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「『窃盗症』視覚情報引き金か 京大等のチーム」(5月6日付け東京新聞[夕刊])
「衝動や欲求を制御出来ずに窃盗を繰り返す『窃盗症』患者は、客が居ないスーパー店内の風景等、視覚情報が引き金となり、窃盗したい衝動を引き起こしている可能性が在る。」と、京都大の後藤幸織准教授(神経科学)等のチームが、国際学術誌に5日迄に発表した。窃盗症は精神障害の一種だが、科学的なメカニズムは良く判っておらず、治療法の開発に繋がる事が期待される。
チームは、窃盗症と診断された患者11人と健常者27人を対象に実験。スーパー店内と屋外歩道の其れ其れ人が居る画像と居ない画像、文房具と食品の商品棚を其れ其れ写した画像の計6枚を見せ、情動の制御を担う脳の領域や視線の動きを調べた。
窃盗症患者は人の居ないスーパー店内の画像にだけ、脳や眼球が他の画像とは異なる反応を示した。健常者は何の画像でも同様の反応だったと言う。
窃盗症患者は刑罰を科しても再犯防止に繋がらない事も多く、後藤准教授は「窃盗症の特性を明らかにして、適切な治療に繋げたい。」と話した。
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罪を犯しても、「アルコール依存症だから。」とか「精神障害だから。」等、“病”を理由に加害者の罪が軽くなったり、問われなかったりするケースが在る。“本当に斟酌すべき病を罹患している場合”ならば加害者の罪が軽くなったり、問われなかったりするのも納得出来ないでは無いが、“罪を逃れんが為に病に罹患している振りをしている場合”も少なからず在りそうな気がして、“完全には”納得出来ないで居る。
今回の研究結果、非常に興味深くは在るけれど、「窃盗症」と「自己満足の為だけに行っている万引き」との“線引き”はどうなっているのだろうか?其れ等を一緒くたにしてはいけないと思うし、「自己満足の為だけに行っている万引き」に関しては、別の厳しい対応が必要だろう。