日本の歌謡界の歴史を振り返った時、「此の人が居た事で、歌謡界は大きく変わった。」と思う作詞家や作曲家が存在する。10年前の記事「あの曲もこの曲も・・・老若男女を問わず口ずさんでいた歌謡曲の数々」で触れた阿久悠氏、4年前の記事「阿久悠氏と同様、此の人が居なければ、歌謡曲全盛の時代は無かっただろう」で触れた岩谷時子さん、3年前の記事「“江戸のベートーヴェン”」で触れた小林亜星氏、そして昨年の記事「『九』、『八』に続き、最後の『六』が」で触れた永六輔氏等が当該するが、今から丁度四半世紀前の1992年に亡くなられた或る作曲家も、そんな1人だと思っている。彼の名前はいずみたく氏。
1960年代から1980年代に掛けて、多くのヒット曲を生み出して来た彼は、間違い無く天才と言える。カラオケで彼の作品を歌う事も多く、2年前に彼の墓所を訪れた時には、「此の下に、彼は眠っているのだなあ。」と感慨深い物が在った。
多くのヒット曲の中から、今日はベスト10を選んでみたい。
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[いずみたく作品のベスト10]
1位: 「見上げてごらん夜の星を」【動画】
5位: 「いいじゃないの幸せならば」【動画】
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ベスト10には入らなかったけれど、他にも思い出深い作品は多い。「もーれつア太郎」【動画】、「宇宙少年ソラン」【動画】、「夜明けのうた」【動画】、「ベッドで煙草を吸わないで」【動画】、「女ひとり」【動画】、「恋の季節」【動画】、「手のひらを太陽に」【歌】、「ケロヨンのうた」【歌】、「マーブルチョコレート」【動画】、「伊東に行くならハトヤ」【動画】、「バーモントカレーの歌」【動画】、「『徹子の部屋』のテーマ曲」【曲】等。本当に凄い才能の持ち主だ。
ベストワンは私も「見上げてごらん夜の星を」ですね。
確か東日本大震災の時、被災者を励ます歌として流れた事もありましたね。
しみじみ、心に沁みるいい歌だと思います。
元は、定時制高校に通う人たちを主人公にした、坂本九主演のミュージカル劇の主題歌で、映画にもなりました。
giants-55さんがベスト10に挙げられたものはどれも好きですが、圏外の中で私がベストに入れたいのは、「夜明けのうた」、「ベッドで煙草を吸わないで」。
その他、上記に挙げられてない中で私のお気に入りは、永六輔作詞、坂本九歌の「ともだち」、デューク・エイセスの神戸を舞台にした「別れた人と」、それに佐良直美「私の好きなもの」
♪ボサノバのリズム 夜明けの渚
レモンの切口 洗いざらしのブルージーンズ♪という歌詞が何とも粋でシャレてますね。この3曲、いずれも永六輔作詞です。
あと、夏木陽介主演の学園ドラマ「青春とはなんだ」の挿入歌「貴様と俺」も大好きなんです。
♪空に燃えてる でっかい太陽
腕にかかえた 貴様と俺だ(中略)
年がら年中 傷だらけ
泥んこ苦行は なんのため
勝って帰らにゃ 男じゃない♪
布施明が歌う、一連の青春シリーズ主題歌(いずれもいずみたく作曲)の中でもこれが一番好きです。歌うと元気が出ます
こんな男っぽい歌の作詞が、岩谷時子さんですから驚きます。
最後にかなりマニアックなものを。
六代目市川染五郎(現・松本幸四郎)が歌った「明日も逢おうよ」
♪明日も逢おうよ あの町の角で
窓の灯りが 消えてゆくころに♪という出だしで、とても素敵なメロディです。一度検索して聴いてみてください。ジーンとなります。
いずみさんのメロディって、どれも聴いているうちにホロッとなって、それでいて終わると「明日も頑張ろう」という気にさせてくれるものが多いように思いますね。偉大な作曲家だったとつくづく思います。
Kei様もいずみたく作品が御好きなのですね。仲間が居られて、凄く嬉しいです。
「聴いている内にホロッとなって、其れでいて、終わると『明日も頑張ろう。』という気にさせてくれる物が多い。」というのは同感。「見上げてごだん夜の星を」なんかは、其の典型だと思います。
完全に抜け落ちていましたが、「貴様と俺」も彼の作品なんですね。此れも、良い曲です。
「明日も逢おうよ」という曲は全く知らなかった為、ググってみました。此方(https://www.dlmarket.jp/products/detail/337972)で一部を視聴出来たのですが、趣の在る歌ですね。何人かが歌われた様ですが、彼の六代目・市川染五郎氏も歌っていたというのは、一寸吃驚でした。
名曲が多いのに、作ったいずみたく氏に関しては、概して知られていない様なのが非常に残念。多くの人に知って貰いたい、偉大な作曲家です。