
先日、ブックオフで「面白そうな本はないかな?」と捜していた所、利根川裕氏が書かれた本を見付け、思わず「懐かしい名前だなあ。」と呟いてしまった。若い人は「誰?」と思われるだろうが、一定年齢以上の方ならば、御存知の方も多い事だろう。
1980年から1994年に掛けて、テレビ朝日系列の深夜帯に放送されていたワイドショーに「トゥナイト」というのが在り、少なくとも1980年代は、非常に人気が在った番組。其の司会を務めていたのが利根川氏で、教授然とした雰囲気が特徴的だった。気になって調べてみた所、今年で95歳を迎えられるとか。
「トゥナイト」は硬い話題を取り上げてもいたが、“御色気系の内容”も結構多く、其の最たる物が「山本晋也監督による風俗街リポート」。18年前の記事「山本晋也よ何処に行く」でも書いた様に、「アポロ・キャップにサングラス、おちょぼ口の上にはチャールズ・チャップリンを思わせるちょび髭。」と、申し訳無いけれど“見るからに胡散臭さを感じさせる風貌の彼”が怪しげで過激な風俗を取り上げ、とても人気が在った。
彼が良く口にしていたフレーズの1つが「殆ど病気!」【動画】という物で、当時は流行語にもなった。「凄過ぎて、自分には理解出来ない!」という意味合いで使っていたのだが、良く考えると「余りにも言葉狩りが酷い“今”だと、口にする事が出来ない(又は難しい)フレーズ。」だと思う。「病気の人を馬鹿にしてるのか!」と非難されそうだから。
此の手の「昔は流行語として使われたけれど、今じゃあ“言葉狩り”されるだろうな。」という物は、結構多そう。此方に「1950年以降の流行語の一部」が紹介されているが、“昭和”の時代の流行語に限って言えば「いかれぽんち」、「クルクルパー」、「家付きカー付き婆抜き」、「鍵っ子」、「ハイミス」、「何をするんですか!機長、止めて下さい!」、「根暗」、「ジャパゆきさん」、「唐行きさん」、「〇金・〇ビ」、「オバタリアン」辺りが当該するだろう。