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片田舎の小学校に、東京から美しい転校生・エリカが遣って来た。エリカは、クラスの“女王”として君臨していたマキの座を脅かす様になり、クラスメートを巻き込んで、教室内で激しい権力闘争を引き起こす。スクール・カーストのバランスは崩れ、物語は背筋も凍る、まさかの展開に。
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第13回(2014年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞を受賞した小説「女王はかえらない」。著者の降田天さん、実は萩野瑛さん及び鮎川颯さんという、2人の女性の合作作家としての筆名なのだとか。萩野さんがプロット作りを、そして鮎川さんが執筆を担当しており、別名で多くのライトノヴェルを生み出して来ていると言う。
片田舎に在る針山小学校の3年1組には、クラスを支配する“女王”として、マキが君臨していた。「彼女に嫌われたら、村八分状態になってしまう。」と、周りの生徒達は常に彼女の顔色を窺い、彼女に気に入られる様な言動に終始している。そんな環境を良い事に、マキは我が儘放題をしていたのだが、或る日、東京から美しい転校生・エリカが遣って来た事で、スクール・カーストのバランスが崩れて行く。マキ派とエリカ派の陰湿な遣り取り、物語の中の話とはいえ、不快さを感じてしまう。
此の作品、読んだ人の読書傾向により、其の評価は大きく別れそう。“ミステリーを余り読んでいない人”だと、展開に「そういう事だったのか!」という驚きが在るかもしれないが、“ミステリーを多読している人”の場合は、“読者の勘違いを呼び込む手法”に、比較的早い段階で気付くだろうし、「こんな大事件が、ずっと発覚しないなんて、在り得ないだろ?」とか「徒名の付け方を含め、設定に無理が在り過ぎる。」等、御都合主義な面が気になる事だろう。