君は誰?14 2024-10-10 09:38:46 | 日記 「とりあえず、二階に行こう!」正人は、空気を変えるために、少し大きめな声を出した。「よし、もう二階行こう!」再び廊下に出ると、長い廊下に懐中電灯を照らした。長い廊下の暗闇にすぅっと長く明かりが差し込む。そんなに長い廊下じゃ無いのかも知れない。しかし、一筋の明かりが無駄に長く見せている。「人?」「え?」「誰かいるような気がした。」確かに、直樹にも暗闇が動いた…様に見えた。たぶん、気のせいだ。…と、自分に言い聞かせた。
君は誰13 2024-10-07 09:29:29 | 日記 「床、濡れてないか?」懐中電灯で照らすと、確かに濡れている。…というより、バケツの水をひっくり返したような水溜まりが出来ている。「こっちも。」少し先を歩いていた松田も、床を照らしていた。床は、水分を吸い込むタイプの素材ではないせいなのか、よく見ると、ところどころに水溜まりが出来ている。「雨かな?」「窓はキチンと閉まってるし、そんな事無いんじゃない?」「最初に入った教室なんて、ほとんど扉が開いてたのに、水はたまってなかったよ」「そうだな…」「水…なのか?」「え?水じゃなかったら何?」3人とも、しん…としてしまった。
君は誰?12 2024-10-04 09:58:22 | 日記 人体模型も剥製も見えないし、あるかどうかもわからないが、とりあえず理科室に入ることにした。ギギ…ギギ…。引戸が渋い音を立てて開く。机や棚が倒れていて、かなり荒らされている。「ひどいなぁ…」「…うん。」「人体模型とかさぁ…あったとしても、誰か待って帰ったんじゃないか?」「人体模型なんて、持って帰らないよ💦💦」「持って帰ってどうすんだよ!」「添い寝?」ぷっ!思わず吹き出した。「添い寝は無いけどさぁ…、ネットで売るとか」「あぁ…あるかもな」「なぁ…、床濡れてないか?」「え?」確かに…さっきから濡れている気配はしていた。