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「<『口コミ』批判>投稿者の情報開示求め、富山の病院が提訴」(4月1日、毎日新聞)
インターネット上での匿名の投稿で名誉やプライヴァシーが侵害されたとして、投稿者に関する情報の開示を求める動きが広がりつつ在る。「口コミ」サイトに「患者を人間と思わない。」等と投稿された富山県高岡市の産婦人科病院が此の程、投稿者情報の開示を求める訴訟を富山地裁高岡支部に起こした。専門家は「根拠無しに、悪意で相手を貶める誹謗中傷は犯罪に当たる。」と警鐘を鳴らす。
訴状によると、昨年5月、病院の口コミ情報サイトに同病院に付いて、具体的事実を示さず「患者を人間だと思っていない医者が居ます。軽い気持ちで診療を受けると、一生心の傷を受けます。」等と投稿が在った。投稿者は匿名だが、NTTコミュニケーションズ提供のネット接続サービスの利用者で在る事が病院の調査で判明。病院は同社に投稿者情報の開示を求めたが、拒否されたと言う。
病院側は「(投稿は)病院の社会的評価を低下させる事に主眼が在る。」と指摘。投稿者が判明次第、損害賠償を求める方針だ。同社は取材に対し、「係争中でコメント出来ない。」としている。
ネット犯罪に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑事法)の話:公共性の在る事実を公共目的で投稿した場合、其れが真実で在れば罪に問われないが、具体事例を示していない場合は、信用毀損罪に当たる可能性も在る。投稿が思わぬ被害を与える事も在り、情報を発信する時は、自覚が必要だ。
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地元情報を書き込む掲示板を見ていると時折、「悪意しか感じられない書き込み」を目にする。「『飲食店の○○で先日、食中毒が発生した。』といった、報道を確認すれば直ぐに嘘と判るケース。」も在れば、「『コンビニのXXの△△店は売り上げが減少し、今月末で閉店するそうです。』といった、店側に確認しない限り嘘が判らないケース。」が在ったりも。書き込んだ当人は面白半分でした事なのだろうが、書かれた側は大迷惑以外の何物でも無い。最悪の場合、業務を止めざるを得ない事だって在るだろうし、そうなると死活問題で在る。
「地元」という狭いエリアに限らず、ネット上には此の手の「悪意しか感じられない書き込み」が溢れている。昨夏の記事「有名人だって腹は立つ」でも書いたが、「取るに足りない様な事ですら『売国』だ『反日』だと大袈裟に騒ぎ立て、『皆で一斉に抗議しよう!』と関係各所の電話番号やらメール・アドレスやらを記し、“御丁寧にも”『こういう抗議の仕方が効果的です。』と“嫌がらせ”の方法迄アドヴァイスしている書き込み。」を近年は良く見掛ける。其れも、何ヶ所にもコピー・アンド・ペーストしていたりするのだから呆れてしまう。遣っている事は、威力業務妨害等の犯罪行為としか思えない。
こういった悪質なケースには、厳罰を処して良いのではないか?「全く落ち度が無いのに、愉快犯の被害に遭わされている人達を守る。」というのも当然在るが、「匿名性を悪用している連中が遣りたい放題する事によって、インターネットに様々な法の規制が掛かると、インターネットの利点の1つで在る『自由な議論』がし難くなり、其れは結局の所、真っ当なユーザー達(そういった人達が大多数と信じるが。)が不利益を被る事になる。」のを懸念するから。
それぞれ主義主張があって、納得行くまで議論を戦わせた上で、判断を第三者に委ねるのが裁判の前提と思ってましたが、法律の専門家が「世間一般の気持ちと外れているから、みんなで袋叩きしよう」とTVで呼びかけるとは思いませんでした。
あれ? 論点がずれてました?
ネット社会が匿名性で成り立つ世界であるがゆえ、こういう犯罪性のある行為が、出発時点から危惧されてきましたが、これはもう人類が存在する限り無くならない、病原菌みたいなものでしょう。
ネットウイルスを造りばら撒く「誰か」がいるおかげで、セキュリティーソフトを開発する会社が成り立ち、ネット利用者は安全を確保する為にそのソフトを購入し組込む必要を迫られる・・・。
矛と盾の無限連鎖ですね。そのツケを支払わされるのはいつも、声なきエンドユーザー(庶民)というわけで。
んんん・・・腹立つわ!
