ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ラスト・ワルツ」

2015年04月05日 | 書籍関連

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華族に生まれ、陸軍中将の妻となるが、退屈な生活に倦んでいる加賀美顕子(かがみ あきこ)。大使館催された仮面舞踏会の会場で、何故か、或る男の事が頻りに思い出された。目に見えぬ黒い大きなを背負っているかの様な、謎の男。嘗て窮地を救ってくれた彼と、何時か一緒に踊る事を約束したのだった。だが、男の事を調べると、意外な事実か浮かび上がり・・・。(「舞踏会の夜」)

 

疾走する満鉄特急あじあ」内。“スパイ殺し”を目的とした、ソ連秘密諜報機関スメルシュ”に狙われる、D機関諜報員を描く「アジア・エクスプレス」、ドイツUFA」の映画撮影所で、ナチス宣伝大臣ゲッベルス対峙した日本人スパイを描く「ワルキューレ」を収録

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柳広司氏の「D機関シリーズ」は、第1弾の「ジョーカー・ゲーム」が映画化される等、人気の高いミステリースパイ小説。今回読了した「ラスト・ワルツ」はシリーズの第4弾に当たり、「アジア・エクスプレス」、「舞踏会の夜」、そして「ワルキューレ」という3つの短編小説から構成されている。

 

「D機関シリーズ」の世界観に付いては、「ジョーカー・ゲーム」のレヴューに詳しく記したので、其方を読んで戴ければと思うが、「陸軍内に存在するも、謎多きスパイ養成機関の『D機関』を舞台にし、其の創設者で在る結城中佐や部下達と、他国のスパイ達との虚々実々駆け引きを描いている。

 

「D機関シリーズ」の魅力は幾つか在ろうが、「『謎に包まれた存在の結城中佐が、今回はどういう形でストーリーに関わって来るのか?』という関心。」や「スパイ同士騙し合い」も然る事乍らどんでん返し次ぐどんでん返しという展開。」が最大の魅力だと思う。

 

で、今回の「ラスト・ワルツ」だが、「ワルキューレ」では「どんでん返しに次ぐどんでん返しという展開。」が在ったものの、従来の作品に比べるとインパクト欠ける。他の2作品に関しては論外

 

又、ナチスを登場させた「ワルキューレ」はまあまあだが、全体的に言えば「狭い枠組みの中を描いた、こじんまりした内容。」という感が否めず、スパイ小説のダイナミックさが無かった。

 

期待度が大きかっただけに、落胆度も大きい。厳しいかもしれないが、総合評価は星2つとする。


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