************************************************
「中国で『子供を持たない女性』が急増する背景 『生涯無子率』が10年間で1.29%から5.16%に」(6月27日、東洋経済オンライン)
生涯に亘り、子供を持たない中国人女性が増えている。イギリスの医学誌「BMJオープン」に掲載された中国の研究者グループの論文によれば、中国人女性の2020年の生涯無子率(訳注:49歳時点で子供の居ない女性の比率)は5.16%と、2010年の1.29%から10年間で3.87ポイント上昇。今後も、更に上がり続けると言う。
此の論文は、中国の2020年と2010年の国勢調査及び2015年に実施されたサンプル調査のデータを基に、子供を持たない女性の比率が(年齢層や属性の違いで)どう変化したかや、其の要因を分析している。
其れによれば、中国人女性の生涯無子率は、2020年迄の10年間に全体的に上昇。其の一方、変化の度合いは都市部と農村部、教育水準の違い、地域の状況等により、ばらつきが在った。
具体的には、都市部で暮らす高学歴の女性や、歴史的に出生率が低い地域の女性の生涯無子率が高かった。又、(49歳時点の無子率で比較すると)女性の生まれ年が後になる程、生涯無子率が高い傾向に在る。
2010年から2020年迄の変化を年齢別に見ると、子供を持たない女性の比率は、全ての年齢層で上昇。35歳の女性の無子率は5.39%から10.91%に、40歳は2.66%から7.85%に、49歳は1.29%から5.16%に、其れ其れ高まった。
論文の著者達の分析によれば、「相対的に低い年齢の無子率が上昇したのは、女性達が自分の意思で出産時期を遅らせている為。」と考えられる。一方、「相対的に高い年齢での無子率上昇は、生涯無子(の増加)に直結する可能性が高い。」と言う。
都市部の女性と高学歴女性に関しては、将来の生涯無子率が10%を超えると、著者達は予想する。又、中国に於ける都市化の加速と高等教育の普及が進むと共に、女性の生涯無子率は全国的に上昇が続く見込みだ。
************************************************
未婚化が進むと共に、生涯無子率も増加して行きそうな我が国。「生涯無子率が、10年間で急増した中国の状況。」は、決して対岸の火事では無い。、
中国で生涯無子率が急増した要因が上記されているけれど、日本も全く同じ状況に在ると思う。そして、加えるならば「子育てどころか、其の子供達が成人して以降に安心して生活出来る環境が整っていない事への不安が在るからこそ、子供を作らない。」というのも在るだろう。