ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

故人をCG復元

2019年11月13日 | 時事ネタ関連

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彼のジェームズ・ディーンCG復元で主役級登場』映画に猛批判」(11月10日付け東京スポーツ

ハリウッドで“永遠のイケメン”と言えば、1955年に24歳の若さで此の世を去ったジェームズ・ディーンだ。其のディーンが最新のCG技術により、新作映画で復活する事が、此の程発表された。ところが、其の直後、製作陣に対して各方面から猛批判が寄せられ、波紋を呼んでいるニューヨーク・タイムズ等が報じた。

ディーンの“CG出演”を計画しているのは、映画プロデューサー監督アントン・エルンスト氏。
ベトナム戦争をテーマにした実写映画「ジャックを探せ(原題)」にディーンを主役級で登場させると言うのだ。過去の映像や写真を元に、ディーンの在りし日の姿を復元し、声は別の俳優が担当すると言う。

紙によると、此れにはハリウッドの伝説的俳優を、集客ネタに利用し様としているに過ぎない。という批判が溢れている。一方、俳優達も「新技術によるCG出演という形が確立されれば、将来仕事が奪われ兼ねない。」と危機感を募らせている。


其の1人、キャプテン・アメリカ役で人気の米俳優クリス・エヴァンスは、ツイッターで「酷い話だ。コンピューターを使えば、俺達をピカソにだって作り替える事が出来るんだから。」と猛反発。実際、2015年の「ワイルド・スピード SKY MISSION」では、2013年に事故死した同シリーズのレギュラー出演者、ポール・ウォーカーをCG技術で登場させている。

そんな中、エルンスト氏は「此れは、ディーンのイメージを貶める物では無い。」とした上で、「ディーンの役を手広く捜したが、適任者がなかった、CGでの復元を決めた。」と説明した。

ディーンは1955年の「エデンの東」で初主演。甘いマスク 乍ら粗暴で孤独な青年を演じ、米アカデミー賞主演男優賞ノミネートされて、一躍スターダム伸し上がった。

続いて同年に公開された「理由なき反抗」は当時、其のタイトルが若者達の反抗的行動を表す流行語になり、ディーンの短い生涯の代表作となった。

其の翌年に公開され、ジョージ・スティーブヴンス監督がオスカーに輝いた「ジャイアンツ」では、主役で出演。当時の大女優エリザベス・テーラーやハリウッド屈指二枚目俳優ロック・ハドソン等と共演したが、公開時にディーンは自動車事故で、既に他界していた。
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ジャックを探せ(原題)」の製作会社は、「ジェームズ・ディーンの映像等に関する知的所有権は、遺族からを譲渡された。」と主張しているのだとか。其れが事実ならば、法律面での問題はクリアされている事になる。
俳優達の「新技術によるCG出演という形が確立されれば、将来仕事が奪われ兼ねない。」と危機感は別にして考え、故人がCG復元された作品を見る側の立場で言えば、其の故人への思い入れが深ければ深い程、反応は正反対になる可能性が在りそう。

子供の頃、夢中になって見ていた特撮TVドラマ仮面ライダー」。魅力的なキャラクターが多く登場したが、ショッカーの大幹部死神博士も、そんな1人だ。演じていたのは天本英世氏で、不気味な雰囲気が実に印象的だった。彼は2003年に77歳で亡くなられたのだが、2005年に公開された映画「仮面ライダー THE FIRST」に“出演”している。と言っても、同作品に合わせた演技をしての出演では無く、「仮面ライダー』で使用された死神博士の映像に、声優丸山詠二が新たに声を当てた“デジタル出演”という形。」だ。出演する場面は、本の一瞬。死神博士が大好きだった人の中には、「こういう形での出演は好きじゃ無い。」という人も居るだろうけれど、自分の場合は大好きな死神博士が登場したという事が、素直に嬉しかった。

とは言え、故人の過去の映像を繋ぎ合わせるにせよ、又、CG復元するにせよ、主役級の扱いで長々と登場させ、新作として公開するとなると、「見続けるのは厳しいかな。」という思いも在る。本の少しの出演という感じなら、「在り。」だろうけれど。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2019-11-13 09:54:05
こんにちは~
この記事を新聞で読んだ時の反応は「嫌だな」でした。
第1には、過去の著名人の名声に頼らなければならないほど、今は人材不足なのかということ。
第2には、過去の作品や出演者の印象は、それを見た人の思い出の中にあるからこそ輝いているものだし、それを制作側の個人的なイメージで解釈して出してくるのは違うだろうなと。
第2でいえば、原作本を先に読んで自分が持った印象と、その後に監督個人の印象で作られた映画を見たときの落差で、自分のイメージを壊された気分になったこともままあったので。
昔聞いたブラックジョークを思い出しました。
「世の中がどんどん廃れて行くね」
「どうしてそう思うんだい?」
「だって、えらい政治家や優秀な博士や名優が、次々に亡くなるニュースはあるけど、えらい政治家や優秀な博士や名優が産まれましたというニュースは聞かないよ」
「生まれる」ではなく、「産まれる」というところがミソですね(笑)。
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>悠々遊様 (giants-55)
2019-11-13 20:08:47
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「過去の著名人の名声に頼らなければならない程、今は人材不足なのか。」、今回の件で反対の気持ちを持っている俳優の中には、こういう思いからの反発も在るでしょうね。

殺人事件が起こった際、良く言われる事に「加害者や被害者に付いて色々報じられるけれど、誤った情報が在った場合、“生きている加害者”は訂正を申し入れる事が出来ても、“亡くなっている被害者”は全く出来ない。」というのが在ります。“生きていた頃の俳優”は、台本を基にして、“自分なりの演技プラン”を立て演じていた筈。でも、亡くなってしまった後、“過去の映像”を用いられ、“自身の演技プランとは全く違う使われ方”をしても、訂正を申し入れられない。「“故人のプライド”が守られない。」というのも、今回の件で考えなければいけないのかなと。
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