「床、濡れてないか?」
懐中電灯で照らすと、確かに濡れている。
…というより、バケツの水をひっくり返したような水溜まりが出来ている。
「こっちも。」
少し先を歩いていた松田も、床を照らしていた。
床は、水分を吸い込むタイプの素材ではないせいなのか、よく見ると、ところどころに水溜まりが出来ている。
「雨かな?」
「窓はキチンと閉まってるし、そんな事無いんじゃない?」
「最初に入った教室なんて、ほとんど扉が開いてたのに、水はたまってなかったよ」
「そうだな…」
「水…なのか?」
「え?水じゃなかったら何?」
3人とも、しん…としてしまった。