ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

遺伝子組み換えされた○を野に放つ

2011年02月13日 | 時事ネタ関連
もう可成り昔の話になるが、アフリカの地を旅した。幼少時に見たアニメ「ジャングル大帝」(動画)で動物達が大草原を群れ成して行進したり、軽やかに疾走したりしているシーンを目にして以降、「実際に生で、そういったシーンを見てみたい。」という思いが在ったから。嘗ては「暗黒大陸」と呼ばれたアフリカだが、自分が行った頃には勿論そんな呼称は一般的で無くなっていたけれど、其れでも他のメジャーな国々に比べれば、未知なる部分が少なくなかった。治安状況に加えて不安だったのは風土病で、此れに関しては出発前に相当調べたもの。副作用の心配も在ったけれど、結局「黄熱病」等3種類の風土病に対する予防接種を受けた。(結果的に自分の場合は、副作用が出る事は無かった。)現地では「マラリア予防の錠剤を服用するかどうか?」尋ねられたが、「必ず飲まなければいけない訳では無く、人によっては幻覚症状が出る事も在る。」という事だったので服用はしなかった。

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デング熱対策、遺伝子組み換え』森に放つ」(1月28日、読売新聞

マレーシアで、デング熱を媒介する蚊の駆除、遺伝子組み換え技術を利用する取り組みが激しい議論を呼んでいる。

同国政府は25日、遺伝子を組み換えたの蚊6,000匹をクアラルンプール近郊の森林に試験的に放ったと発表した。企業オクシテックが開発した雄で、此れ等と交尾したが産む卵から孵る幼虫は短命で成長出来ない。行く行くは野生の雄を圧倒する多数の遺伝子組み換え蚊の雄を放ち、蚊を根絶やしにしようという計画だ。

だが、環境団体の間では、予測出来ない突然変異を引き起こして、より危険な蚊を作り出す等、生態系攪乱するとの懸念も根強い。英等の世界116団体が計画中止を求める声明を相次いで発表している。

熱帯地方に多いデング熱は世界で毎年約5,000万人が感染し、約1万2,000人が死亡している。マレーシアではマラリアに並ぶ風土病で、2010年は134人が死亡した。ワクチンも予防薬も無く、蚊に刺されない事が唯一の予防策だ。
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「黄熱病」や「マラリア」と同様に、蚊を媒体にして罹患する風土病「デング熱」。初めて此の病名を目にした時は愚かにも「『テング熱』って何だ?テングって言うんだから、テングみたいに鼻が長くなる病気なのか?」と思ったもの。ワクチンも予防薬も無い怖い病気だなんて全く知らなかったのだから、無知とは恐ろしい物だ。

ワクチンも予防薬も無いという事から、「じゃあ蚊を遺伝子組み換えして、根絶やしにしよう。」という発想が出るのは判らないでも無いけれど、矢張り懸念されるのは「生態系に与える影響」だろう。突然変異で「モンスター蚊」が出来上がらないという保証は無いし、蚊が激減したり根絶やしにされた事で「食物連鎖のバランス」が崩れるのは確かだろうから。「自然に逆らう『人工的な操作』を行う事で、自然界が人間に対して強烈な竹篦返しをする。」というのは、過去に少なからず見られた事だし。

週刊新潮(2月20日号)にも此のニュースは取り上げられていたが、昨年には矢張り遺伝子組み換えされた蚊300万匹がケイマン諸島に放たれているのだとか。此の事で同島での蚊は80%減少したが、デング熱の感染者自体が減ったかどうかは不明で、他の国からは「生体実験目的に蚊を放ったのではないか?」との声も上がっていると言う。

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