人体模型も剥製も見えないし、あるかどうかもわからないが、とりあえず理科室に入ることにした。
ギギ…ギギ…。
引戸が渋い音を立てて開く。
机や棚が倒れていて、かなり荒らされている。
「ひどいなぁ…」
「…うん。」
「人体模型とかさぁ…あったとしても、誰か待って帰ったんじゃないか?」
「人体模型なんて、持って帰らないよ💦💦」
「持って帰ってどうすんだよ!」
「添い寝?」
ぷっ!
思わず吹き出した。
「添い寝は無いけどさぁ…、ネットで売るとか」
「あぁ…あるかもな」
「なぁ…、床濡れてないか?」
「え?」
確かに…さっきから濡れている気配はしていた。