子供の頃、虫歯がズキズキ疼くと今は亡き父が当該する歯を指で前後左右に軽く動かし、グラグラ動く様だと「こりゃあ抜いた方が良いな。」と言ってグイッと抜いてくれた。歯科医でも何でも無い父がやるのだから痛くない筈が無いのだが、口の中を水で濯がせた後に塩を塗り込んで完了というのが、武士の家系を自負する父の遣り方だった。今考えれば非常に荒っぽい方法だが、昔はそんなに稀有な事では無かった様に思う。*1少なくとも自分の周りの友達には虫歯を親に抜いて貰ったり、自分で抜いたと言っている者が当時は結構居た。
そして歯を抜いた父が必ず言うのは、「上の歯を抜いたから新しい歯が下にちゃんと伸びる様に、縁の下に抜いた歯を投げ入れよう。」と。下の歯を抜いた時には屋根の上に放り投げる事になっており、中学に上がる位迄この“行事”を続けていたっけ。
「いま、『抜けた歯』は屋根に投げないの?」という記事が載っていた。時代は変わり、屋根や縁の下が存在しない家屋も多くなった今、「そういった行事をしている家庭は殆ど無いんだろうな。」とは思っていたが、抜けた歯を保管する「トゥース・ケース」なる商品が普及して来ているとか。欧米では抜けた歯を「取って置く」という「トゥース・バンク」の風習が在り、これは「乳歯が全部生え変わり、それを全部取って置くと妖精が御金に変えてくれる。」というもの。貯金箱と一体型の物も在るとか。「御国変われば、風習も変わる」とはこの事か。
*1 昔は怪我をすると、何でもかんでも傷口に“ヨーチン”を塗られていた。ヨーチンを塗られると、頭のてっぺんから突き抜ける様な激痛が走り、嫌で堪らなかったっけ。
そして歯を抜いた父が必ず言うのは、「上の歯を抜いたから新しい歯が下にちゃんと伸びる様に、縁の下に抜いた歯を投げ入れよう。」と。下の歯を抜いた時には屋根の上に放り投げる事になっており、中学に上がる位迄この“行事”を続けていたっけ。
「いま、『抜けた歯』は屋根に投げないの?」という記事が載っていた。時代は変わり、屋根や縁の下が存在しない家屋も多くなった今、「そういった行事をしている家庭は殆ど無いんだろうな。」とは思っていたが、抜けた歯を保管する「トゥース・ケース」なる商品が普及して来ているとか。欧米では抜けた歯を「取って置く」という「トゥース・バンク」の風習が在り、これは「乳歯が全部生え変わり、それを全部取って置くと妖精が御金に変えてくれる。」というもの。貯金箱と一体型の物も在るとか。「御国変われば、風習も変わる」とはこの事か。

*1 昔は怪我をすると、何でもかんでも傷口に“ヨーチン”を塗られていた。ヨーチンを塗られると、頭のてっぺんから突き抜ける様な激痛が走り、嫌で堪らなかったっけ。

自分の歯ではないのですが、今は亡きネコちゃんの歯と骨の一部を動物霊園で買った「トゥース・ケース」を家の鍵と車の鍵と一緒に持ってます。
最近では、亡きペットの歯を「トゥースブレスレッド」や「トゥースペンダント」なるものもあるそうです。なんでも商売ですねw
iorin様も抜けた歯を屋根に投げたりされていたのですね。
バレンタイン・デーやらハロウイン等、海外からの風習が次から次へと入り込み&定着して行く一方で、我が国に古くから伝わって来た風習が廃れて行ってしまっている。自然界でも外来種が在来種を駆逐しつつ在りますが、自然な流れとはいえ、これで良いのかなあと思ったりします。
マヌケ様が書かれた言い伝え、どれも言われた記憶が在ります。祖父母や両親からですが、蜘蛛や蛇なんていうのは仰る様に、今と比べると建て付けが決して良くなかった時代の名残なんでしょうね。子供の頃に住んでいた名古屋では、夜中になると天井で鼠達が良く“運動会”していましたし(笑)。