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「露、スノーデン容疑者を『贈り物』で引き渡しか」(2月11日、読売新聞)
米NBCニュースは10日、ロシア亡命中の米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者に付いて、ロシア政府が米政府への引き渡しを検討していると報じた。
ロシア政府はトランプ政権と信頼関係を築く為の「贈り物」とする狙いが在り、米情報当局も、こうしたロシア側の動きを把握していると言う。
NBCによると、トランプ氏は大統領選中、スノーデン容疑者を「裏切り者」、「スパイ」と非難していた。米国に引き渡されれば、少なくとも30年間服役する事になると言う。
スノーデン容疑者は2013年、米国家安全保障局(NSA)による通話記録収集等の実態を暴露して、米司法当局に追われる身となり、ロシアに亡命した。
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「国家の安寧秩序の為に。」と、各国の情報機関は様々な情報を集めている。虚々実々の駆け引きが必要とされる政治の世界、情報収集に関しても綺麗事だけでは済まない事は理解している。だが、行き過ぎてしまうのは問題だし、行き過ぎた行為が日常化してしまった際には、内部からのリークも必要。
アメリカ政府にとってスノーデン容疑者は、“許し難い裏切り者”という事になるのだろうが、他国にとってはどうだろうか?又、少なからずのアメリカ国民にとっても、「行き過ぎた情報収集が、軈ては言論の自由等、自分達の権利を奪う方向に向かう危険性に気付かせてくれた。」という意味で、必ずしも裏切者と感じられなかったのではないだろうか。
オバマ大統領と対立していたプーチン大統領にとって、スノーデン容疑者は「アメリカと抜き差しならない状況に陥った際、オバマ政権に揺さぶる切り札として、ずっと手元に置いておきたい存在。」だったろう。然し、トランプ大統領がプーチン大統領に歩み寄る姿勢を見せた事で、スノーデン容疑者を手元に置き続ける意味合いが薄れた。彼を“贈り物”にする事で、トランプ大統領の歓心を買いたいという事か。何処ぞの首相が最近、トランプ大統領の下を訪れ、“首脳会談”という名目の“朝貢”を行ったのと同様に。