美声の持ち主で、気障な役が本当に似合う人だった。自分の中で最も印象深いのは「ムー一族」(動画)での「二階堂卓哉」役で、気障な中に間抜けさが同居するチンピラ姿が妙に似合っていた。子分「八郎」(たこ八郎氏)との支離滅裂な掛け合いが大好きで、彼等が登場するのを毎週待っていた程。「パローレ パローレ パローレ♪」のフレーズが強烈な、彼が歌う「あまい囁き」(曲)も忘れられない。「『アイフル大作戦』等で大好きだった 小川眞由美さんの元夫」で在る事は、後から知った事。急性硬膜下血腫にて昨日亡くなられた細川俊之氏、70歳という若さが余りにも残念だ。合掌。
話は変わるが、其の設立計画を巡って「国営の漫画喫茶」や「アニメの殿堂」等と揶揄され、結果的に設立計画自体が撤回された「国立メディア芸術総合センター」。コンテンツがアニメ及び漫画だけに限った物で無いのは理解しているし、対外的に「日本のメディア・アート」の情報を流す事の重要性は認めるけれど、だからと言って「箱物を作る事、先ず在りき。」的な遣り方には疑問を持っている。「情報発信」だ「地域の活性化」だと大義名分を振り翳して箱物を濫造した挙句、莫大な債務を抱え込み、次から次へと税金で穴埋めしている現実がどれだけ在る事か。其の最も悲惨な象徴が、あの夕張市ではなかったのか?
以前の記事でも触れたけれど、アニメに限って言えば「情報発信に多額の金銭を投入するならば、其れ以前に薄給に苦しむアニメ従事者達の環境改善に投入し、より魅力在る職場に変えて行く方が重要。」と考える。職場環境がより魅力的になれば「アニメの世界に進みたい。」と思う人は増え、結果としてアニメの世界が活性化されるだろうし。箱物設立は“一時的には”雇用需要を増させるだろうけれど、長期的に見ればこういった箱物行政は国家を疲弊させるだけ。勿論、「投資以上に、総合的な(「必ずしも物理的な面だけで無く」という意味で。)リターンが高い可能性で見込める箱物。」は別だろうけれど。
1月12日付けの東京新聞(朝刊)に、「アニメとハコモノ 相性悪い?」という記事が載っていた。此の記事によると、「2006年3月、『日本初のアニメ情報発信基地』をキャッチフレーズにして秋葉原に開館した『東京アニメセンター』が、此の1月10日に一時休館となった。」のだそうだ。アニメ制作会社で作る「日本動画協会」等が設立した展示・イヴェント施設で、原則無料だったものの入場者数は年々減少。2009年度は初年度の2006年よりも10万人少ない、21万人に留まった。施設面積は約330平米で、「イヴェントを遣るには展示スペースや販売コーナーを一時的に片付けなくてはならず、本格的な展示をすると、イヴェントが出来ない。」という状況。アニメ評論家の藤津亮太氏は此の施設に付いて、「努力はしていたが、誰に向けた施設なのか、最後迄ハッキリしなかった。中途半端。イヴェントには人が集まっても普段はガラガラ。展示は御座なりで熱心なファンには物足らず、一般の人が態々足を運ぶ程の魅力は無かった。」と語っている。今回の休館は「当初計画の5年間が終了する為。」の一時的な物で、施設規模を広げたり、映像資料の視聴機能等を充実させる事で、早ければ今秋にも再開を目指すというが、其の前途は厳しいと言わざるを得ないだろう。
又、杉並区が2005年に上荻に開館した「杉並アニメーションミュージアム」も、非常に厳しい状況に在る様だ。立地条件が不便という事も在って、年間の来場者数は約5万8千人。其れに対して年間運営費は6千万~7千万円掛かり、区事業の外部評価では「地域活性化に結び付いていない。」として、抜本的な見直しが迫られている。
元記事は「(アニメの)ファンの興味は細分化しており、人気の盛衰も激しい。箱物が継続的に人を集めるには課題が多い様だ。」と指摘した上で、藤津氏の以下の提言で締め括っている。
「最新情報はインターネットや秋葉原の街中の方が早い。施設は『アニメとは何か?』といった一般向けのテーマに絞った方が良いのでは。」
インターネットの環境が整ってさえいれば、世界の何処からでも情報へのアクセスは可能だ。莫大な資金を投じて箱物を作らずとも、情報発信自体は出来る。箱物には観光客の誘致という面も在るが、其れならば其れで費用対効果をきちんと考えるべきだろう。「何でもかんでも寄せ集めて、其れを展示しさえすればOK。」というのでは、余りに能が無い。
話は変わるが、其の設立計画を巡って「国営の漫画喫茶」や「アニメの殿堂」等と揶揄され、結果的に設立計画自体が撤回された「国立メディア芸術総合センター」。コンテンツがアニメ及び漫画だけに限った物で無いのは理解しているし、対外的に「日本のメディア・アート」の情報を流す事の重要性は認めるけれど、だからと言って「箱物を作る事、先ず在りき。」的な遣り方には疑問を持っている。「情報発信」だ「地域の活性化」だと大義名分を振り翳して箱物を濫造した挙句、莫大な債務を抱え込み、次から次へと税金で穴埋めしている現実がどれだけ在る事か。其の最も悲惨な象徴が、あの夕張市ではなかったのか?
