ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

客商売も大変だ

2017年01月14日 | 其の他

44年前に本放送されていた人気ドラマ「ありがとう 第3シリーズ[魚屋編]」が現在、BS12で再放送されているのだが、数日前、興味深い台詞が在った。44年前の1973年と言えば、終戦から28年後。今よりもずっと、戦争というのを身近に感じていた時代だったろう。そんな中、中央肉店」の店主・中央玉之輔佐野浅夫氏)が家族に向かって口にしていたのは、「戦時中は物を売る側が威張っていて、此方は頭を下げて買ってた。」といった趣旨の台詞。

 

戦時中程では無いにせよ、昔は横柄な態度で物を売る店主に腹を立てた事が在ったりしたが、最近は寧ろ店に対して常軌を逸し言動をする客を見掛け、腹が立つ事が少なく無い。

 

数日前、有名饂飩チェーンに昼飯を食べに行った時の話。注文の列が出来ており、其の最後尾に並んだ。注文を受けて饂飩を作るのは、20歳前と思われる男性(以降、Aと称する。)。1人1人に対し、丁寧な対応をしている子だった。自分の直ぐ前に並んでいたのは年配の女性(以降、Bと称する。)で、後に振り返った際に顔を見たら、50代半ばと思われる年頃。Bの順番が回って来た時には、自分の後ろに6人の人が並んでいた。

 

「何に致しましょうか?」と尋ねるAに対し、Bは何も答えない。商品の写真が載ったメニューを見ていた様だが、“1分近くの黙り状態”を続けた挙句、「“冷たい”サラダ饂飩頂戴。」と。其れを受けたAは、「サラダ饂飩は、饂飩の上にサラダとドレッシングが乗っかる形になりますが、宜しいでしょうか?」と尋ねると、Bは「そんなの判ってるって!」と不機嫌な声で答えた。「変な奴。」と心の中で思った自分。

 

Aが盛り付けを全て終えた所、「えっ!此の饂飩って冷たいの?冷たい饂飩すきじゃないんだけど。」と言い出したB。自分で「冷たいサラダ饂飩頂戴。」と言っていた癖にだ。「冷たいなんて知らなかった。」等とグダグダ言っていたが、「まあ良いわ。」となったので、其れで全て終わると思ったのだけれど・・・。

 

「えー、何此れ?饂飩の上にサラダが乗ってるなんてよ。サラダは別にして頂戴。」と言い出したB。メニューの写真には出来上がった状態が示されていたし、何よりも注文を受けた時点でAが「サラダ饂飩は、饂飩の上にサラダとドレッシングが乗っかる形になりますが、宜しいでしょうか?」と確認しているのだ。

 

Aは一瞬「えっ?」という表情を浮かべたものの、「判りました。作り直しますので、少し御待ち下さい。」と答え、饂飩が入った器とは別に、サラダが入った器を用意。そして、其のサラダにドレッシングを掛けた所、「何してるのよ!ドレッシングはサラダに掛けないで、別の器に入れなさいよ!」と大声で命令するB。「判りました。」と、新たにサラダとドレッシングを別々の容器に入れ直すA。

 

此れで完了と思いきや、「饂飩のが少ないから足して。」とB。「判りました。」とAは答え、結構な量を足した所、「汁を足してって言ったわよね?全然足りないじゃないの!!」とB。「申し訳在りません。」と答えたAは、更に結構な量を足した。然し・・・。

 

貴方日本語理解出来ないの?私は『汁が足りないから、足して。』って言ったわよね?私の言っている事が理解出来ないのかしら?」と怒鳴り始めたB。

 

敢えて言えば、「“具体的に”何の程度、汁の量を足せば良いのか確認しなかった事。」は、Aのミスかもしれない。でも、「こんなに足すの。」と思う程の量をAは足していたし、其れの言動を見ていたら、Bが難癖を付け捲っているとしか思えなかった。

 

Bの番が回って来てから、既に5分以上過ぎていただろう。自分の後ろには更に人が並び、中には露骨咳払いをして、Bの言動を非難している者もた。自分も“心の中”で何度か「好い加減にしろよ!相手が弱い立場なのを判った上で甚振ってるだけじゃねーか!!」と怒鳴っていたが、「怒りをBにぶつけた所で、こういう手合いは更に逆上し、チェーンの本部にクレームを入れる事も考えられる。そうなったら、Aの立場は悪くなってしまう。」と考え、グッと我慢していた。

 

執拗にAを詰っていたBが、急に振り返った。険の在る表情で、申し訳無いけれど「此奴、友達が1人も居ないだろうな。」と判る様なタイプ。険しい表情で何を言うのかと思ったら、自分(giants-55)に対して「(Aは)私の言っている事が理解出来ないみたいなんだけど、普通判るわよね?」と。間髪を容れず「自分も全く理解出来なかったし、普通に判らないと思いますよ。」と冷たく答えた自分。

 

「そうですよね。普通は理解出来ますよ。」という“援護射撃”を期待していたのだろうか、表情を固めたB。後ろで「ぷっ!」と吹き出す声も聞こえた。

 

「日本語理解出来ない人が多いのね。どうなってるのかしら。」等と、ぶつぶつ文句を言い乍ら会計に向かうBに、「私の理解力が悪くて、申し訳在りませんでした。」と謝るA。「あんなのに謝る必要なんか無いのに。」と心の中では思ったけれど、客商売をしている以上、そういう対応をしないといけないのだろう。「客商売も大変だなあ。本当に可哀想。」と思い、注文を終えた時点で、Aに「大変だったね。」と声を掛けた所、「いえ、私が悪いんですから。」と笑顔で答えてくれたのが救いだった。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2017-01-14 17:18:33
凄い場面に出くわしたんですね。
唖然ですね。
昔、三波春夫さんが「お客様は神様です」と言いだした頃から、世の中おかしくなってきたように私は思っています(苦笑)。
以前なら裏稼業の若い衆が言いそうな難癖を、普通の人が言い出すんですから、客商売も本当大変。
そのおばさん、弱い相手にここまでいたぶるとは、余程のストレスを抱えているんでしょうかね。
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>悠々遊様 (giants-55)
2017-01-14 22:36:49
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

常軌を逸した言動の客というのは、此れ迄にも少なからず目にして来ましたが、今回の女性は久々の“大物”でしたね。

店員側に少しでも落ち度が在れば未だしも、件の男性店員は丁寧な対応振りだっただけに、どうしても不条理な言い掛かりが許せなかった。

余程のストレスを抱えているのかもしれないし、若しかしたら精神を病んでいる可能性すらも在りそうでしたが、ぶつぶつと捨て台詞を吐き乍らも、そそくさと“逃げて行った”事を考えると、未だ“気まずさ”を感じる部分は残っているのかなと。

自分も「御客様は神様です。」というフレーズが、必要以上に客を増長させてしまった面は在る様に感じています。とは言え、常軌を逸したレヴェルの客は本の一握りで、圧倒的多数は“常識の在る客”と信じたいですが。
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