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「指紋が狙われている ネットの写真、悪用恐れ→防止技術開発」(1月9日、産経新聞)
スマートフォン等の個人認証で利用が広がる指紋が、インターネット上で狙われている。投稿された手の画像から指紋の模様を読み取り、個人情報として悪用する事が可能だからだ。国立情報学研究所(東京)は、こうした指紋の“盗撮”を防ぐ新技術を開発しており、犯罪防止に向け2年後の実用化を目指している。
指紋認証は、人によって模様が違う事を利用した個人認証システム。IDやパスワードを使用せず、指一本で本人と確認出来る利点が在り、スマホやパソコン、マンションのドアロック解除、金融サーヴィス等に利用が拡大している。
其の一方、スマホの普及でネット上に大量の画像が投稿される様になった事で、リスクも増大している。過去にはドイツで記者会見の画像等を基に、「国防相の指紋を盗み取った。」と或る人物がネット上で発表し、衝撃を与えた事例が在る。第三者に指紋のデータを読み取られた場合、プライヴァシーの侵害や金銭的な被害を受ける恐れが在り、情報技術が進展する今後は、一層注意が必要となる。
国立情報学研究所が開発したのは、白い酸化チタンで特殊な模様を描いた透明フィルム。指先に貼るか、塗って使用する。指紋の一部を隠すだけで無く、自分とは違う別の指紋の特徴を作り出す効果が在る。
研究チームは、開発した模様を指に付けると、指紋のデータ読み取りを防止出来る事を確認した。又、此の模様を付けた儘、認証装置を使うと、自分の指紋を正しく照合させる事が出来ると言う。
盗撮防止の為、手袋を付けると、認証の度に外す必要が在るが、指先の模様は外出時に付けるだけで済む為、利便性が高いと言う。
研究チームはプライヴァシーを保護する為、コンピューターが人間の顔だと認識出来なくなる眼鏡型の器具も既に開発している。
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「投稿された手の画像から指紋の模様を読み取り、個人情報として悪用する。」というのは、可能性として理解は出来るものの、実際に我が身に降り掛かって来る事迄は想像出来ない。「投稿された手の画像から指紋の模様を読み取る。」という作業自体が面倒だし、有名人なら話は別だが、一般人の場合、個人特定をするのも容易では無いだろうから。
とは言え、「投稿された手の画像から指紋の模様を読み取り、個人情報として悪用する。」事が可能というのは、ゾッとする話。去年、「インクジェット・プリンターで印刷した指紋を使い、スマートフォンの指紋認証を突破出来た。」という研究結果をミシガン州立大学が発表した際、「其処迄出来るのか。」と驚いたけれど、其れ以上に衝撃度の在るニュース。
特殊な模様が描かれた透明フィルムを指先に付けたり、コンピューターが人間の顔だと認識出来なくなる眼鏡型の器具を付けたりしなければならない世の中って、何とも世知辛い。文明の進化により、人は暮らし易さを得られる反面、煩わしさも増すという事か。
スマホ等の手の画像から指紋が盗まれるというのは、何も有名人に限ったことではないような気がします。
例えば盗み取られた指紋を使って、成りすまし悪事がなされた場合、指紋の照合で身に覚えがないのに事情聴取、場合によっては逮捕というのもあり得るかも。
用心に越したことはないですね。
「盗み取られた指紋を使って、成り済まし悪事がなされた場合」、此れは在り得ますね。又、スマホ非所有な人間なので考えが及びませんでしたが、良く良く考えるとスマホの個人認証を利用している場合、スマホ表面に残された指紋の痕跡を悪用するというのも、可能性的には在り得るのかなあと。
何にしろセキュリティー面に関しては、とても面倒臭い世の中になった物です。