以前の記事でも触れたけれど、アニメに限って言えば「情報発信に多額の金銭を投入するならば、其れ以前に薄給に苦しむアニメ従事者達の環境改善に投入し、より魅力在る職場に変えて行く方が重要。」と考える。職場環境がより魅力的になれば「アニメの世界に進みたい。」と思う人は増え、結果としてアニメの世界が活性化されるだろうし。箱物設立は“一時的には”雇用需要を増させるだろうけれど、長期的に見ればこういった箱物行政は国家を疲弊させるだけ。勿論、「投資以上に、総合的な(「必ずしも物理的な面だけで無く」という意味で。)リターンが高い可能性で見込める箱物。」は別だろうけれど。
1月12日付けの東京新聞(朝刊)に、「アニメとハコモノ 相性悪い?」という記事が載っていた。此の記事によると、「2006年3月、『日本初のアニメ情報発信基地』をキャッチフレーズにして秋葉原に開館した『東京アニメセンター』が、此の1月10日に一時休館となった。」のだそうだ。アニメ制作会社で作る「日本動画協会」等が設立した展示・イヴェント施設で、原則無料だったものの入場者数は年々減少。2009年度は初年度の2006年よりも10万人少ない、21万人に留まった。施設面積は約330平米で、「イヴェントを遣るには展示スペースや販売コーナーを一時的に片付けなくてはならず、本格的な展示をすると、イヴェントが出来ない。」という状況。アニメ評論家の藤津亮太氏は此の施設に付いて、「努力はしていたが、誰に向けた施設なのか、最後迄ハッキリしなかった。中途半端。イヴェントには人が集まっても普段はガラガラ。展示は御座なりで熱心なファンには物足らず、一般の人が態々足を運ぶ程の魅力は無かった。」と語っている。今回の休館は「当初計画の5年間が終了する為。」の一時的な物で、施設規模を広げたり、映像資料の視聴機能等を充実させる事で、早ければ今秋にも再開を目指すというが、其の前途は厳しいと言わざるを得ないだろう。
又、杉並区が2005年に上荻に開館した「杉並アニメーションミュージアム」も、非常に厳しい状況に在る様だ。立地条件が不便という事も在って、年間の来場者数は約5万8千人。其れに対して年間運営費は6千万~7千万円掛かり、区事業の外部評価では「地域活性化に結び付いていない。」として、抜本的な見直しが迫られている。
元記事は「(アニメの)ファンの興味は細分化しており、人気の盛衰も激しい。箱物が継続的に人を集めるには課題が多い様だ。」と指摘した上で、藤津氏の以下の提言で締め括っている。
「最新情報はインターネットや秋葉原の街中の方が早い。施設は『アニメとは何か?』といった一般向けのテーマに絞った方が良いのでは。」
インターネットの環境が整ってさえいれば、世界の何処からでも情報へのアクセスは可能だ。莫大な資金を投じて箱物を作らずとも、情報発信自体は出来る。箱物には観光客の誘致という面も在るが、其れならば其れで費用対効果をきちんと考えるべきだろう。「何でもかんでも寄せ集めて、其れを展示しさえすればOK。」というのでは、余りに能が無い。