は、尚一層強く支えた。
「うっ…。うっ…。来な…い…」
「え?なんて?」
「来ない……」
「何が?何が来ないの?」
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