“「確信犯」という語は、「倫理的に非難されるべき行為を意図的に行う」という故意犯罪の意味で一般化して用いられがちだが、これは誤用であり、「自分が行うことは良心に照らし合わせて正しく、周囲(社会)や政令、法律こそが間違っていると信じて」行った犯罪を指す。”ということを最近知りましたが、酷いコメントをする人には故意犯と確信犯の両方がいるのではないかと思います。また、全か無か思考の人は、いったん白い部分が見えたら全部白、黒い部分が見えたら全部黒と思い込み、過激な言葉をためらいなく使用する傾向があるように思います。
動機や目的がどのようなものにしろ、こういった悪質なケースには厳罰に処して良いのではないかと考えます。giants-55様のおっしゃるように、匿名性を悪用している連中がやりたい放題する事によって、インターネットに様々な法の規制が掛かると、インターネットの利点の1つである『自由な議論』がしにくくなり、それは結局の所、大部分の真っ当なユーザー達が不利益を被る事になるのを懸念するからです。
以前の記事「All-or-Nothing Thinking」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/7fd2adfb1ff8e95eb8ce73bfc5bfb4f5)でも触れましたが、「光市母子殺害事件」の弁護団に対する橋下弁護士(当時)の「TVを使った懲戒請求呼び掛け」に関しては、悠々遊様の御指摘と全く同感です。確かに「彼の弁護団はおかしい。」と自分も思っていたし、其の思いは今も変わらない。でも、だからと言って「自分の意に沿わない事柄や人物は、どんな手を使って排除しても構わない。」というのは論外。自身の“煽り”によって懲戒請求が殺到し、当該弁護士達の業務が尋常ならざる程に妨害されるのは当然理解していただろうし、実に悪質と言わざるを得ない。
又、其れを判っていたからこそ、煽った当人は懲戒請求を出していなかったのですから、此れは“狡賢さ”しか感じられないです。
橋下氏が以前、「僕は弁護士なので、どうしても言葉(乃至は文言)には敏感なのだ。」という趣旨の発言をしていました。法解釈をする上では文言に忠実で在る必要は在るし、彼の主張が完全に誤っているとは言わない。でも、彼の発言は裏を返せば、「言葉や文言で規定されていない事ならば、どんな悪い事をしても構わない。」という思考に繋がっている気がしてならない。上記した懲戒請求騒動もそうですし、彼が過去に指摘された「公私混同」で口にした言い訳からも、こういった思考が透けて見えるんです。「問題企業として知られていた「商工ローン」の顧問弁護士を務め、負け知らずだった事を誇っていた。」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BE%B9#.E5.95.86.E5.B7.A5.E3.83.AD.E3.83.BC.E3.83.B3.E3.81.AE.E5.BC.81.E8.AD.B7.E5.A3.AB.E3.81.A8.E3.81.97.E3.81.A6)という過去も、又、同様。
「自身が信じる『正義』達成の為ならば、何をしても許される。」というので在れば、此れは実に怖い事。自らの意に沿わない人間や事柄を徹底的に排除するのが当然とする橋下市長、そしてそういった彼を妄信的に崇め奉っている人達の姿を見ると、「意に沿わない人々を拘束し、彼等の首に侮蔑の言葉が書き記された札を下げさせ、暴行を加えた上で粛清。」したり、「気に入らない歴史的な遺物を破壊。」したりした文化大革命(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD)の異常さを思い浮かべてしまう。
故意犯と確信犯、「自身の考え方こそが、唯一無二的に正しく、他は一切誤っている。」と真剣に思い込んでいる分、確信犯の方が厄介とも言えますね。
変な喩えですが、こういう確信犯的な人が「本当に好きな相手とは、結婚する迄肉体的な関係は持ちたくない。」と思っていたとして、其れを他者から「好きだったら、肉体関係を直ちに持たないのはおかしい。正すべきだ!」と強要されたならば、一体どう感じるかを想像したりはしないのだろうか?人其れ其れ、色んな考えが在って然る可きだし、だからこそ世の中は面白いのに・・・。
常にピリピリと「売国奴センサー」やら「反日センサー」を張り巡らし、「キムチを食べたから反日だ!」とか、「韓流スターが好きと言ったから、彼奴は売国奴だ!」等と、不毛な言い掛かりをしている人生って疲れないのかなあ?と、余計な心配をしてしまいます。